解説

保育の給付認定の有効期間と変更・取消しの流れ

保育所を利用する子どもの給付認定は、法律の定める有効期間内に限って効力があります。子ども・子育て支援法の第21条から第24条と施行規則の第8条から第10条を、原文で整理します。満3歳で認定が切り替わる仕組みと、園が確認する書類の持ち方もまとめます。

認定は、法律が定める有効期間の中だけ効力がある

保育所を利用する子どもには、市町村が行う教育・保育給付認定があります。

子ども・子育て支援法の第21条は、認定は、内閣府令で定める期間内に限り効力を有すると定めています。

試算に入れる年齢別・保育必要量別の在籍数は、この認定を前提にした数字です。

この記事は、有効期間・届出・変更・取消しが、法律と府令のどの条文に書かれているかを整理します。確認日は2026-10-10です。

有効期間は、満3歳未満と3歳以上で終わりが違う

有効期間は、施行規則(子ども・子育て支援法施行規則)の第8条が、小学校就学前子どもの区分ごとに定めています。

保育所の子どもに関わる区分は、次の2つです。

施行規則第8条が定める有効期間の原則(確認日 2026-10-10)
区分有効期間の原則条文
満3歳以上の保育認定(2号)認定の効力発生日から、小学校就学の始期に達するまで第8条第2号
満3歳未満の保育認定(3号)認定の効力発生日から、満3歳に達する日の前日まで第8条第8号

3号の認定は、満3歳に達する日の前日で有効期間が終わります。

3歳になる子どもについて、市町村は次の節で述べる職権による変更の認定を行うことができます。有効期間が終わったあとの具体的な扱いは、条文からは読み取れません。

保護者の事由によっては、有効期間が短く区切られる

施行規則は、保護者の事由が、妊娠中・出産後間がないこと、求職活動、就学などのときは、上の原則より短い期間を定めています。市町村が事情を勘案して期間を決める事由もあります。同じ年齢の子どもでも、認定の終わる時期が揃うとは限りません。

子どもごとの有効期間は、市町村から届く通知や支給認定証の記載で確認します。この記事の表から、個々の子どもの終了時期は読み取れません。

満3歳になると、市町村が職権で認定を変更できる

法第23条は、認定の変更を2通りに分けています。

1つは、保護者が区分や保育必要量などを変更する必要があるときに、市町村へ変更の認定を申請する場合です(第1項)。

もう1つは、市町村が職権で変更の認定を行う場合です。第4項は、満3歳未満の保育認定の子どもが満3歳に達したときその他必要があると認めるときに、市町村が職権で変更できるとしています。

認定の変更の申請対象になる事項(施行規則第10条・確認日 2026-10-10)。右の列は条文の記載ではなく、本サイトの見方
条文が挙げる事項試算での見方(条文の記載ではない)
小学校就学前子どもの区分(2号・3号など)年齢区分と組み合わせて、試算の区分を見るときの手がかりになる
保育必要量保育標準時間と保育短時間の区分を見るときの手がかりになる
認定の有効期間次に認定を確認する時期の目安になる
利用者負担額に関する事項市町村から園へ通知される事項(施行規則第7条)と関わる

変更の認定を行った市町村は、支給認定証にその内容を記載して返すことになっています(法第23条第6項)。

園の側の確認は、子どもの認定区分と保育必要量が、変更後の支給認定証や市町村の通知の記載と合っているかを見ることです。

変更後の区分を公定価格のどの月から適用するかは、記事「保育標準時間・短時間は、園が推測せず認定区分を確認する」で整理しています。

毎年の届出と、変更があったときの届出

法第22条は、保護者が認定の有効期間内に、労働または疾病の状況などを市町村へ届け出ることを求めています。

届け出る事項は、施行規則の第9条第2項で、保育を必要とする事由(第1条の5各号)の状況とされています。

施行規則の第9条は、保育認定の子どもについて、保護者は毎年、保育を必要とする事由の状況を記載した届書と、証明する書類を市町村に提出すると定めています。

ただし、市町村が公簿等で事実を確認できるときなどは、書類を省略させることができます。

保護者の氏名や居住地などが変わったときの届出は、第15条が別に定めています。

市町村は、毎年の届出を受けて、認定時の通知事項(第7条第1項。利用者負担額と、食事の提供に要する費用の支払の免除に関する事項)を変更する必要があると認めるときは、保護者と利用する施設に、変更後の事項を通知します(第9条第4項)。

園が受け取る通知は、保護者の届出を受けた市町村から出ます。園が保護者の事由を判定する立場にはありません。

市町村が認定を取り消せるのは、転居などの場合

法第24条は、市町村が認定を取り消すことができる場合を挙げています。

条文が明記しているのは、満3歳未満の区分に当たらなくなったときと、他の市町村へ居住地を移したときの2つで、そのほかは政令で定める場合です。

法第24条第1項が挙げる取消しの場合(確認日 2026-10-10)
場合条文の書き方
満3歳未満の区分に当たらなくなったとき認定の有効期間内に、満3歳未満の保育認定の区分に該当しなくなったとき
他の市町村に居住地を移したとき保護者が、有効期間内に、その市町村以外の市町村の区域内に居住地を有するに至ったと認めるとき
その他政令で定めるとき

転居した子どもの扱いを、この条文だけで決めない

第24条は、市町村が認定を取り消す場合を定めるもので、他の市町村へ転居した子どもが園に通い続けられるかどうかを定めるものではありません。通い続ける場合の費用の請求先などは、別の仕組みで決まります。

転居した子どもの受け入れは、記事「他の市町村の子どもを受け入れる保育所の委託費(地域区分・請求先・利用者負担額の決まり方)」を読み、自園の市町村にも確認します。

試算の前に、認定の状況を確かめる手順

在籍数を入力する前に、子どもごとの認定区分・保育必要量・有効期間を、市町村の通知と支給認定証で揃えます。

次の4段階で確認します。

  1. 子どもごとに、認定区分・保育必要量・有効期間を一覧にする

    市町村の通知や支給認定証の記載から、区分(2号・3号)、保育標準時間か保育短時間か、有効期間の終わりを書き出します。

  2. 満3歳に達する子どもを、時期ごとに洗い出す

    3号の有効期間は満3歳に達する日の前日までです。3歳を迎える子どもは、次の区分の通知が市町村から届いているかを確認します。

  3. 変更の通知が届いた月を記録する

    区分や保育必要量が変わった通知について、届いた日と変更の効力の日付を残します。公定価格をどの月から変えるかは、市町村の取扱いに従って決めます。

  4. 試算ツールに、月初時点の在籍数を入れる

    年度年齢・保育必要量ごとの月初在籍数を入力し、認定区分の変更前後の差を比べます。

よくある質問

認定の有効期間は、全員が同じ日に終わりますか。

同じにはなりません。

施行規則第8条は、区分と保護者の事由ごとに有効期間を定めています。3号は満3歳に達する日の前日までのため、子どもの誕生日で終わりが分かれます。個々の終了時期は、市町村の通知で確認します。

毎年の届出は、園が代わりに出すものですか。

施行規則第9条が届出の義務を課しているのは、保護者です。園の義務としては書かれていません。届出を受けて、市町村が必要に応じて園へ変更後の事項を通知します。

認定が変更されたとき、公定価格はいつから変わりますか。

この記事の条文からは、公定価格の適用月は読み取れません。認定区分が変わったときの適用月は、記事「保育標準時間・短時間は、園が推測せず認定区分を確認する」で整理しています。

この記事で、自園の子どもの認定が有効かを判定できますか。

できません。この記事は、法律と府令の定めを整理したものです。個々の認定の有効性や変更の要否は、市町村が判断します。

認定区分と年齢区分の対応は、記事「保育所の公定価格の認定区分(2号・3号)と年齢区分の対応:1号の子どもとの違い」で、月の途中で入園・退園したときの計算は、記事「月途中の入園・退園時の公定価格の計算方法」で整理しています。

公定価格を試算する

試算ツールは、年齢別・保育必要量別の在籍数から基本分を出します。認定の有効期間や届出の状況は入力せず、市町村の通知と支給認定証で確かめます。

認定区分が変わった月の公定価格を試算する

ほかの記事の確認事項・よくある質問の一覧

  • 試算前の確認事項の一覧

    この記事の「つまずきやすい確認事項」2件を、ほかの記事の確認事項と対処とあわせて見られます。

この記事が参照した一次資料

ほかの解説

  • 公定価格とは・決まり方:保育所の計算方法と基本分単価の内訳

    保育園の公定価格の決まり方を解説。公定価格とは、特定教育・保育等に要する費用の額で、保護者の保育料とは別の施設側の総額です。基本分単価の内訳は地域区分・定員区分・年齢区分・保育必要量の4つで決まります。計算は基本分単価・加算・減算・園児数の4手順で、試算画面の入力欄も確認できます(子ども・子育て支援法第27条第3項)。

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