FAQ No.376の答え(導入だけで利用がまったくない場合は対象外)
公定価格FAQ(第32版)のNo.376は、4つの各機能を導入しているが、利用がまったくされていない場合でも保育ICT推進加算の対象としてよいかを問うています。
答えは、「業務において、4つの機能を持つICTの活用」をすることが要件であるため、利用がまったくされていない場合は、加算の対象になりませんというものです。
FAQが示しているのは、利用が「まったく」ない場合です。
何割使えば足りるか、月に何回使えば足りるかといった数の基準は、このFAQには書かれていません。回数や割合の目安を探す記事ではなく、導入と活用の両方が要件に入っていることを確認する記事です。
加算の認定の見方は保育ICT推進加算の認定の確認、責任者の人選は保育ICT推進加算の「ICT活用の責任者」は誰がなれるかで説明しています。この記事は、4つの機能の導入と活用の関係だけを扱います。
通知が定める4つの機能(導入し、業務に効果的に活用していること)
留意事項通知(保育ICT推進加算㉞)は、「情報通信技術を効果的に活用している」ことの要件のうち、ⅰで次のように定めています。
業務においてICTの活用を進めており、①〜④のすべての機能を有するシステムを導入し、業務に効果的に活用していること。
FAQ No.376の答えは、この「導入し、業務に効果的に活用」のうち、後半の「活用」が欠けている場合を述べたものです。
| 機能 | 通知の注意書き |
|---|---|
| ① 園児の登園および降園の管理に関する機能 | 注意書きなし |
| ② 保育に係る計画・記録に関する機能 | 職員間で情報の共有や更新を行うことができる機能を有すること |
| ③ 保護者との連絡に関する機能 | ICTを介さない個別メール・アプリで保護者と連絡している場合を除く |
| ④ キャッシュレス決済に関する機能 | ICTを介さない個別アプリ等による銀行振込や口座振替の場合等を除く |
③と④の注意書きは、保護者と連絡する手段や支払いの手段が、ICTを介さない個別のやり取りにとどまっている場合は機能に当たらない、という趣旨です。
機能を備えたシステムを契約していても、実際の連絡や支払いが個別のメールや銀行振込で行われていて、システムが使われていなければ、FAQ No.376の「利用がまったくされていない」に近い状態です。ただし、個々の施設がこの状態に当たるかどうかは、FAQにも通知にも書かれていません。所在地の市町村に確認してください。
導入だけでは足りない、通知の側の根拠
FAQ No.376の答えは、通知の文言から読み取れます。
通知のⅰは、機能を有するシステムの導入と、業務での効果的な活用の2つを並べて求めています。導入のあとに活用が続く文なので、導入だけで要件が満たされるとは読めません。
| 要件 | 内容 | No.376との関係 |
|---|---|---|
| ⅰ 4つの機能のシステム | ①〜④のすべての機能を有するシステムを導入し、業務に効果的に活用していること | 活用がまったくないと対象外になる部分 |
| ⅱ 保育業務施設管理プラットフォーム | 公定価格の算定に係る申請等または都道府県等による指導監督に必要な手続のいずれかで活用していること(令和8年度に限りアカウントを有し令和9年度以降に活用する予定でも可) | 別の要件 |
| ⅲ 保活情報連携基盤 | 施設の見学予約等に係る手続で活用していること(令和8年度に限りアカウントの発行を受け令和9年度以降に活用する予定でも可) | 別の要件 |
令和8年度に限った「活用する予定」の扱いがあるのは、ⅱとⅲです。
ⅰの4つの機能には、通知にもFAQ No.376にも、予定で足りるとする扱いは書かれていません。
要件に合わなくなった月の扱い
通知は、市町村が加算の認定をした施設について、申請や指導監査などを通じて状況を把握し、要件に適合しなくなった場合には、適合しなくなった日の属する月の翌月から加算の適用がないものとする、と定めています。
月の初日に適合しなくなった場合は、その月から適用がありません。
使われなくなった時期が申請後でも、認定は続くとは限らない
通知は、認定後に要件に適合しなくなった場合の扱いを定めています。システムの利用がなくなった時期が申請の後であっても、その時点で要件を満たしていなければ、翌月から加算の適用がなくなる可能性があります。個別の事例でどう扱われるかは、通知にもFAQにも書かれていません。
申請に書いた機能が実際に使われているかを、定期的に園内で確認しておく。システムの契約を見直すときや運用を変えるときは、事前に所在地の市町村に伝え方を相談する。
確認の順序と、この記事が判断しない範囲
4つの機能の有無、実際の利用、別の要件の順に確認します。
4つの機能を備えたシステムがあるか確かめる
登降園の管理、計画・記録(職員間で共有・更新できること)、保護者との連絡、キャッシュレス決済の4つが、導入されたシステムにそろっているか、契約や機能の一覧で確認します。
実際に使っているかを確かめる
連絡や支払いがシステムの外の個別メール・銀行振込などだけになっていないかを見ます。利用がまったくない機能がないかを、機能ごとに確認します。
プラットフォームと基盤の要件を確かめる
保育業務施設管理プラットフォーム(ⅱ)と保活情報連携基盤(ⅲ)は、ⅰとは別の要件です。それぞれのアカウントの状況と活用の予定を確認します。
国庫補助金の有無を確かめる
4つの機能を有するシステム等のいずれかまたはすべてについて国庫補助金の交付を受けた場合は、その年度の加算は適用されないと通知が定めています。
この記事は、公定価格FAQ(第32版、令和8年7月24日時点)のNo.376と、留意事項通知の保育ICT推進加算(㉞)の要件の整理です。個別の施設が要件を満たすかどうか、利用がどの程度あれば足りるかを判定するものではありません。
申請の様式や確認の方法は、所在地の市町村に確認してください。
よくある質問
導入と活用の関係について、よく聞かれる3点です。
- 4つの機能を導入していれば、使っていなくても加算の対象になりますか。
FAQ No.376は、4つの機能を持つICTを業務で活用することが要件であるため、利用がまったくされていない場合は対象にならないと答えています。
- 月に何回使えば活用していると認められますか。
FAQ No.376に、回数や割合の基準は書かれていません。通知は「業務に効果的に活用していること」と定めています。具体的な確認の仕方は、所在地の市町村に確認してください。
- 保護者との連絡を個別のメールで行っていても、③の機能を満たしますか。
通知は、ICTを介さない個別メール・アプリで保護者と連絡している場合を除く、と定めています。連絡ツールを導入していても、実際の連絡が個別メールだけである場合は、③を活用していると言いにくい状態です。個別の判断は、所在地の市町村に確認してください。
次に読む記事
ICT関係の要件は、加算ごとに別の定めがあります。1歳児配置改善加算のICT要件は1歳児配置改善加算のICT要件、ここdeサーチの更新は保育ICT推進加算のここdeサーチ更新(変更なしの場合)、自治体が独自のシステムを使う場合は保育ICT推進加算の活用内容(自治体の独自システムの場合)で説明しています。
自園の条件で試算する
ほかの記事の確認事項・よくある質問の一覧
この記事が参照した一次資料
- 公定価格に関するFAQ(よくある質問)(第32版)
該当なし/令和8年度当初/確認日 2026-09-03
- 特定教育・保育等に要する費用の額の算定に関する基準等の実施上の留意事項について
こ成保38、5文科初第483号(令和5年5月19日。最終改正: こ成保306、8文科初第172号、令和8年4月8日)/令和8年度当初/確認日 2026-09-03