解説

居宅訪問型保育事業の公定価格:基本分単価の決め方と、加算・調整ごとの認定市町村(別紙10)

居宅訪問型保育事業(保育認定3号)の公定価格を、留意事項通知の別紙10から整理します。基本分単価を決める区分、基本分に含まれる職員、加算・調整ごとに認定する市町村が事業所の所在地か保護者の居住地かを、一覧で確認できます。

基本分単価は、地域区分・認定区分・保育必要量区分で決まる

留意事項通知の別紙10(居宅訪問型保育事業・保育認定3号)のⅠは、基本分単価を決める区分として、地域区分、認定区分、保育必要量区分の3つを挙げています。

地域区分は、事業所の所在地ではなく、支給認定保護者の居宅が所在する市町村で決まります。

他の地域型保育事業の別紙にある定員区分や年齢区分は、別紙10のⅠには挙げられていません。

単価の数値は、この記事では扱いません。試算ツールと告示で確認してください。

基本分に含まれる職員は、子ども1人につき家庭的保育者1人

別紙10は、基本分単価に含まれる保育従事者を、家庭的保育者(居宅訪問型保育事業に従事するために必要な研修を受講した者)が子ども1人につき1人と定めています。

これに加えて、保育標準時間認定を受けた子どもが利用する事業所では非常勤保育従事者1人が含まれます。

家庭的保育者と家庭的保育補助者1人当たりに、研修代替保育従事者として年間3日分の費用も算定されます。

基本分に含まれる職員は、子どもの人数に応じて決まり、定員の区分では決まりません。

部屋の面積や乳幼児の数など、事業を行うための基準は家庭的保育事業と居宅訪問型保育事業の基準で整理しています。

加算と調整は、認定する市町村が項目ごとに違う

別紙10では、加算と調整の認定を行う市町村が、支給認定保護者が居住する市町村長の項目と、事業所が所在する市町村長の項目に分かれます。

申請先を一つにまとめず、項目ごとに通知の書きぶりを確かめます。

加算・調整ごとの認定主体(留意事項通知 別紙10、確認日 2026-10-21)
項目認定する市町村長要件の要点
資格保有者加算(⑥)支給認定保護者が居住する市町村長家庭的保育者が保育士資格・看護師免許・准看護師免許を有する
休日保育加算(⑦)支給認定保護者が居住する市町村長休日等に常態的に保育を必要とする子どもが利用する
夜間保育加算(⑧)支給認定保護者が居住する市町村長夜間・深夜の勤務などで居宅訪問型保育を提供すると市町村が認めた場合
特定の日に保育を行わない場合の調整(⑩)支給認定保護者が居住する市町村長利用しない日が予め決まっていて保育を行わない
連携施設加算(⑨)事業所が所在する市町村長連携施設等を設定している
第三者評価受審加算(⑫)・施設機能強化推進費加算(⑬)事業所が所在する市町村長それぞれの要件を満たし、設置者が毎年12月末までに申請する
保育ICT推進加算(⑭)事業所が所在する市町村情報通信技術の導入・活用の要件を満たし、設置者の申請を確認する
安全計画の策定等をしていない場合の調整(⑩a)事業所が所在する市町村長設置者から要件の適合の有無を確認する

経営情報の報告等を行っていない場合の調整(⑩b)の認定は、事業所が所在する市町村が、報告状況を確認して行うと通知にあります。処遇改善等加算の認定は、別紙10では「別に定めるところによる」とされ、この表には含めていません。事業所と保護者の居住地が異なる場合の申請の窓口や様式は、該当する市町村に確認してください。

資格保有者・休日保育・夜間保育の加算:要件の書きぶり

資格保有者加算は、家庭的保育者が保育士資格、看護師免許または准看護師免許を有する事業所に加算されます。

利用子どもに対して複数の家庭的保育者が保育を行う場合は、当該子どもを主に保育する家庭的保育者の資格の保有状況によります。

資格の有無は、子どもごとに主に保育する人を見て判断されます。

休日保育加算は、休日等に常態的に保育を必要とする保育認定子どもが利用する事業所が対象です。

通知は、各月の休日等の日数の合計に対して、概ね4分の3以上の利用が見込まれることを「常態的」の目安としています。

夜間保育加算は、母子家庭等の保護者の夜間・深夜の勤務などを勘案し、居宅訪問型保育を提供すると市町村が認めた場合に適用されます。目安は、概ね午後10時から午前5時の間の利用日数が、各月の利用日数の合計に対して概ね4分の3以上見込まれることです。

休日保育加算の考え方は休日保育加算の確認、夜間保育加算の対象は夜間保育加算の対象と計算で整理しています。これらは保育所向けの記事です。居宅訪問型の要件は、別紙10の書きぶりで確かめてください。

特定の日に保育を行わない場合:閉所日数を週当たりの日数にして調整する

別紙10のⅣ1は、月曜日から土曜日までのうち特定の日に保育の利用希望が無く、利用しない日が予め決まっているために保育を行わない事業所に、この調整を適用すると定めています。

調整額は、基本分単価、処遇改善等加算(区分1・2)、夜間保育加算、連携施設加算の合計に、調整率と、週当たりの保育を行わない日数を乗じて決まります。

週当たりの保育を行わない日数は、その月の特定の日に保育を行わない日数(閉所日数)を4(週)で除し、小数点第1位を四捨五入して求めると通知にあります。

認定は、支給認定保護者が居住する市町村長が、各月の利用状況(予定)を確認して行います。

要件に適合しなくなった場合は、適合しなくなった日の属する月の翌月(月初日なら、その月)から調整の適用が無いものとされます。

調整率の数値は、この記事では扱いません。告示で確認してください。

確認する順序

保護者の居住地と事業所の所在地を、最初に書き分けます。

  1. 支給認定保護者の居住する市町村と、事業所の所在する市町村を書き出す

    地域区分、資格保有者・休日保育・夜間保育の加算、特定の日に保育を行わない場合の調整は、保護者の居住地の市町村が関わります。

  2. 家庭的保育者の資格と、主に保育する人を子どもごとに整理する

    複数の家庭的保育者が保育する子どもは、主に保育する人の資格の保有状況を確かめます。

  3. 月ごとに、利用しない日が予め決まっているかを確かめる

    特定の日に保育を行わない場合の調整は、各月の利用状況(予定)を見て市町村が確認します。

  4. 申請の窓口と時期を、該当する市町村に確認する

    第三者評価受審加算と施設機能強化推進費加算の申請は、毎年12月末までと通知にあります。様式は市町村ごとに異なります。

次に知りたいこと:家庭的保育事業の資格保有者加算、安全計画・経営情報の調整

別紙10にも、安全計画と経営情報の報告に関する調整があります。

家庭的保育事業の資格保有者加算は家庭的保育事業の資格保有者加算、安全計画の策定等をしていない場合の調整は安全計画の策定等をしていない場合の減算、経営情報の報告の調整は経営情報等の未報告の減算で整理しています。

よくある質問

居宅訪問型保育事業の地域区分は、事業所の所在地で決まりますか。

通知は、支給認定保護者の居宅が所在する市町村ごとに定められた区分を適用すると定めています。事業所の所在地ではありません。

加算の申請は、どの市町村にすればよいですか。

通知の認定主体は、項目によって、保護者の居住地の市町村長と、事業所の所在地の市町村長に分かれます。実際の窓口と様式は、該当する市町村に確認してください。

この記事で、自事業所が加算や調整の対象かを判定できますか。

できません。この記事は、通知の定めを整理したものです。認定は市町村長が行うため、個別の判断は該当する市町村に確認します。

公定価格を試算する

試算ツールは認可保育所を対象にしています。居宅訪問型保育事業の単価・加算・調整は、試算結果に含まれません。

認可保育所の公定価格を試算する

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