行政は全ての認可外保育施設に、運営状況の報告を年1回以上、文書で求める
こども家庭庁の通知「認可外保育施設に対する指導監督の実施について」の別紙(指導監督の指針)は、都道府県などに向けて、報告徴収の進め方を定めています。
運営状況の報告は、全ての認可外保育施設の設置者または管理者に、年1回以上、文書で、回答期限を付けて求めるものとされています。届出対象外の施設も含みます。
| 報告 | 求められる場面 | 期限・方法 |
|---|---|---|
| 運営状況報告 | 全ての認可外保育施設に定期に求める | 年1回以上・文書・回答期限つき |
| 臨時の報告 | 施設の管理下で重大な事故が生じたとき | 速やかに |
| 長期滞在児の報告 | 24時間かつ週のおおむね5日程度以上入所している児童がいるとき | 速やかに |
| 変更の報告 | 届出事項のうち省令で定める事項に変更があったとき(届出対象施設) | 変更後1か月以内 |
| 廃止・休止の報告 | 事業を廃止または休止したとき(届出対象施設) | 廃止または休止の日から1か月以内 |
届出対象施設には、児童福祉法が都道府県への定期報告そのものを義務づけています。届出対象外の施設には、法第59条にもとづき、必要な事項の報告を求める形になります。通知は、この違いを運営状況報告の意義として書いています。
年1回の定期報告で求められる事項は、施設の名称から保険・提携医療機関まで14項目
通知は、定期報告の事項を児童福祉法施行規則第49条の7にもとづくものとして一覧にしています。
報告日の前日の乳幼児の人数や職員の配置数のように、報告のたびに現状を数える項目があります。報告の直前に、数を数え直して書く準備が要ります。
| 区分 | 項目 |
|---|---|
| 施設の基本 | 施設の名称と所在地/設置者の氏名・住所または名称・所在地/建物その他の設備の規模と構造/施設の管理者の氏名と住所 |
| 運営 | 開所している時間/提供するサービスの内容と利用者が支払う額/利用定員 |
| 人数と職員 | 報告日の前日に保育している乳幼児の人数/報告日の前日の保育士その他の職員の配置数と勤務体制/その予定 |
| 安全 | 保育する乳幼児に関して契約している保険の種類・保険事故・保険金額/提携している医療機関の名称・所在地・提携内容 |
| そのほか | 施設の管理と運営に関する事項/設置者が過去に事業停止命令または施設閉鎖命令を受けたかどうか |
家庭的保育・居宅訪問型保育・小規模な事業所内保育の施設には、研修の受講状況の報告が加わる
通知は、児童福祉法第6条の3の第9項(家庭的保育事業)と第11項(居宅訪問型保育事業)にあたる業務の施設、および第12項(事業所内保育事業)にあたる施設のうち1日に保育する乳幼児が5人以下のものの設置者には、設置者と職員の研修の受講状況の報告を求めています。こどもの預かりサービスのマッチングサイトを利用する設置者は、そのサイトのURLも報告します。
自施設がどの区分にあたるかは、届出先の都道府県、指定都市、中核市の窓口で確認します。
変更の報告は、施設名・設置者・設備・管理者・過去の命令の有無が対象で、変更後1か月以内
届出対象施設は、届出をした事項のうち、省令で定める事項に変更があった場合に、変更後1か月以内に報告します(児童福祉法第59条の2第2項)。
通知は、対象となる事項を、施行規則第49条の4にもとづく5つとして挙げています。
施設の名称と所在地
居宅訪問型保育にあたる業務を目的とする施設では、主たる事業所の名称と所在地です。
設置者の氏名・住所または名称・所在地
個人の場合は氏名と住所、法人の場合は名称と所在地が、通知に挙げられています。
建物その他の設備の規模と構造
通知は、事項を「建物その他の設備の規模及び構造」と書いています。
施設の管理者の氏名と住所
管理者が交代したときが対象です。
設置者が過去に受けた事業停止命令・施設閉鎖命令の有無
受けたことがある場合は、命令の内容を含めて報告します。
事業を廃止または休止する場合は、廃止または休止の日から1か月以内に報告します。
設置の届出の期限は認可外保育施設への立入調査・勧告・公表・事業停止命令の記事で、条文の順に整理しています。
重大事故は、定期報告を待たずに速やかに報告する
通知は、施設の管理下で重大な事故が生じた場合、令和8年3月30日付の通知「教育・保育施設等における事故の報告等について」にもとづいて、速やかに報告させるとしています。
食中毒などが生じた場合は、感染症等の発生時の報告の通知に準じて都道府県等へ報告し、あわせて保健所に報告して指示を求めます。
事故報告の報告先や期限の整理は、保育所の重大事故の報告先と期限:市町村から国までの流れと置き去り事故を参照してください。この記事は、認可外保育施設の報告の種類を整理するもので、事故の様式の書き方は扱いません。
報告の準備の順序
定期報告は、報告日の前日の数字を拾える状態にしておくと、期限内に出しやすくなります。
届出の控えと、現在の施設の状況を並べて、変更が出ていないか確かめる
施設名、設置者、設備、管理者の5事項のうち、届出の時点から変わったものがあれば、届出対象施設の場合は変更後1か月以内の報告が求められます。
報告日の前日の乳幼児の人数と職員の配置数を、日々の記録から拾えるようにする
出席簿とシフト表の保管場所を決めておきます。
保険と提携医療機関の内容を、証書や契約書で確かめる
保険の種類、保険事故、保険金額、提携医療機関の名称・所在地・提携内容が、報告の項目にあります。
重大事故と長期滞在児の連絡の流れを決める
誰が、どの窓口に、いつ連絡するかを、事前に決めておきます。
様式と提出方法は、届出先の窓口で確認する
通知は様式の番号を示していますが、実際の様式と提出方法は、届出先の窓口で確認します。
この記事・試算で扱わないこと
この記事は、通知が定める報告の種類と事項を説明するもので、個別の施設が報告義務を満たしているかの判定は行いません。
届出が不要になる施設の範囲、様式の記載方法、報告がない場合の行政の対応、報告内容にもとづく指導の中身は扱いません。この試算ツールの対象は認可保育所の公定価格で、認可外保育施設の補助や指導監督は対象外です。
次に読むなら、職員の数と資格の基準は認可外保育施設の指導監督基準:保育に従事する者の数と資格者の割合、保育室の面積と便所の基準は認可外保育施設の指導監督基準:保育室の面積・便所・乳児の区画、認可への移行は認可外保育施設から認可保育所へ移行する流れと公定価格の試算で確認できます。
よくある質問
- 認可外保育施設の運営状況報告は、年に何回ですか。
通知は、全ての認可外保育施設の設置者または管理者に、運営状況の報告を年1回以上、文書で、回答期限を付けて求めるものとしています。提出の時期や様式は、届出先の窓口で確認してください。
- 施設の名称や管理者が変わったら、いつまでに報告しますか。
届出対象施設は、省令で定める事項が変わった場合、変更後1か月以内に報告します。対象は、施設の名称と所在地、設置者、設備の規模と構造、管理者、過去の命令の有無です。
- 事業をやめるときも報告が必要ですか。
届出対象施設は、事業を廃止または休止した場合、廃止または休止の日から1か月以内に報告します。
- 届出が不要な施設は、報告しなくてよいですか。
通知は、届出対象外の施設にも、法第59条にもとづき運営状況の報告を求めるとしています。届出対象外の施設も、指導監督の対象です。対象外にあたるかの判断は、窓口で確認してください。
- この試算ツールで、認可外保育施設の報告を確認できますか。
できません。この試算は認可保育所の公定価格の算定に特化しており、認可外保育施設の報告や指導監督は対象外です。
自園の条件で試算する
認可保育所として運営する場合の公定価格(委託費)を、所在地・定員・年齢別の園児数から試算します。
結果には計算過程、使った告示・通知、確認日、そしてこの試算に含まれていないことも表示されます。
公定価格の試算を開くほかの記事の確認事項・よくある質問の一覧
この記事が参照した一次資料
- 児童福祉法(昭和22年法律第164号)第59条・第59条の2
昭和22年法律第164号/対象外対象外/確認日 2026-10-17