解説

処遇改善等加算の賃金改善は誰が対象か(区分ごとの範囲と非常勤・派遣・独自加配)

処遇改善等加算の賃金改善の対象職員を、区分1・2と区分3に分けて整理します。非常勤職員、事務・調理などの職員、派遣職員、地方単独事業や施設独自の加配職員、法人役員を兼務する施設長の扱いを、こども家庭庁のFAQに沿って説明します。

区分1・2は、通常の教育・保育に従事するすべての職員が対象

こども家庭庁の「処遇改善等加算に関するFAQ」は、区分1・区分2による賃金改善の対象を、保育士や幼稚園教諭に限らないと答えています。

事務職員、調理員、栄養士やスクールバスの運転手等を含め、通常の教育・保育に従事するすべての職員(非常勤職員を含む)が対象です。

区分1・2は加算率(a)(b)(c)、区分3は人数A・Bで加算額を算定します。

加算率の決まり方は処遇改善等加算の加算率はどこで決まるかで説明しています。

区分3は、原則として副主任保育士等・職務分野別リーダー等

区分3は、リーダー的な役割などを果たしている中堅の保育士等のキャリアアップの仕組みを構築するためのものです。

FAQは、区分3による賃金改善を原則として、通知の「副主任保育士等」と「職務分野別リーダー等」が対象と答えています。

ただし、これらに該当するなら、事務職員、調理員、栄養士やスクールバスの運転手等であっても、また非常勤職員であっても、賃金改善の対象とすることを妨げないとされています。

職種や雇用形態ではなく、区分3の対象にあたる職位かどうかで判断します。

改善後の副主任保育士等の賃金が園長以外の管理職の賃金を上回るなど、賃金のバランスを踏まえて必要な場合は、園長以外の管理職も区分3の対象になるとFAQは注記しています。この場合の範囲は通知の本文で確認してください。

職員の類型ごとに、FAQの回答を並べる

FAQが示す対象職員の扱い(令和7年9月2日時点の第4版)
職員の類型FAQの回答確認すること
非常勤職員区分1・2は対象。区分3は対象の職位に該当すれば対象にできる区分3では発令された職位
事務職員・調理員・栄養士・運転手区分1・2は通常の教育・保育に従事していれば対象。区分3は対象の職位に該当すれば可教育・保育への従事の実態
派遣職員対象にできる。派遣元事業所を通じて賃金改善が確実に行われることの確認が必要派遣元との契約と賃金改善の確認方法
地方単独事業や施設独自の加配職員通常の教育・保育に従事している場合は対象にできる従事の実態
法人役員を兼務する施設長(区分2)通常の教育・保育に従事する職員として、施設・事業所の給与規程に基づき給与が支払われている施設長なら、法人役員を兼務していても対象給与規程と給与の支払い
育児休業を取得する予定の職員対象。ただし育児休業中に給与が支払われない期間の改善額は0円休業期間と給与の支払い

派遣職員についてFAQが求めているのは、派遣元事業所を通じた賃金改善の確認です。業務委託契約(請負)で配置された職員の扱いは、このFAQには書かれていません。

迷いやすい点の切り分け

「対象にできる」という回答と、実際の配分額は別の話として切り分けます。

「対象にできる」は、配分を義務づける意味ではない

FAQが「対象とすることができる」と答えているのは、賃金改善の対象に含めてよいという範囲の話です。誰にいくら配分するかは、FAQの回答とは別に、通知が定める賃金改善の要件に沿って決めることになります。

配分額や方法は、加算の認定を受けた市町村(または都道府県)の通知・案内で確認してください。

育児休業中の職員は、改善額が0円になる期間がある

育児休業中に給与が支払われない期間は、その職員の賃金改善額が0円になります。FAQは、必要に応じて代理の職員を発令し、その職員へ賃金改善を行うことが考えられるとしています。

産休・育休の職員の扱いは産休・育休中の保育士の処遇改善等加算上の扱い(対象職員・改善額・経験年数)で説明しています。

よくある質問

対象かどうか迷う職員がいるときは、FAQの回答と通知の本文を照らし、判断がつかなければ認定を行う自治体へ確認します。

保育士以外の職員にも、処遇改善等加算による賃金改善を行えますか。

区分1・2は、事務職員、調理員、栄養士、スクールバスの運転手等を含め、通常の教育・保育に従事するすべての職員が対象です。区分3は原則として副主任保育士等・職務分野別リーダー等ですが、これらに該当すれば保育士以外の職員も対象にできます。

パートなどの非常勤職員も対象ですか。

区分1・2は非常勤職員を含みます。区分3は、対象の職位に該当する場合に限り、非常勤職員であっても賃金改善の対象とすることを妨げないとされています。

この試算で、職員ごとの対象可否や配分額を判定できますか。

できません。試算は認定済みの加算率や人数A・Bを入力して加算額を計算するもので、個々の職員が対象かどうか、誰にいくら配分するかは判定しません。

対象職員の範囲を確認してから、認定済みの値を入力する

対象職員の範囲は、加算額の計算とは別に、認定と賃金改善の段階で確認する事項です。試算には、認定を受けた加算率などの確認済みの値だけを入力します。

認定済みの加算率(a)(b)を入力すると、処遇改善等加算を含めた試算結果を確認できます。

公定価格の試算を開く

区分3の対象人数の根拠は『処遇改善等加算(区分3)は人数A・Bで試算』、認定後の実績報告は『処遇改善等加算は翌年度の実績報告と差額精算が必要』で説明しています。

ほかの記事の確認事項・よくある質問の一覧

  • 試算前の確認事項の一覧

    この記事の「つまずきやすい確認事項」2件を、ほかの記事の確認事項と対処とあわせて見られます。

この記事が参照した一次資料

ほかの解説