解説

保育所の業務の質の評価(自己評価の義務と外部評価・結果の公表の努力義務)

保育所は、自ら保育の質の評価を行い改善を図ることが義務で、定期的に外部の評価を受けて結果を公表することは努力義務です。児童福祉施設の設備及び運営に関する基準の第36条の2と、特定教育・保育施設の運営基準の第16条を対比し、評価者の範囲の違い、条例での位置づけ、第三者評価受審加算との関係を整理します。

自己評価は義務、外部評価の受審と公表は努力義務

児童福祉施設の設備及び運営に関する基準の第36条の2は、保育所に、自ら業務の質の評価を行い、常に改善を図ることを求めています。これは義務の書き方です。

同じ条の第2項は、定期的に外部の者による評価を受け、その結果を公表し、常に改善を図るよう努めることを求めています。こちらは努力義務の書き方です。

第36条の2の2つの項(確認日 2026-10-13)
項求めていること書き方
第1項児童福祉法第39条の業務の質の評価を自ら行い、常に改善を図る義務
第2項定期的に外部の者による評価を受け、結果を公表し、常に改善を図る努力義務

第1項にある「法第39条に規定する業務」は、保育を必要とする乳児・幼児を日々保護者の下から通わせて保育を行うことです。

運営基準の第16条は、評価する人の範囲が少し広い

特定教育・保育施設の運営基準の第16条にも、同じ趣旨の定めがあります。

第1項は、特定教育・保育の質の評価を自ら行い、常に改善を図ることを義務としています。

第2項は、定期的に、施設を利用する保護者などの関係者(職員を除く)による評価、または外部の者による評価を受け、結果を公表し、常に改善を図るよう努めることを求めています。

2つの省令の対応する条文(確認日 2026-10-13)
比べる点児童福祉施設の基準 第36条の2運営基準 第16条
自己評価義務(第1項)義務(第1項)
受ける評価の相手外部の者による評価施設の関係者(職員を除く)による評価、または外部の者による評価
結果の公表と改善努力義務(第2項)努力義務(第2項)

運営基準の第1条第2号が、市町村が条例を定めるときに従うべき基準として挙げる条に、第16条は入っていません。児童福祉施設の基準の第1条も、従うべき基準の列挙に第36条の2を挙げていません。条例の書き方は、所轄の自治体で確認してください。

第三者評価受審加算は、公定価格の加算で、基準の義務とは別の話

第36条の2は児童福祉施設の基準、第16条は特定教育・保育施設の運営基準に置かれた運営の基準です。第三者評価受審加算は、条件を満たした施設の公定価格に上乗せする加算で、根拠も目的も別です。

外部評価を受けて結果を公表していても、加算の対象になるとは限りません。加算は市町村の認定を前提にします。

加算の対象施設と3月分の試算の考え方は、第三者評価受審加算は3月分を利用子ども数で試算で整理しています。

「評価を受けた」ことと「加算を取れる」ことを同じに扱わない

基準の努力義務としての外部評価の受審と、加算の認定は、見る資料が違います。

基準の確認は条例と指導監査の資料で、加算は市町村の認定通知で、それぞれ確かめます。

確認の順序

自己評価の記録、外部評価の受審歴、公表の方法、改善の記録の順に確かめます。

  1. 自己評価を行い、記録に残しているか確かめる

    第1項は義務なので、実施の有無が先に問われます。評価の項目と実施の時期を見ます。

  2. 外部の者による評価を受けた経緯があるか確かめる

    第2項は努力義務です。受けていない場合も、受ける予定や検討の経過を説明できるようにします。

  3. 結果を公表しているか、公表の方法を確かめる

    公表の媒体と時期を、園の運営規程や掲示の資料と合わせて見ます。

  4. 評価の結果から改善した点を、記録で追えるか確かめる

    第1項・第2項ともに「常に改善を図る」が書かれています。

運営規程と重要事項の掲示・インターネット公表は保育所の運営規程と重要事項の説明・掲示で、指導監査で見られる項目は指導監査の確認表で整理しています。

この記事・試算で扱わないこと

この記事は省令の条文の説明で、個々の園の評価の内容や方法が基準を満たしているかの判定は行いません。

評価の様式や受審先は、所轄の自治体に確認してください。

試算ツールは、運営基準を満たすかどうかの判定を対象にしていません。

よくある質問

保育所の自己評価は、義務ですか。

義務の書き方です。児童福祉施設の基準の第36条の2第1項は、保育所が自ら業務の質の評価を行い、常に改善を図らなければならないと定めています。

外部の評価を受けないと、基準違反になりますか。

第36条の2第2項は、外部の評価を受け、結果を公表し、改善を図るよう努めることを求める努力義務の書き方です。条例の定めと運用は、所轄の自治体で確認してください。

運営基準の第16条と、児童福祉施設の基準の第36条の2は、何が違いますか。

自己評価の義務は同じです。外部の評価について、運営基準の第16条第2項は、保護者などの関係者による評価または外部の者による評価と書き、児童福祉施設の基準の第36条の2第2項は外部の者による評価と書いています。

第三者評価を受ければ、第三者評価受審加算がもらえますか。

加算は市町村の認定を前提とします。基準の努力義務とは別の仕組みなので、認定通知で対象かどうかを確かめます。

この試算ツールで、評価の義務を確認できますか。

できません。この試算は公定価格(委託費)の算定に特化しており、運営基準を満たすかどうかの判定は対象外です。

自園の条件で試算する

所在地・定員・年齢別の園児数を入力すると、公定価格(委託費)を試算します。

結果には計算過程、使った告示・通知、確認日、そしてこの試算に含まれていないことも表示されます。

公定価格の試算を開く

ほかの記事の確認事項・よくある質問の一覧

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