解説

認可外保育施設の届出が必要な施設と不要な施設:店舗併設・親族の預かり合い・幼児教室の線引き

認可外保育施設の設置届が必要な施設と、届出の対象外になる施設を、こども家庭庁の通知の原文で整理します。店舗に付置された施設、親族や知人の預かり、半年以内の臨時施設、幼児教室が保育とみなされる目安、設置届の届出事項まで確認できます。

届出が必要なのは、認可を受けていない保育施設のうち、省令の除外にあたらないもの

児童福祉法第59条の2第1項は、認可を受けていない保育施設の設置者に、事業の開始から1か月以内に、都道府県知事への届出を求めています。

届出の対象は、保育所などの業務を目的とする施設のうち、少数の乳児または幼児を対象とする施設その他の内閣府令で定めるものを除いたものです。除外の中身は、通知が児童福祉法施行規則第49条の2にもとづいて列挙しています。

届出が必要な施設と、届出の対象外になる施設(通知の整理。確認日 2026-10-25)
区分例届出
認可・認定こども園の認可を受けていない保育施設認可外の保育所、ベビーホテル、企業の保育施設など必要(事業開始から1か月以内)
顧客の乳幼児だけを、商品の販売や役務の提供の間に限って保育する施設デパート、自動車教習所、歯科診療所などに付置された施設対象外(約款などの書類で明らかな場合)
設置者の四親等内の親族の預かり合い、親族に準ずる密接な関係の人の乳幼児利用者の保護者と親しい友人や隣人対象外(約款などの書類で明らかな場合)
半年を限度として臨時に設置される施設イベントに付置された施設対象外
幼稚園型認定こども園を構成する保育機能施設幼稚園型認定こども園の保育機能施設対象外(ただし後述の注あり)

表の線引きは、通知の「留意事項8」に書かれたものです。仕事・子育て両立支援事業にかかる施設は、この除外から外れると通知に注記があります。個別の施設が届出対象かどうかは、届出先の都道府県、指定都市、中核市の窓口が判断します。

届出が不要でも、行政の指導監督の対象には入る

通知は、指導監督の対象になる施設を、届出が義務づけられている施設に限らないと書いています。

届出の対象外とされた施設も、児童福祉法第59条にもとづく指導監督の対象です。届出が不要であることは、立入調査や報告を求められないことを意味しません。

届出対象施設には、設置の届出のほかに、変更の届出、毎年の定期報告、利用者への説明、保育内容などの掲示とインターネットでの公表、利用者への書面の交付が義務づけられています。公立の認可外保育施設も届出の対象です。

運営状況の報告の中身は認可外保育施設の運営状況報告の記事で、立入調査から事業停止命令までの流れは認可外保育施設への立入調査・勧告・公表・事業停止命令の記事で整理しています。

「約款で明らか」でないと、店舗併設や知人の預かりでも届出対象になる

顧客向けの託児施設や親族・知人の預かりが対象外になるのは、その旨が約款その他の書類で明らかな場合に限られます。

通知は、書面で確認できない場合は届出が必要であり、書面があっても実態として対象外の乳幼児を保育している場合は届出対象になると書いています。

  1. 店舗・事業所に付置された施設

    利用者が顧客か、利用が商品の販売や役務の提供の間だけかが明らかでない場合は、届出対象になると通知にあります。

  2. 親しい友人や隣人の子ども

    広く一般に利用者を募集し、不特定多数を対象に業として保育している人が、たまたま親しい知人や隣人の子どもを預かる場合は、届出の対象になります。

  3. 幼稚園の施設

    幼稚園が設置している施設でも、幼稚園の子育て支援活動とは独立して実施し、余裕教室や別の建物など在園児と区分された専用のスペースで専従の職員が保育しているものは、届出の対象になります。

対象外かどうかを、施設の側が自分で決めて届出を省くと、指導監督で届出漏れを指摘されうる

対象外の線引きは、約款などの書類と、実際に保育している乳幼児の実態の両方で見られます。書面だけをそろえても、実態が合っていなければ対象外になりません。

約款や利用規約に、対象となる乳幼児の範囲を明記し、実際の利用者がその範囲に収まっているかを、運用の記録で確かめます。迷う場合は、開設前に届出先の窓口へ相談します。

幼児教室は、1日4時間・週5日・年39週以上、親と離れることが常態なら保育と考えられる

幼稚園、特別支援学校の幼稚部、各種学校のいずれでもない幼児教育の施設は、乳幼児が保育されている実態があれば、児童福祉法の対象になります。

通知は、実態の有無をプログラムの内容、活動の頻度、サービス提供時間の長さ、対象となる乳幼児の年齢などから判断するとしたうえで、少なくとも1日4時間以上、週5日、年間39週以上、施設で親と離れることを常態としている場合は、保育されているものと考えられると書いています。

通知が示す「保育されている実態」の目安(留意事項2)
見る点通知の書き方
1日の時間少なくとも4時間以上
週の日数週5日
年間の週数年間39週以上
子どもの状態施設で親と離れることを常態としている
判断の材料プログラムの内容、活動の頻度、サービス提供時間の長さ、対象となる乳幼児の年齢など運営状況に応じる

この目安は、満たせば保育とみなされうるという最低限の線です。満たさなければ必ず対象外になるという意味ではなく、通知は目安の前に、運営状況に応じて判断すべきことを置いています。習い事や教室の運営者は、時間数だけでなく実際の預かりの実態を、窓口に説明できるようにしておきます。

幼稚園の預かり保育と、居宅訪問型の保育は、別の扱いが通知にある

幼稚園が在園児に、教育課程の教育時間が終わったあとに幼稚園教育要領にもとづいて行う預かり保育のうち、児童福祉法の一時預かり事業として実施しているものは、法に則って適正に実施することが求められると、通知にあります。

届出の対象になる幼稚園併設の施設への指導監督では、幼稚園を所管する部局との情報交換などの連携を図るよう、都道府県などに求めています。

保育を必要とする乳幼児の居宅で保育を行う事業(居宅訪問型保育にあたる業務)の施設は、事業形態の特殊性から、他の事業類型より短時間の預かりサービスも含めて、指導監督の指針の対象になります。

ベビーシッターのように短時間の訪問保育を事業にする場合は、4時間の目安を前提に自分は対象外と決めず、窓口に確認します。

設置の届出は事業開始から1か月以内。届出事項は施設・設置者・料金・人数・保育士の数など

届出は、事業の開始の日から1か月以内に、都道府県知事に対して行います(児童福祉法第59条の2第1項)。

通知は、届出事項を児童福祉法施行規則第49条の3にもとづくものとして挙げています。報告のたびに数え直す項目と、契約書や設備の図面から拾える項目があります。

設置の届出で通知が挙げる主な事項(全ての届出対象施設の設置者)
区分項目
施設の基本施設の名称と所在地/設置者の氏名・住所または名称・所在地/建物その他の設備の規模と構造/事業を開始した年月日/施設の管理者の氏名と住所
運営開所している時間/提供するサービスの内容(月極保育、一時保育、24時間保育など)/利用者が支払う額/利用定員
人数と職員届出年月日の前日に保育している乳幼児の人数(一時預かりを含む)/その日に保育に従事している保育士の数

利用者が支払う額には、利用料のほか、食事代、入会金、キャンセル料などを別に加算する場合の料金も含まれます。通知の一覧にはこのほかの項目もあります。全項目と様式は、届出先の窓口で確認してください。

自分の施設が届出対象かを確かめる順序

届出が要るかどうかは、施設の名前ではなく、約款などの書類と実際の預かりの実態を並べて確かめます。

  1. 認可・認定こども園の認可を受けているかを確かめる

    認可を受けていれば、この記事の届出の対象ではありません。受けていない保育施設が、次の手順に進みます。

  2. 対象外の類型(顧客向け、親族・知人、半年以内の臨時、幼稚園型認定こども園の保育機能施設)のどれにあたるかを確かめる

    顧客向けと親族・知人の類型は、対象となる乳幼児の範囲が約款などの書類で明らかなことが条件です。書面に書かれていない場合は、届出が必要になります。

  3. 実際の利用者が、書面に書いた範囲に収まっているかを、利用の記録で確かめる

    書面に載せていない乳幼児を保育している場合は、届出対象になります。

  4. 幼児教室や習い事の場合は、1日の時間、週の日数、年間の週数、親と離れる常態を確かめる

    通知の目安に近い場合は、早めに窓口へ運営の実態を説明します。

  5. 届出対象なら、開始から1か月以内に届出事項をそろえて、届出先の窓口に出す

    届出先は都道府県、指定都市、中核市、児童相談所設置市の窓口です。様式と提出方法は、窓口で確認します。

この記事・試算で扱わないこと

この記事は、通知が示す届出対象の線引きを説明するもので、個別の施設が届出対象かどうかの判定や、届出の代行は行いません。

都道府県ごとに独自に定める基準や様式、届出を怠った場合の個別の処分、認可外保育施設の補助金や無償化の対象になる条件は扱いません。この試算ツールの対象は認可保育所の公定価格で、認可外保育施設の届出や指導監督は対象外です。

次に読むなら、職員の数と資格の基準は認可外保育施設の指導監督基準:保育に従事する者の数と資格者の割合、保育室の面積と便所の基準は認可外保育施設の指導監督基準:保育室の面積・便所・乳児の区画、認可への移行は認可外保育施設から認可保育所へ移行する流れと公定価格の試算で確認できます。

よくある質問

認可外保育施設の設置届は、いつまでに出しますか。

児童福祉法第59条の2第1項は、事業の開始の日から1か月以内に、都道府県知事に届け出ることを求めています。指定都市や中核市の区域では、そちらの窓口が届出先になる場合があります。窓口で確認してください。

デパートや歯科医院の託児スペースは、届出が必要ですか。

通知は、顧客の乳幼児を商品の販売や役務の提供の間に限って保育する施設を、約款などの書類で明らかな場合に届出の対象外としています。利用者が顧客か、役務を受ける間の利用かが明らかでない場合は、届出対象になります。

友人や近所の子どもを預かるのは、認可外保育施設ですか。

親族に準ずる密接な関係の人の乳幼児は、届出の対象外です。ただし、広く一般に利用者を募集して業として保育している人が、たまたま知人や隣人の子どもを預かる場合は、届出の対象になります。

幼児教室は、何時間以上なら保育とみなされますか。

通知は、少なくとも1日4時間以上、週5日、年間39週以上、施設で親と離れることを常態としている場合は、保育されているものと考えられると書いています。これは目安で、判断はプログラムの内容や対象年齢などの運営状況に応じて行われます。

届出が不要な施設は、行政の調査を受けませんか。

受けます。通知は、届出の対象外の施設も児童福祉法第59条にもとづく指導監督の対象であると書いています。

この試算ツールで、認可外保育施設の届出を確認できますか。

できません。この試算は認可保育所の公定価格の算定に特化しており、認可外保育施設の届出や指導監督は対象外です。

自園の条件で試算する

認可保育所として運営する場合の公定価格(委託費)を、所在地・定員・年齢別の園児数から試算します。

結果には計算過程、使った告示・通知、確認日、そしてこの試算に含まれていないことも表示されます。

公定価格の試算を開く

ほかの記事の確認事項・よくある質問の一覧

  • 試算前の確認事項の一覧

    この記事の「つまずきやすい確認事項」1件を、ほかの記事の確認事項と対処とあわせて見られます。

この記事が参照した一次資料

ほかの解説

  • 公定価格とは・決まり方:保育所の計算方法と基本分単価の内訳

    保育園の公定価格の決まり方を解説。公定価格とは、特定教育・保育等に要する費用の額で、保護者の保育料とは別の施設側の総額です。基本分単価の内訳は地域区分・定員区分・年齢区分・保育必要量の4つで決まります。計算は基本分単価・加算・減算・園児数の4手順で、試算画面の入力欄も確認できます(子ども・子育て支援法第27条第3項)。

    関連する理由:

  • 認可外保育施設の運営状況報告:年1回の報告事項と、変更・廃止・休止の1か月以内の報告

    認可外保育施設の設置者が行政へ出す報告のうち、年1回以上の運営状況報告、届出事項の変更と事業の廃止・休止の1か月以内の報告、重大事故の臨時報告、長期滞在児の報告を、こども家庭庁の通知の原文で確認します。

    関連する理由: 共通する試算入力/共通する一次資料

  • 認可外保育施設の指導監督基準:保育に従事する者の数と資格者の割合

    認可外保育施設の指導監督基準のうち、保育に従事する者の年齢別の数、保育士または看護師の資格を有する者の割合、立入調査の頻度を、こども家庭庁の通知の原文で確認します。認可保育所の配置基準との違いと、確認の順序も整理します。

    関連する理由: 共通する試算入力/共通する一次資料

  • 認可外保育施設への立入調査・勧告・公表・事業停止命令(児童福祉法第59条)

    認可や届出のない保育などの施設に対し、都道府県知事が報告を求める、立入調査をする、改善を勧告する、従わない場合に公表する、事業の停止や施設の閉鎖を命じる、という権限を児童福祉法第59条の原文で整理します。命令の手続と、市町村長への通知も扱います。

    関連する理由: 共通する試算入力/共通する一次資料

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