解説

保育所の保育室の面積基準は1人1.98㎡以上|ほふく室3.3㎡・乳児室1.65㎡

満2歳以上の幼児を入所させる保育所の保育室・遊戯室は幼児1人につき1.98平方メートル以上、ほふく室は3.3平方メートル以上、乳児室は1.65平方メートル以上(児童福祉施設の設備及び運営に関する基準 第32条)。ほふく室とは何か、実際の基準は条例にあること、利用定員との関係を整理します。

面積基準は、入所させる子ども一人あたりで定められている

保育所の設備の基準は、児童福祉施設の設備及び運営に関する基準の第32条が定めています。

乳児または満2歳に満たない幼児を入所させる保育所には、乳児室またはほふく室、医務室、調理室、便所を設けます。

満2歳以上の幼児を入所させる保育所には、保育室または遊戯室、屋外遊戯場、調理室、便所を設けます。

ほふく室は、乳児または満2歳に満たない幼児を入所させる保育所が、乳児室の代わりに設けることのできる部屋です。

第32条は、ほふく室の面積を子ども一人につき3.3平方メートル以上と定めています(乳児室は1.65平方メートル以上)。

条文には、ほふく室の間取りや用途の細かい定義は書かれていません。

面積から人数の目安を出すときは、面積を一人あたりの面積で割ります。仮の数字で、ほふく室が33平方メートルなら33÷3.3=10人、乳児室が33平方メートルなら33÷1.65=20人です。実際の施設の面積ではなく、計算の考え方を示す例です。

児童福祉施設の設備及び運営に関する基準 第32条の面積基準(確認日 2026-10-03)
部屋対象の子ども子ども一人につきの面積
乳児室乳児または満2歳に満たない幼児1.65平方メートル以上
ほふく室乳児または満2歳に満たない幼児3.3平方メートル以上
保育室または遊戯室満2歳以上の幼児1.98平方メートル以上
屋外遊戯場満2歳以上の幼児3.3平方メートル以上

屋外遊戯場には、保育所の付近にある屋外遊戯場に代わるべき場所を含むと条文に書かれています。この表は国の省令の文言であり、施設に適用される基準は次の節の条例で確認します。

乳児室とほふく室の違い。保育室の面積は一人1.98平方メートル以上

乳児室とほふく室の比べ方(第32条第1号・第2号・第3号、確認日 2026-10-12)
比べる点乳児室ほふく室
対象の子ども乳児または満2歳に満たない幼児乳児または満2歳に満たない幼児(乳児室と同じ)
子ども一人につきの面積1.65平方メートル以上3.3平方メートル以上(乳児室の2倍)
設け方乳児室またはほふく室のいずれかを設ける同左(乳児室の代わりに設けられる)

乳児室とほふく室は、対象の子どもが同じで、一人あたりの面積が違います。条文は「乳児室又はほふく室」と書いており、第32条では両方を設けることまでは求めていません。

満2歳以上の幼児が使う保育室(または遊戯室)の面積は、子ども一人につき1.98平方メートル以上です。保育室で数えるのは、満2歳以上の幼児の人数です。

実際に適用される基準は、都道府県等の条例にある

児童福祉法第45条は、都道府県に、児童福祉施設の設備と運営の基準を条例で定めることを求めています。

同条第2項は、床面積など設備に関する事項のうち内閣府令で定めるものは、内閣府令の基準に「従い」定めるものとし、その他は「参酌する」ものとしています。

設備運営基準の第1条は、第32条第2号(乳児室)、第3号(ほふく室)、第6号のうち保育室および遊戯室に係る部分を、条例を定めるときに従うべき基準に分類しています。

屋外遊戯場の面積は、この分類に含まれていません。

屋外遊戯場の扱いは、都道府県等の条例を直接確認します。

省令の数値をそのまま施設の基準と決めつけない

条例は法の定めでは都道府県が定め、指定都市などの扱いは所在地の自治体で異なる場合があります。省令の数値を見ただけで、施設に適用される条例の面積や特例の有無を判断すると、認可・確認の相談で前提がずれます。

施設の所在地を所管する自治体の条例と、認可の担当課の案内を確認します。条例の条文番号と施行日を控えます。

面積基準から、利用定員の上限を確かめる順序

  1. 年齢区分ごとの保育室の面積を整理する

    乳児室またはほふく室、保育室または遊戯室を分けて、図面上の面積を控えます。面積の測り方や算入できる範囲は、条例と所管の案内で確認します。

  2. 一人あたりの面積で割って、受け入れられる人数の目安を出す

    この人数は、認可・確認で認められる定員そのものではなく、検討の目安です。条例の基準に置き換えて計算し、結果を所管の担当課に見せて相談します。

  3. 認可定員と利用定員を別に確認する

    保育所の設置は都道府県等の認可、公定価格の給付対象になる確認は市町村が行います。確認では、保育認定子どもの区分ごとの利用定員が定められます。

  4. 確認された利用定員を試算に入れる

    公定価格の定員区分には、市町村が確認した利用定員を使います。面積から出した目安の人数は入力しません。

認可定員と利用定員を分けて確認する考え方は、『分園がある保育所は、利用定員の総和で定員区分を確認する』でも説明しています。定員を変更したときの単価への影響は、『利用定員を変更すると、基本分単価はどう変わるか』で確認できます。

確認の対象は、利用定員を決める手続

子ども・子育て支援法第31条は、特定教育・保育施設の確認を、小学校就学前子どもの区分ごとの利用定員を定めて市町村長が行うと定めています。

面積基準を満たすことは、確認で利用定員が認められる条件の一つにすぎません。

定員を増やす場合は、確認の変更を申請する手続が別に必要です。

面積に余裕があるだけで、定員を増やした試算にしない

面積に余裕があっても、市町村による確認の変更が整うまでは、利用定員は変わりません。試算で定員区分を変えると、実際の単価と異なる前提になります。

定員の増減は、確認の変更後の利用定員で別の条件として試算し、現状の試算と並べて比べます。

よくある質問

ほふく室とは何ですか。面積はどれだけ必要ですか。

ほふく室は、乳児または満2歳に満たない幼児を入所させる保育所で、乳児室の代わりに設けることができる部屋です。第32条は、子ども一人につき3.3平方メートル以上と定めています。

仮に40平方メートルなら、40÷3.3≒12.1なので、目安は12人です。この数字は計算例で、適用される基準は条例で確認してください。

保育室の面積基準は、全国どこでも同じですか。

国の省令が示す基準は共通ですが、適用されるのは都道府県等の条例です。条例の内容と特例の有無は、施設の所在地の自治体に確認してください。

乳児室とほふく室は、両方必要ですか。

第32条の条文では、乳児室またはほふく室のいずれかを設けると定められています。どちらの基準で整備するかは、条例と所管の案内で確認してください。

乳児室とほふく室の違いは何ですか。

対象は同じ乳児または満2歳に満たない幼児で、子ども一人につきの面積が違います。乳児室は1.65平方メートル以上、ほふく室は3.3平方メートル以上です。適用される基準は条例で確認してください。

満2歳以上の幼児を入所させる保育所の保育室の面積は、幼児1人につき何平方メートル以上ですか。

保育室または遊戯室の面積は、満2歳以上の幼児一人につき1.98平方メートル以上です(児童福祉施設の設備及び運営に関する基準 第32条第6号、e-Gov法令検索で確認日 2026-10-18)。屋外遊戯場は同じ幼児一人につき3.3平方メートル以上で、満2歳に満たない幼児の乳児室(1.65平方メートル以上)・ほふく室(3.3平方メートル以上)とは別の基準です。

小規模保育の面積基準は別の省令なので、小規模保育を調べている場合は小規模保育の設備基準の記事で確認してください。仮に99平方メートルなら、99÷1.98=50人が目安です。計算の考え方を示す例で、適用される基準は条例で確認してください。

面積から計算した人数を、そのまま利用定員として入力できますか。

入力できません。利用定員は、市町村が確認で定める区分ごとの人数です。面積から出した人数は、相談前の目安として使います。

この試算で、面積基準を満たすか判定できますか。

判定できません。この試算は公定価格のモデル計算で、設備基準の適合や認可・確認の可否は扱いません。所管の自治体へ確認してください。

確認された利用定員で公定価格を試算する

市町村に確認した利用定員と、所在地、年齢別の園児数を入力します。面積基準の適合や定員の可否は試算結果に含まれません。

利用定員を入れて公定価格を試算する

次に知りたいこと:保育室等を2階以上に設ける場合の要件、屋外遊戯場に代わる場所と公園、条例が国の省令と異なる実例(秋田県・埼玉県・千葉県)。設備全体の並びは第32条が求める部屋と被服室の扱いにあります。

乳児を入所させる場合の医務室と沐浴設備の扱いは、保育所の沐浴設備・医務室は必置かで整理しています。

ほかの記事の確認事項・よくある質問の一覧

  • 試算前の確認事項の一覧

    この記事の「つまずきやすい確認事項」2件を、ほかの記事の確認事項と対処とあわせて見られます。

この記事が参照した一次資料

ほかの解説

  • 公定価格とは・決まり方:保育所の計算方法と基本分単価の内訳

    保育園の公定価格の決まり方を解説。公定価格とは、特定教育・保育等に要する費用の額で、保護者の保育料とは別の施設側の総額です。基本分単価の内訳は地域区分・定員区分・年齢区分・保育必要量の4つで決まります。計算は基本分単価・加算・減算・園児数の4手順で、試算画面の入力欄も確認できます(子ども・子育て支援法第27条第3項)。

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  • 利用定員の変更で定員区分が変わる条件

    利用定員の変更を検討するときは、変更後の定員区分と年齢別在籍数を分けて基本分を比較します。現行試算で何をどの順に確認するかを示します。

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  • 保育所の屋外遊戯場(園庭)の面積基準と、付近の公園・寺社境内で代える場合の条件

    満2歳以上の幼児を入所させる保育所は屋外遊戯場を設けます。児童福祉施設の設備及び運営に関する基準の第32条と、平成13年の課長通知から、面積の基準と、付近の公園・広場・寺社境内を屋外遊戯場に代える場合に求められる条件を整理します。実際の基準は都道府県等の条例で確認します。

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  • 保育室等の面積を壁芯で数える大阪市と、有効面積で数える横浜市の手引きの違い

    大阪市の認可保育所の手引き(令和8年4月)は保育室等の面積を壁芯で算出し、横浜市の認定こども園の手引き(令和7年12月版)は内法から造付け・固定造作物を除いた有効面積で算出します。測り方、除く物、0歳児の一人あたり面積を並べます。

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