解説

認可外保育施設の指導監督基準:保育室の面積(1人1.65㎡)・便所・乳児の区画

認可外保育施設の指導監督基準のうち、保育室の面積、調理室と便所の設置、便器の数、乳児の保育場所の区画を、こども家庭庁の通知の原文で確認します。認可保育所の面積基準との違いと、確認の順序も整理します。

1日に6人以上を保育する施設は、保育室のほか調理室と便所が必要で、保育室は1人おおむね1.65㎡以上

認可外保育施設の指導監督基準は、こども家庭庁の通知「認可外保育施設に対する指導監督の実施について」の「第2 保育室等の構造、設備及び面積」に書かれています。

1日に保育する乳幼児の数が6人以上の施設では、保育室のほか、調理室と便所があることが求められます。保育室の面積は、おおむね乳幼児1人当たり1.65㎡以上と定められています。

指導監督基準が定める設備と面積(1日に保育する乳幼児の数が6人以上の施設・確認日 2026-10-25)
項目基準の内容
部屋乳幼児の保育を行う保育室のほか、調理室と便所があること
保育室の面積おおむね乳幼児1人当たり1.65㎡以上
便器の数(5人以下の施設にも共通の事項)おおむね幼児20人につき1以上
乳児の保育場所幼児の保育場所と区画され、安全性が確保されていること

保育室の面積に、調理室・便所・浴室は含まれない

通知は、「保育室の面積」を、保育室として使用している部屋の面積とし、調理室、便所、浴室などは含まないと注記しています。延べ床面積を定員で割った値は、基準の面積と同じものではありません。

保育室として使っている部屋だけの面積を測り、1日に保育する乳幼児の数で割って確かめます。壁の厚みなど測り方の細かな扱いは、通知には書かれていないため、届出先の窓口で確認します。

乳児の保育場所は、幼児と区画する。部屋を分けられなければベビーフェンスで区切る

通知は、乳児(おおむね満1歳未満の児童)の保育を行う場所を、幼児の保育を行う場所と区画し、安全性を確保することを求めています。

事故防止の観点から、別の部屋にすることが望ましいとされています。やむを得ず部屋を分けられない場合は、ベビーフェンスなどで区画するとされています。

  1. 部屋の採光と換気

    保育室は、採光と換気が確保され、安全性が確保されていることとされています。

  2. 乳幼児用ベッド

    同じ乳幼児用ベッドに2人以上の乳幼児を寝かせることは、安全確保の観点から極めて危険であり、行ってはならないと通知に書かれています。

  3. 便所

    便所には手洗設備があり、保育室や調理室と区画され、子どもが安全に使えるものであることとされています。調理室も、保育室と簡単に出入りできないよう区画し、衛生的な状態を保つ必要があります。

1日5人以下の施設と、居宅で行う施設は、基準の置き方が違う

1日に保育する乳幼児の数が5人以下の施設は、1.65㎡という数値ではなく、別の基準を参酌します。通知は、保育室、調理設備、便所があることを求め、保育室の面積は、家庭的保育事業等の設備運営基準の第22条を参酌しつつ、乳幼児の保育を適切に行える広さを確保することとしています。

乳幼児の居宅などで保育を行う施設(居宅訪問型保育にあたる業務)は、居宅の広さなどの要件を求めず、この設備の基準は原則として適用されません。ただし、事業の運営を行う事業所には、必要な広さの専用の区画と保育に必要な備品を備えるよう、保護者の協力を求めることとされています。

認可保育所の面積基準との違い

認可外の保育室は年齢を問わず1人おおむね1.65㎡ですが、認可保育所では年齢と部屋の種類で面積が変わります。国の省令(児童福祉施設の設備及び運営に関する基準)は、乳児室を1人1.65㎡以上、ほふく室を3.3㎡以上、満2歳以上の保育室または遊戯室を1.98㎡以上と定めています。詳しくは保育所の保育室の面積基準で整理しています。

認可外の指導監督基準と認可保育所の国の省令の比較(面積)
区分認可外の指導監督基準(6人以上)認可保育所(国の省令)
乳児・満2歳に満たない幼児保育室は1人おおむね1.65㎡以上乳児室は1人1.65㎡以上、ほふく室は3.3㎡以上
幼児保育室は1人おおむね1.65㎡以上満2歳以上は保育室または遊戯室で1.98㎡以上

認可保育所に実際に適用されるのは都道府県等の条例の基準で、国の省令の数値と違う場合があります。

確認の順序

保育室の面積は、使っている部屋の面積と、1日に保育する乳幼児の数から確かめます。

  1. 1日に保育する乳幼児の数を確かめる

    6人以上か、5人以下かで、使う基準が分かれます。

  2. 保育室として使っている部屋の面積を測る

    調理室、便所、浴室などは含めません。

  3. 面積を乳幼児の数で割り、おおむね1.65㎡以上かを見る

    「おおむね」の幅の扱いは通知に書かれていないため、窓口に確かめます。

  4. 便器の数と、乳児の区画を確かめる

    幼児20人につき1以上かを数え、乳児の場所を部屋やフェンスで区切れているかを見ます。

  5. 不足がある場合は、届出先の担当窓口に相談する

    通知の最新版と自治体ごとの運用は、窓口で確認します。

この記事・試算で扱わないこと

この記事は、指導監督基準のうち、保育室の面積と便所、乳児の区画の部分を説明するもので、個別の施設が基準を満たすかの判定は行いません。

通知の新旧対照表、2階以上に保育室を設ける場合の条件、非常災害の措置、衛生や健康管理の基準は扱いません。この試算ツールの対象は認可保育所の公定価格で、認可外保育施設の補助や指導監督は対象外です。

次に読むなら、職員の数と資格の基準は認可外保育施設の指導監督基準:保育に従事する者の数と資格者の割合、調査や勧告の流れは認可外保育施設への立入調査・勧告・公表・事業停止命令、認可への移行は認可外保育施設から認可保育所へ移行する流れと公定価格の試算で確認できます。

よくある質問

認可外保育施設の保育室は、1人何㎡必要ですか。

1日に保育する乳幼児の数が6人以上の施設では、保育室の面積がおおむね乳幼児1人当たり1.65㎡以上と通知に定められています。5人以下の施設は、別の基準を参酌します。個別の施設への当てはめは、窓口で確認してください。

保育室の面積に、調理室やトイレは入りますか。

入りません。通知は、保育室として使用している部屋の面積とし、調理室、便所、浴室などは含まないと注記しています。

便器は何個必要ですか。

通知は、便器の数をおおむね幼児20人につき1以上としています。便所には手洗設備を設け、保育室や調理室と区画することも求められています。

0歳児と幼児を同じ部屋で保育できますか。

通知は、乳児の保育場所を幼児と区画し、安全性を確保するよう求めています。別の部屋が望ましく、やむを得ない場合はベビーフェンスなどで区画するとされています。

この試算ツールで、認可外保育施設の面積基準を確認できますか。

できません。この試算は認可保育所の公定価格の算定に特化しており、認可外保育施設の指導監督基準は対象外です。

自園の条件で試算する

認可保育所として運営する場合の公定価格(委託費)を、所在地・定員・年齢別の園児数から試算します。

結果には計算過程、使った告示・通知、確認日、そしてこの試算に含まれていないことも表示されます。

公定価格の試算を開く

ほかの記事の確認事項・よくある質問の一覧

  • 試算前の確認事項の一覧

    この記事の「つまずきやすい確認事項」1件を、ほかの記事の確認事項と対処とあわせて見られます。

この記事が参照した一次資料

ほかの解説

「分園・合併・認定こども園への移行を検討するとき」の解説一覧へ