この記事が答えること:東京都で、年齢ごとの保育スペースと医務室をどう作るか
東京都の解説は、0歳・1歳・2歳以上の保育スペースを明確に区別することを求め、とくに0歳児室は他の児童が立ち入れないよう物理的に区画することを求めています。
東京都福祉局の「東京都保育所設備・運営基準解説」(令和5年9月21日版)は、保育室等の基準設備のうち「区画」と「医務室」を、続けて書いています。
この記事では、その2項目を、間取りを考えるときの確認順に並べます。
この記事は、東京都が公表している解説書の記載を整理するものです。個別の間取りが基準に合うかの判断や、認可の可否は扱いません。東京都の取扱いなので、他の自治体は各自治体の手引きで確かめてください。
区画:0歳・1歳・2歳以上を明確に分け、0歳児室は物理的に区画する
解説は、室内での遊びや活動を基本とする0歳児と1歳児について、ほふくスペースを確保することなどを目的として、2歳以上児とは基準面積が異なると説明しています。
そのため、少なくとも0歳、1歳、2歳以上の保育スペースは、明確に区別できるものにすると書かれています。
解説の別の箇所は、保育室等に必要な面積を、0〜1歳が1人につき3.3平方メートル、2歳以上が1人につき1.98平方メートルと書いています。面積の数え方は、別の記事で整理しています。
| 対象 | 解説の書き方 |
|---|---|
| 0歳・1歳・2歳以上の保育スペース | 少なくとも、明確に区別できるものとする |
| 0歳児室 | 安全性への配慮等から、他の児童が立ち入れないよう物理的に区画する |
| 区画の方法 | 他の児童と別の部屋にすることが望ましい |
| 別の部屋を設けず柵等で区画する場合 | 柵等の倒壊や転倒がないよう、安全性を確保する |
区画の方法は、別の部屋にするのが「望ましい」とされ、やむを得ない場合に柵等で区画できる、という順序で書かれています。
柵で区画する場合に求められているのは、柵が倒れたり転んだりしないことです。
柵の高さや材質の数値は、この箇所には書かれていません。具体的な仕様は、東京都や区市の担当課に確かめてください。
0歳児室の区画を、目印だけで済ませない
解説は、0歳児室を「他の児童が立ち入れないよう物理的に」区画すると書いています。目印だけで区切ったスペースは、この書き方に合うかを確かめる必要があります。
柵等で区画する案は、倒壊・転倒を防ぐ固定方法まで図面に書いて、担当課に見せます。
医務室:健康診断・応急措置・休養のための家具と機器を置ける面積
医務室は、健康診断、応急措置、休養のための家具と機器を配置できる面積を確保することが望ましい、と書かれています。
条例第41条第2項は、満2歳以上の幼児を入所させる保育所に、医務室を設けることを求めています。
面積の数値は解説に書かれていません。具体的な広さは担当課に確かめます。
医務室には医薬品等を備えること、とも書かれています。
体温計、水枕、消毒薬、絆創膏などの衛生用品は最低限備え、医薬品等を安全に保管できる什器も備えます。
置く家具・機器
健康診断、応急措置、休養に使う家具と機器を配置できる面積を確保します。
最低限の衛生用品
体温計、水枕、消毒薬、絆創膏などを備えます。
保管する什器
医薬品等を安全に保管できる什器を備えます。
事務室内に医務コーナーを設ける場合の条件
要綱の表は、医務室に「静養できる機能を有すること」を求め、事務室等内への設置も可としています。解説は、事務室内に医務コーナーを設ける場合も、前に述べた家具・機器を置くスペースを確保するよう書いています。
そのうえで、医務コーナーの近くに安静を妨げるようなOA機器等を置かず、カーテンで区切るなどして、静養できる環境を確保します。
家具・機器を置く場所を取る
健康診断、応急措置、休養のための家具と機器を置けるスペースを、事務室の図面の中に取ります。
OA機器との距離を見る
OA機器等、安静を妨げる機器を、医務コーナーの近くに置かない配置にします。
カーテン等で区切る
カーテンで区切るなどして、静養できる環境にします。
衛生用品と什器を揃える
体温計・水枕・消毒薬・絆創膏と、安全に保管できる什器を用意します。
間取りの図面で確かめる順番
先に0歳児室の区画を決め、次に医務室または医務コーナーの場所を決める順番で確かめます。
解説が、0歳児室を特に物理的に区画するよう書いているためです。
年齢別の保育スペースを描き分ける
0歳、1歳、2歳以上の保育スペースを図面の上で分け、境界を別の部屋にするか柵にするかを決めます。
0歳児室の出入口と動線を見る
他の児童が立ち入れない区画になっているかを、出入口の位置も含めて見ます。
医務室か医務コーナーかを決める
別室を取れない場合は、事務室内の医務コーナーの条件を図面に書き込みます。
図面を窓口へ持ち込む
区画の方法や医務コーナーの広さの扱いは、東京都や区市の担当課に図面を見せて確かめます。
よくある質問
- 0歳児室は、必ず別の部屋にしなければなりませんか。
解説は、別の部屋にするのが「望ましい」と書き、やむを得ない場合に柵等で区画できるとしています。柵等で区画する場合は、倒壊や転倒がない安全性が求められます。
- 1歳児と2歳以上児も区画が要りますか。
解説は、少なくとも0歳、1歳、2歳以上の保育スペースを明確に区別できるものとすると書いています。とくに物理的な区画を求めているのは、0歳児室についてです。
- 医務室を別室にできないときはどうしますか。
要綱は事務室等内への設置も可としており、解説は医務コーナーを設ける場合の条件を書いています。家具・機器のスペースを確保し、近くにOA機器等を置かず、カーテンなどで静養できる環境にします。
- 医務室の面積は何平方メートル必要ですか。
解説は、健康診断・応急措置・休養のための家具・機器を配置できる面積を確保することが望ましい、と書いており、平方メートルの数値は書いていません。担当課に確かめてください。
- この試算で、区画や医務室が基準に合うか判定できますか。
判定できません。この試算は公定価格のモデル計算で、設備基準の適合や認可の可否は扱いません。
設備の条件を確かめたうえで、公定価格を試算する
市町村に確認した利用定員と、所在地、年齢別の園児数を入力します。区画や医務室の適合は試算結果に含まれません。
利用定員を入れて公定価格を試算する次に知りたいこと:保育室等の面積の数え方、東京都の設備の安全対策11項目、保育所に必要な部屋の基準
ほかの記事の確認事項・よくある質問の一覧
この記事が参照した一次資料
- 東京都保育所設備・運営基準解説(令和5年9月21日版)
該当なし/対象外対象外/確認日 2026-10-18