FAQ No.97:幼稚園・認定こども園は減算なし、保育所は専従が要件
公定価格FAQ(第32版)のNo.97は、園長(施設長)を一人の者が兼務している場合の公定価格の扱いについて、認定こども園・幼稚園・保育所で違いはあるか、と問うています。
答えは、施設の種類で分かれます。
幼稚園は、園長が専任でなくても公定価格上は減算されません。保育所は、施設長が施設の運営管理の業務に常時専従することが要件で、満たさないと「施設長を配置していない場合」の調整が適用されます。
| 施設の種類 | 園長・施設長が兼務のとき | 追加で必要な配置 |
|---|---|---|
| 幼稚園 | 園長の人件費は基本分単価に含まれており、専任でなくても公定価格上は減算されない | 原則として副園長等の教員を1名追加で配置する(幼稚園設置基準第5条第3項)。その教員分の人件費は公定価格上は算定されない |
| 認定こども園(いずれの類型も) | 幼保連携型認定こども園に準拠し、幼稚園と同様の取扱い | 幼稚園と同様(FAQは、幼保連携型認定こども園の学級の編制、職員、設備及び運営に関する基準の第5条第3項備考第4号を挙げている) |
| 保育所 | 施設長の人件費は基本分単価に含まれる。ただし、常時実際にその施設の運営管理の業務に専従することが要件。満たさないと「施設長を配置していない場合」の調整が適用される | (FAQに追加配置の定めはない) |
ここで注意したいのは、幼稚園・認定こども園で「減算されない」ことと「費用がかからない」ことは別だという点です。
園長が専任でない園は、副園長等を1名追加で置くことが原則とされ、その人件費は公定価格に入りません。減算がない代わりに、持ち出しになる費用が出ます。
条文と通知の定め
FAQが挙げた幼稚園設置基準第5条第3項は、専任でない園長を置く幼稚園について、第1項・第2項で置く教員のほか、副園長、教頭、主幹教諭、指導教諭、主務教諭、教諭、助教諭又は講師を1人置くことを原則とする、と定めています(e-Gov法令検索で本文を確認)。
保育所の側は、留意事項通知(S-06)の加減調整部分に定めがあります。
| 項目 | 通知の内容 |
|---|---|
| 調整の対象 | 要件を満たす施設長を配置していない施設に適用する |
| 兼務の扱い | 2以上の施設または他の事業と兼務し、施設長として職務を行っていない者は欠員とみなされ、要件を満たす施設長を配置したことにはならない |
| 認定 | 施設が所在する市町村長が行う。市町村長は、申請や指導監督等を通じて状況を把握する |
| 調整額 | 地域区分等に応じた単価に、処遇改善等加算(区分1・区分2)の単価へ認定済みの加算率を乗じた額を加えた額 |
つまり保育所では、「兼務しているか」ではなく「施設長として職務を行っているか」で決まります。
2以上の施設や他の事業と兼務していて、施設長としての職務を行えていない場合は、欠員とみなされます。
自園で確認すること
施設の種類を先に決め、その種類の確認事項だけを見ます。
幼稚園・認定こども園の場合
園長が専任でないなら、副園長等を1名追加で置く原則に当たります。その人件費は公定価格に入らないため、試算の収入側には加えず、費用側で別に見込みます。
保育所の場合
施設長が運営管理に専従できているかを確認します。他の施設や事業との兼務で施設長としての職務を行えていないと、欠員とみなされ、調整の対象になります。
兼務の組み合わせ
どの施設・事業との兼務が、施設長として職務を行っていない状態に当たるかは、通知だけでは個別に決まりません。所轄の市町村に確認します。
認定こども園の類型
FAQは、いずれの類型ともに幼保連携型に準拠するとしています。園長が専任でない場合の追加配置の具体的な扱いは、所轄の自治体に確認します。
この記事は、公定価格FAQ(第32版、令和8年7月24日時点)のNo.97、留意事項通知、幼稚園設置基準第5条の整理です。個別の施設に調整が適用されるかを判定するものではありません。
認定は所轄の市町村長が行うため、最終的な判断は市町村に確認してください。
よくある質問
園長・施設長の兼務について、よく聞かれる3点です。
- 幼稚園の園長が他の園の園長を兼ねていると、公定価格は減りますか。
FAQ No.97は、幼稚園の園長の人件費は基本分単価に含まれており、園長が専任でなくても公定価格上は減算されないとしています。ただし、専任でない園長を置く幼稚園は、原則として副園長等の教員を1名追加で置くものとされ、その教員分の人件費は公定価格上は算定されません。
- 認定こども園は幼稚園と同じ扱いですか。
FAQ No.97は、認定こども園はいずれの類型ともに、幼保連携型認定こども園に準拠し、幼稚園と同様の取扱いとなるとしています。
- 保育所の施設長が兼務していると、必ず減算されますか。
必ずではありません。FAQ No.97は、施設長が常時実際にその施設の運営管理の業務に専従することが要件で、満たされない場合に「施設長を配置していない場合」の調整が適用されるとしています。通知は、2以上の施設や他の事業と兼務し施設長として職務を行っていない者は欠員とみなされるとしています。適用の認定は市町村長が行います。
次に読む記事
保育所の施設長の調整と、幼稚園・認定こども園の副園長の加算は別の記事で整理しています。保育所の調整の判断は施設長を配置していない場合の減算と兼務の判断、副園長・教頭の加算は副園長・教頭設置加算(FAQ No.22・23)、施設長の資格要件は保育所の施設長の資格要件で説明しています。
自園の条件で試算する
この記事が参照した一次資料
- 公定価格に関するFAQ(よくある質問)(第32版)
該当なし/令和8年度当初/確認日 2026-09-03
- 特定教育・保育等に要する費用の額の算定に関する基準等の実施上の留意事項について
こ成保38、5文科初第483号(令和5年5月19日。最終改正: こ成保306、8文科初第172号、令和8年4月8日)/令和8年度当初/確認日 2026-09-03