事業所内保育事業にも、事業所の運営で決まる3つの調整がある
留意事項通知の別紙9(事業所内保育事業)のⅣは、連携施設、食事の提供方法、管理者、土曜日の閉所について、基本分単価に対する調整を定めています。
この記事は、そのうち食事の提供方法(⑰)、管理者を配置していない場合(⑱)、土曜日に閉所する場合(⑲)の3つを扱います。
3つとも、認定するのは事業所が所在する市町村長です。
| 調整 | 適用される事業所 | 調整額の対象になる単価 |
|---|---|---|
| 食事の提供方法(⑰) | 事業所で調理する方法、または搬入施設から搬入する方法以外で食事を提供する事業所 | 基本分単価、処遇改善等加算(区分1・2)、夜間保育加算の合計に調整率 |
| 管理者の未配置(⑱) | 要件を満たす管理者を配置していない事業所 | 地域区分等に応じた単価に、処遇改善等加算の分を加えた額 |
| 土曜日の閉所(⑲) | 当該月の土曜日に閉所する日がある事業所 | 基本分単価、処遇改善等加算、障害児保育加算、1歳児配置改善加算、夜間保育加算の合計に、調整率と閉所日数 |
調整率などの数値は、この記事では扱いません。試算ツールと告示で確認してください。連携施設を設定していない場合の調整(⑯)は、別の記事で整理しています。
従業員枠の子どもの基本分単価は、調整率を乗じた額で調整に入る
別紙9は、事業主が雇用する労働者の子ども(従業員枠)の基本分単価に、定められた調整率を乗じることを定めています。
食事の調整と土曜日の調整では、この従業員枠の子どもに係る基本分単価は、調整率を乗じた後の額が算定に含まれます。
従業員枠の子どもがいる事業所では、調整額の元になる基本分単価が、子どもの区分によって異なります。
従業員枠の子どもの人数や、従業員枠以外の子どもとの区分は、事業所ごとに異なります。調整額が実際にいくらになるかは、市町村の算定を確認してください。
食事の提供方法:事業所の調理か、定められた搬入施設以外だと対象になる
別紙9は、食事の提供に当たり、事業所で調理する方法、または家庭的保育事業等設備運営基準第16条第2項各号に定める搬入施設から搬入する方法以外の方法による事業所に、この調整を適用すると定めています。
認定は、市町村長が食事の提供状況を確認して行います。
要件に適合しなくなった場合は、適合しなくなった日の属する月の翌月(月初日なら、その月)から調整の適用が無いものとされます。
搬入施設の範囲と、搬入するときの要件は、小規模保育事業と同じ基準の条文で決まります。
搬入施設として挙げられるのは、連携施設、同一または関連法人の小規模保育事業・事業所内保育事業等の事業所、離島などで市町村が確保困難と認める場合の学校給食の施設です。第2項第4号の受託事業者は、家庭的保育者の居宅で行う家庭的保育事業に限られ、事業所内保育事業には当たりません。
詳しい条文の整理は小規模保育事業A型・B型の食事の提供方法の調整を参照してください。
別紙9は、調理員等について、利用定員19人以下の事業所は非常勤調理員等、20人以上の事業所は利用定員40人以下で1人、41人以上で2人と定めています。調理業務の全部を委託する場合、または搬入施設から食事を搬入する場合は、調理員を置かないことができます。調理員を置かないことと調整の対象になるかは別で、委託の形の扱いは所在地の市町村に確認してください。
管理者:兼務の管理者は、欠員として扱われる
別紙9は、基本分単価に含まれる管理者について、児童福祉事業等に2年以上従事した者、またはこれと同等以上の能力を有すると認められる者で、常時実際にその事業所の運営管理の業務に専従し、かつ給付費からの給与支出がある者と定めています。
この要件を満たす管理者を配置していない事業所に、調整が適用されます。
2以上の事業所または他の事業と兼務していて、管理者として職務を行っていない者は、欠員とみなされます。
認定は、市町村長が行い、申請または指導監督等を通じて状況を把握します。
管理者の要件の例示と、調整額の算定は、小規模保育事業の別紙6と同じ書き方です。経歴の例示などは小規模保育事業A型・B型の管理者を配置していない場合の調整で整理しています。
土曜日の閉所:算定に含まれる単価は5つ
別紙9は、利用希望が無いなどの理由で、当該月の土曜日に閉所する日がある事業所に、この調整を適用すると定めています。
開所していても保育を提供していない日は、閉所として扱います。
他の特定教育・保育施設、居宅訪問型を除く地域型保育事業所、企業主導型保育施設との共同保育で、土曜日の保育が確保されていれば、開所扱いです。
| 項目 | A型・B型(別紙6) | C型(別紙7) | 事業所内保育(別紙9) |
|---|---|---|---|
| 基本分単価・処遇改善等加算(区分1・2) | 含まれる | 含まれる | 含まれる(従業員枠の子どもは調整率を乗じた額) |
| 障害児保育加算 | 含まれる | 含まれる | 含まれる |
| 1歳児配置改善加算 | 含まれる | 挙げられていない | 含まれる |
| 夜間保育加算 | 含まれる | 挙げられていない | 含まれる |
別紙9は、事業所内保育事業を、原則として土曜日を含む週6日間の開所が求められる事業と位置づけています。
利用希望があるのに閉所する場合などは、調整の適用と併せて、市町村で指導が行われます。
共同保育の扱いの詳細は小規模保育事業A型・B型の土曜日に閉所する場合の調整を参照してください。
確認する順序
食事の提供の実態、管理者の専従と経歴、土曜日の開所の3点を、この順に確かめます。
食事を調理している場所と、搬入している場合の搬入施設を整理する
事業所内の調理室か、搬入施設か、委託かを区別します。搬入施設が基準第16条第2項のどの号に当たるかは、所在地の市町村に確認します。
管理者が、専従で、給付費から給与が出ているかを確かめる
他の事業所や他の事業との兼務の有無、経歴の根拠となる書類、給与の支出元を整理します。
月ごとに、土曜日の保育を提供した日と提供しなかった日を整理する
調整は月ごとに見ます。共同保育で土曜日の保育を確保している日は、相手と確保の状況も書き出します。
申請の要否と時期を、所在地の市町村に確認する
通知は、食事は申請等を通じて、土曜日は設置者の申請を徴して確認すると定めています。様式や提出時期は市町村ごとに異なります。
次に知りたいこと:連携施設、設備と職員の基準、3歳以降の受け入れ
事業所内保育事業の基本分単価の調整は、連携施設の設定からも決まります。
連携施設を設定していない場合の調整は連携施設を設定していない場合の調整、事業所内保育事業の設備と職員の基準は事業所内保育事業の設備・職員の基準、3歳以降の受け入れの特例給付は事業所内保育の3歳以降の特例給付で整理しています。
よくある質問
- 事業所内保育事業は、小規模保育事業と同じ調整を受けますか。
食事の提供方法、管理者、土曜日の閉所の3つは、別紙9にも同じ種類の調整があります。適用の要件はほぼ同じ書き方ですが、従業員枠の子どもの基本分単価の扱いがあります。調整額に含まれる単価も別紙ごとに異なります。
- 従業員枠の子どもだけの事業所でも、調整の対象になりますか。
通知は、事業主が雇用する労働者の子どもに係る基本分単価に調整率を乗じた額を、調整額の算定に含めると定めています。適用の要件そのものは、食事の提供や土曜日の開所の状況で決まります。個別の扱いは、所在地の市町村に確認してください。
- この記事で、自園が調整の対象かを判定できますか。
できません。この記事は、通知の定めを整理したものです。認定は市町村長が行うため、個別の判断は所在地の市町村に確認します。
公定価格を試算する
所在地、利用定員、年齢別の園児数を入力します。食事・管理者・土曜日の調整は、試算結果に含まれません。
利用定員を入れて公定価格を試算するこの記事が参照した一次資料
- 特定教育・保育等に要する費用の額の算定に関する基準等の実施上の留意事項について
こ成保38、5文科初第483号(令和5年5月19日。最終改正: こ成保306、8文科初第172号、令和8年4月8日)/令和8年度当初/確認日 2026-09-03