解説

保育所の業務継続計画(BCP)の策定・周知・研修と訓練・見直し(努力義務)

保育所の業務継続計画(BCP)について、児童福祉施設の設備及び運営に関する基準の第9条の3が求める中身を整理します。策定、職員への周知と研修・訓練、定期的な見直しの3項目、書き方が努力義務である点、非常災害対策・安全計画との違いを確認します。

第9条の3は、計画の策定・周知と研修訓練・見直しの3つを求めている

児童福祉施設の設備及び運営に関する基準の第9条の3は、感染症や非常災害の発生時に、支援の提供を続け、早期に業務を再開するための計画(業務継続計画)について、3つの項目を定めています。

保育所は、この条が対象とする児童福祉施設に含まれます。

第9条の3の内容(確認日 2026-10-13)
項求めていること条文の書き方
第1項業務継続計画を策定し、計画に従って必要な措置を講じる努めなければならない
第2項職員に計画を周知し、必要な研修と訓練を定期的に行う努めなければならない
第3項定期的に計画の見直しを行い、必要に応じて変更する努めるものとする

計画の目的は、条文で「感染症や非常災害の発生時において、利用者に対する支援の提供を継続的に実施するため」と「非常時の体制で早期の業務再開を図るため」の2つです。

3項とも努力義務で、従うべき基準の列挙には入っていない

第9条の3の3項は、いずれも「努めなければならない」「努めるものとする」という書き方です。

第1条第3号が、都道府県が条例を定めるときに従うべき基準として挙げる条に、第9条の3は入っていません(第1号と第2号の列挙にもありません)。

条例でどう定められているかは、所轄の自治体の条例で確認します。

「努力義務だから作らなくてよい」とは読めない

条文は策定に努めることを求めており、指導監査の確認事項や条例での扱いは、自治体ごとに違う場合があります。

所轄の自治体の条例と、監査で配られる確認表で、業務継続計画がどう扱われているかを確かめます。

非常災害対策や安全計画とは別の条文で、3つを混同しない

業務継続計画は、非常災害時の避難や消火の具体的計画(第6条)とも、園児の安全確保のための安全計画(第6条の3)とも別の条文です。

第6条は避難・消火訓練を少なくとも毎月1回行うことなど、非常災害に備える設備・計画・訓練を定めます。第9条の3は、感染症や災害のあとも園の機能を続け、再開するための計画を定めます。

3つの条文の役割の違い(確認日 2026-10-13)
条文主な内容関連する記事
第6条非常災害に備える設備・具体的計画・訓練非常災害対策と毎月1回の訓練
第6条の3安全計画の策定等安全計画の未策定と減算
第9条の3感染症・非常災害時の業務継続計画この記事

確認の順序

計画の有無、周知の記録、研修と訓練の記録、見直しの記録の順に確かめます。

  1. 業務継続計画が文書として園にあるか確かめる

    感染症の場合と非常災害の場合の両方を対象にしているかを見ます。

  2. 職員への周知と、研修・訓練を行った記録があるか確かめる

    条文は「定期的に」と書いています。日付と参加した職員が分かる記録があると、実施を確かめやすくなります。

  3. 計画を見直した日と変更の有無を記録する

    見直しも定期的に行うよう努める項目で、見直した結果変更しなかった場合も、見直した事実を残します。

感染症が原因の臨時休園と委託費の扱いは災害・感染症による臨時休園で、指導監査で見られる項目は指導監査の確認表で整理しています。

この記事・試算で扱わないこと

この記事は省令の条文の説明で、計画の書き方の雛形や、個々の園の計画が基準を満たしているかの判定は行いません。

条例での扱いは、所轄の自治体に確認してください。

試算ツールも、運営基準を満たすかどうかの判定は対象外です。

よくある質問

保育所は、業務継続計画を作る義務がありますか。

第9条の3は、策定に努めなければならないと書いています。努力義務の書き方です。条例での扱いは、所轄の自治体で確認してください。

業務継続計画は、感染症と災害のどちらを対象にしますか。

条文は、感染症や非常災害の発生時を対象としています。

訓練や研修は、どのくらいの頻度で行いますか。

条文は「定期的に」と書くだけで、回数は決めていません。回数は、条例や自治体の指導で確かめてください。

非常災害対策や安全計画と何が違いますか。

第6条は非常災害の際の設備・具体的計画・訓練、第6条の3は安全計画で、第9条の3は感染症や災害のあとも業務を続け、早期に再開するための計画です。

この試算ツールで、業務継続計画の整備を確認できますか。

できません。この試算は公定価格(委託費)の算定に特化しており、運営基準を満たすかどうかの判定は対象外です。

自園の条件で試算する

所在地・定員・年齢別の園児数を入力すると、公定価格(委託費)を試算します。

結果には計算過程、使った告示・通知、確認日、そしてこの試算に含まれていないことも表示されます。

公定価格の試算を開く

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