解説

処遇改善等加算の区分2(賃金改善分)とは|要件・提出書類・使い道

処遇改善等加算の区分2(賃金改善分)について、要件、認定時に出す書類、加算額の使い道、他施設への充当を、令和8年4月8日最終改正の通知で整理します。区分1・区分3との違いと、翌年度の実績報告までの流れも扱います。

区分2は、賃金の改善に使うための加算

処遇改善等加算の通知(令和7年4月11日、令和8年4月8日最終改正)は、区分2を「職員の賃金の改善に要する費用(賃金改善分)」と位置づけています。

区分2に係る加算額は、その全額を職員の賃金の改善に確実に充てることとされています。区分1(基礎分)が勤続年数等を基準とする昇給等に充てる加算であるのと、使い道の定めが異なります。

処遇改善等加算の3つの区分(令和8年4月8日最終改正の通知 第1・第5。2026-10-20原文確認)
区分通知上の名前加算額の使い道
区分1基礎分職員の賃金の勤続年数等を基準として行う昇給等に適切に充てる
区分2賃金改善分全額を職員の賃金の改善に確実に充てる
区分3質の向上分全額を職員の賃金の改善に確実に充てる(技能・経験の向上に応じた追加的な改善)

加算率(b)の具体的な値と、区分1の加算率(a)との関係は処遇改善等加算の加算率の決まり方で説明しています。この記事では要件と手続きを扱います。

区分2の要件(区分2と区分3に共通するもの)

通知の第2の2は、区分2と区分3に共通する要件を定めています。加算当年度の賃金改善実施期間に、次をすべて満たす必要があります。区分1のキャリアパス要件は別で、区分1のキャリアパス要件で解説しています。

  1. 改善等見込総額が加算見込額を下回らない

    区分2と区分3のそれぞれで、加算による改善等見込総額が加算見込額を下回っていないことが必要です。翌年度に実績が加算額を下回った場合は、その全額を速やかに賃金などとして支払います。

  2. 改善見込額の1/2以上を基本給・毎月の手当で改善

    区分2と区分3を合わせた改善見込額の1/2以上は、基本給や決まって毎月支払われる手当で改善します。

  3. 国家公務員の給与改定に伴う増額への対応

    年度の途中で国家公務員の給与改定に伴う増額改定が生じた場合は、それに応じた賃金の追加的な支払を行います。

  4. 賃金見込総額が基準年度の支払賃金総額を下回らない

    加算による改善額等の影響を除いた加算当年度の賃金見込総額が、基準年度の加算額等の影響を除いた支払賃金総額を下回っていないことが必要です。下回る場合でも、通知が定める事項を記載した特別な事情に係る届出をすれば、要件を満たすものとできます。

区分2の加算額を、賃金の改善と関係のない費用に回さない

区分2の加算額は賃金の改善に使う前提です(改善額に伴う法定福利費等の事業主負担分に充てることは、通知の注で認められています)。退職者に対して目的と関係なく適用される賃金の項目や増額は、名目にかかわらず、賃金の改善に要した費用に含められないと通知の注に示されています。

賃金改善の内容は計画の段階で市町村に確認し、実績報告の前に帳簿と照らし合わせる。

認定のときに出す書類(区分1の書類に足すもの)

通知の第3の2は、区分2の認定に当たって、区分1の書類に加えて次の書類を設置者・事業者から徴するとしています。

別紙様式4「賃金改善計画書」、別紙様式4別添1「賃金改善明細書」、見込平均利用子ども数の算出方法を示した書類です。

  1. 同一事業者内で他の施設へ充てるとき

    区分2の加算額の一部を、同一の設置者・事業者が運営する他の施設・事業所の賃金改善に充てる場合は、別紙様式4別添2「同一の事業者内における拠出見込額・受入見込額一覧表」も出します。複数園の法人の書類の単位は複数園を運営する法人の書類の単位で整理しています。

  2. 前年度から区分2を続けているとき

    前年度に区分2の適用を受けた施設で、別紙様式5「賃金改善の誓約書」を出し、設置者がその内容を職員に周知している場合は、別紙様式4、別添1、別添2を出す必要がありません。

  3. 賃金見込総額の要件を満たすのに必要なとき

    別紙様式7「特別な事情に係る届出書」を出します。

改善の対象者や賃金改善額が偏っている場合などに、改善が必要な職種の職員への充実を必要に応じて指導することが、通知に書かれています。申請書類の提出日は、指定都市等は指定都市等の長が、一般市町村は都道府県知事が定めます。提出先と日程は、所轄の市町村で確認してください。

加算額の決まり方と、翌年度の実績報告

実際の加算額は、職員1人当たりの平均経験年数の区分に応じた加算率で決まり、加算当年度を通じて同じ加算率を使い、実際の各月の利用子ども数で算定されます(通知 第4の2)。

区分2の加算額は賃金に確実に充てる必要があるため、年度が終わった後の実績報告で、実績が見込みを下回った場合の扱いが問題になります。流れは処遇改善等加算の実績報告と差額精算で説明しています。

認定済みの加算率(a)(b)を入力すると、処遇改善等加算を含めた試算結果を確認できます。

公定価格の試算を開く

この記事は通知の定めを整理したもので、個々の施設が区分2の要件に適合するかの判断や、認定の可否は示しません。認定は所轄の市町村または都道府県が行います。

次に知りたいこと:処遇改善等加算の賃金改善の配分方法、区分3の人数A・B、処遇改善等加算の加算率の決まり方。

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