解説

保育所の屋外遊戯場(園庭)の面積基準と、付近の公園・寺社境内で代える場合の条件

満2歳以上の幼児を入所させる保育所は屋外遊戯場を設けます。児童福祉施設の設備及び運営に関する基準の第32条と、平成13年の課長通知から、面積の基準と、付近の公園・広場・寺社境内を屋外遊戯場に代える場合に求められる条件を整理します。実際の基準は都道府県等の条例で確認します。

満2歳以上の幼児を入所させる保育所は、屋外遊戯場を設ける

児童福祉施設の設備及び運営に関する基準の第32条第5号は、満2歳以上の幼児を入所させる保育所に、屋外遊戯場を設けることを求めています。

同じ号のかっこ書きで、屋外遊戯場には「保育所の付近にある屋外遊戯場に代わるべき場所」を含むとされています。

第6号は、屋外遊戯場の面積を、満2歳以上の幼児一人につき3.3平方メートル以上としています。

人数から必要な面積を出す考え方を、仮の数字で示します。

満2歳以上の幼児が20人なら、20×3.3=66平方メートルが基準の目安です。

実際の園の人数や面積ではなく、条文の読み方を示す例です。

付近の公園・広場・寺社境内で代えられる。必ずしも隣接は要らない

平成13年の課長通知(雇児保第11号)は、屋外遊戯場に代わるべき公園、広場、寺社境内等が保育所の付近にあれば、屋外遊戯場に代えて差し支えないとしています。

通知は、土地の確保が難しく、同一敷地内に屋外遊戯場を設けにくい都市部などを想定しています。

代わりの場所に求められる条件(平成13年3月20日雇児保第11号、確認日 2026-10-13)
求められる条件通知の内容
面積と安全必要な面積があり、屋外活動に当たって安全が確保されていること
距離と移動保育所からの距離が日常的に幼児が使用できる程度で、移動に当たって安全が確保されていること
隣接上の条件を満たせば、必ずしも保育所と隣接する必要はない
権利保育所関係者が所有権・地上権・賃借権等を持つ必要はない
使用の安定性所有者等が地方公共団体や公共的団体のほか、地域の実情に応じて信用力の高い主体など、保育所による安定的かつ継続的な使用が確保されると認められる主体であれば足りる

通知は、合理的な理由なく、これら以外の条件を課して保育所の整備が滞らないよう配慮することも求めています。通知は技術的助言で、条例の内容を置き換えるものではありません。

実際に適用される基準は、都道府県等の条例と自治体の取扱いで確認する

省令の第1条は、条例を定めるときに従うべき基準に分類する号を列挙していますが、屋外遊戯場の面積はそこに含まれていません。

屋外遊戯場の面積と、代わりの場所の扱いは、都道府県等の条例を直接確認します。

通知の条件を、自治体がどのように確認するか(協議の方法や提出書類)は自治体ごとに異なるため、所轄の自治体に問い合わせます。

通知は平成13年のもので、現在の運用は自治体で確認する

この記事の通知は、小金井市が協議会資料に掲載した抜粋で確認しています。通知の現在の効力や、自治体ごとの追加の運用は、この記事では確認していません。

開設や定員変更の前に、所轄の自治体へ、代わりの場所を使う場合の手続きと必要な書類を確認します。

代わりの場所を使うときの確認の順序

面積、安全、距離、使用の安定性の順に確かめ、最後に所轄の自治体へ協議します。

  1. 満2歳以上の幼児の人数から、必要な面積を出す

    利用定員のうち満2歳以上の幼児の人数に3.3平方メートルを掛けて、目安の面積を確かめます。条例に別の定めがないかも確認します。

  2. 代わりの場所の面積と安全を確かめる

    候補の公園・広場・寺社境内の面積が足りるか、屋外活動の安全が確保できるかを確かめます。

  3. 移動の距離と経路を確かめる

    日常的に幼児が使える距離か、移動の経路が安全かを、幼児を連れて歩く前提で確かめます。

  4. 使用の安定性を確かめる

    所有者が地方公共団体や公共的団体か、継続して使える見込みがあるかを確かめ、所轄の自治体に協議します。

この記事・試算で扱わないこと

この記事は屋外遊戯場の基準と通知の条件を説明するもので、個別の公園が代わりの場所として認められるかの判定は行いません。

試算ツールも、設備の基準を満たすかどうかの判定は対象外です。

認可や定員に関わる判断は、所轄の自治体にお問い合わせください。

よくある質問

園庭がなくても、保育所の認可は受けられますか。

省令は、付近にある屋外遊戯場に代わるべき場所を屋外遊戯場に含めると定めています。ただし、認可の可否は条例と所轄の自治体の審査で決まるため、個別に確認してください。

屋外遊戯場の面積は、乳児も数えますか。

数えません。第32条第5号・第6号は、屋外遊戯場の面積を、満2歳以上の幼児一人につき3.3平方メートル以上としています。乳児室・ほふく室の面積とは別の基準です。

代わりの公園は、保育所の隣にないといけませんか。

通知は、距離が日常的に幼児が使用できる程度で、移動の安全が確保されていれば、必ずしも隣接する必要はないとしています。

公園の土地を、保育所が借りるか買う必要はありますか。

通知は、保育所関係者が所有権・地上権・賃借権等を持つ必要はなく、所有者が地方公共団体や公共的団体など、安定的かつ継続的な使用が確保される主体であれば足りるとしています。

この試算ツールで、屋外遊戯場の基準を確認できますか。

できません。この試算は公定価格(委託費)の算定に特化しており、設備の基準そのものの判定は対象外です。

自園の条件で試算する

所在地・定員・年齢別の園児数を入力すると、公定価格(委託費)を試算します。

結果には計算過程、使った告示・通知、確認日、そしてこの試算に含まれていないことも表示されます。

公定価格の試算を開く

乳児室・ほふく室・保育室の面積は保育所の面積基準(乳児室・ほふく室・保育室)と利用定員を決める順序で、2階以上に保育室を設ける場合の建物の要件は保育室等を2階・3階以上に設ける保育所の建物要件で整理しています。条例が国の省令と異なる実例は条例が国の省令と異なる実例(秋田県・埼玉県・千葉県)にあります。

ほかの記事の確認事項・よくある質問の一覧

  • 試算前の確認事項の一覧

    この記事の「つまずきやすい確認事項」1件を、ほかの記事の確認事項と対処とあわせて見られます。

この記事が参照した一次資料

ほかの解説

  • 公定価格とは・決まり方:保育所の計算方法と基本分単価の内訳

    保育園の公定価格の決まり方を解説。公定価格とは、特定教育・保育等に要する費用の額で、保護者の保育料とは別の施設側の総額です。基本分単価の内訳は地域区分・定員区分・年齢区分・保育必要量の4つで決まります。計算は基本分単価・加算・減算・園児数の4手順で、試算画面の入力欄も確認できます(子ども・子育て支援法第27条第3項)。

    関連する理由:

  • こども性暴力防止法(日本版DBS)が認可保育所に求める措置

    こども性暴力防止法は令和8年12月25日に施行されます。認可保育所は国の認定を待たずに義務の対象になり、従事者の性犯罪歴の確認が必要です。対象施設の区分、確認の対象になる罪の期間、新規採用と現職者の期限、確認の流れを、こども家庭庁の資料で整理します。

    関連する理由: 共通する試算入力

  • 保育所の保育室の面積基準は1人1.98㎡以上|ほふく室3.3㎡・乳児室1.65㎡

    満2歳以上の幼児を入所させる保育所の保育室・遊戯室は幼児1人につき1.98平方メートル以上、ほふく室は3.3平方メートル以上、乳児室は1.65平方メートル以上(児童福祉施設の設備及び運営に関する基準 第32条)。ほふく室とは何か、実際の基準は条例にあること、利用定員との関係を整理します。

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    保育所の衛生管理について、児童福祉施設の設備及び運営に関する基準の第10条のうち保育所に関わる項目を整理します。設備・食器・飲用水の衛生管理(第1項)、感染症・食中毒の予防の研修と訓練(第2項、努力義務)、医薬品等の備えと管理(第5項)の3つと、保育所に当たらない第3項・第4項の区別を確認します。

    関連する理由: 共通する試算入力/共通する一次資料

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