解説

保育所の健康診断(入所時・年2回以上の定期・臨時)と嘱託医の条件

保育所の長は、入所した子どもに入所時・年2回以上の定期・臨時の健康診断を行います。児童福祉施設の設備及び運営に関する基準の第12条・第32条・第33条と保育所保育指針の解説から、健康診断の種類、他で受けた健診で代えられる場合、嘱託医・医務室・調理員が必要になる条件を整理します。

健康診断は、保育所の長が入所時・定期・臨時の3種類を行う

児童福祉施設の設備及び運営に関する基準の第12条第1項は、児童福祉施設の長に、入所した者への健康診断を求めています。

保育所はこの条の対象です。

健康診断は、学校保健安全法に規定する健康診断に準じて行うとされています。

保育所の子どもの健康診断(児童福祉施設の設備及び運営に関する基準 第12条第1項、確認日 2026-10-13)
種類条文の書き方確認すること
入所時入所時の健康診断入所した時点で行う。児童相談所等の入所前の健診や乳幼児健診で代えられる場合は次の節
定期少なくとも一年に二回の定期健康診断回数は年2回が下限。年間の予定を保健計画に入れる
臨時臨時の健康診断条文は「臨時の健康診断」とだけ書いている。行う場面は嘱託医と自治体の指導で確認する

保育所保育指針の解説は、健康診断では身長・体重、栄養状態、脊柱・胸郭の疾病や異常の有無、四肢の状態などを見るとしています。歯科健診も計画的に行い、結果を記録して保護者に伝えるとしています。実際の項目と実施日は、嘱託医と自治体の指導に従って決めます。

他で受けた健診は、条件が合えば代えられる。結果は園長が把握する

第12条第2項は、別の健康診断や健康診査が行われ、それが園の健康診断に相当すると認められるとき、園の健康診断の全部または一部を行わなくてよいとしています。

この場合も、園の長は、その健診の結果を把握しなければなりません。

「受診済みだから何もしなくてよい」ではなく、結果を受け取って把握することが条件です。

園の健康診断に代えられる健診(第12条第2項の表、確認日 2026-10-13)
行われた健診代えられる園の健診
児童相談所等における、入所前の健康診断入所した児童に対する入所時の健康診断
児童が通学する学校における健康診断定期の健康診断、臨時の健康診断
乳幼児に対する健康診査(母子保健法第12条・第13条)入所した乳幼児に対する入所時・定期・臨時の健康診断

代えられるかどうかは、「相当すると認められるとき」で決まる

表の組み合わせであっても、相当すると認められなければ代えられません。乳幼児健診の項目や時期が園の健診の代わりになるかは、条文だけでは決まりません。

代える運用を考えるときは、嘱託医と所轄の自治体に、どの健診をどの範囲で代えてよいか確認します。

健診をした医師は、結果を母子健康手帳または入所した者の健康を記録する表に記入します(第12条第3項)。

保育所保育指針は、結果を記録して保育に活用し、保護者が子どもの状態を理解して日常生活に活用できるようにすることを求めています。

嘱託医と調理員は置く。医務室は年齢で必要かどうかが決まる

第33条第1項は、保育所に保育士、嘱託医、調理員を置くことを求めています。

ただし書きで、調理業務の全部を委託する施設は、調理員を置かないことができるとされています。

保育所保育指針は、嘱託医等により定期的に健康診断を行うとしています。解説も、健康状態の把握は嘱託医と嘱託歯科医による定期的な健康診断に、保育士等による日々の観察などを加えて総合的に行うとしています。

配置・設備の条文(児童福祉施設の設備及び運営に関する基準、確認日 2026-10-13)
項目条文必要になる条件
嘱託医第33条第1項すべての保育所
調理員第33条第1項調理業務の全部を委託する施設は置かないことができる
医務室第32条第1号乳児または満2歳に満たない幼児を入所させる保育所
調理室・便所第32条第1号・第5号乳児・満2歳未満を入所させる保育所、満2歳以上を入所させる保育所のどちらも

職員の健康診断では、とくに入所している者の食事を調理する者に綿密な注意を払うことが求められています(第12条第4項)。

衛生管理について、第10条第5項は、必要な医薬品その他の医療品を備え、管理を適正に行うことを求めています。

公定価格との関係は、嘱託医の費用が基本分単価に含まれること

嘱託医・嘱託歯科医は、基本分単価に含まれる職員として留意事項通知に挙げられています。

挙げられているのは職員の配置で、健康診断の費用そのものの単価を、この記事で示すことはしません。

基本分単価に含まれる職員の全体は、保育所の基本分単価に含まれる職員で整理しています。

確認の順序

健診の回数、入所時の健診の方法、結果の記録、職員と設備の順に確かめます。

  1. 園の年間予定に、定期健康診断が年2回以上入っているか確かめる

    定期の健康診断が年2回に満たない場合は、日程を足します。歯科健診も計画に入れます。

  2. 入所時の健診を、どの方法で行ったかを子ども別に確かめる

    入所前の健診結果や乳幼児健診で代える場合は、結果を園が受け取り把握した記録を残します。

  3. 結果の記録と保護者への連絡を確かめる

    健診をした医師の記入、園の記録、保護者への連絡の3つが残っているかを見ます。

  4. 嘱託医・調理員・医務室を、入所させている年齢と調理の委託状況で確かめる

    乳児・2歳未満を入所させていれば医務室が必要です。調理員を置かない場合は、調理業務の全部を委託しているかを確かめます。

この記事・試算で扱わないこと

この記事は省令と指針解説の説明で、個別の園が基準を満たしているかの判定や、健診の具体的な項目・日程の助言は行いません。

実際の基準は、都道府県等の条例と所轄の自治体の指導で確認します。

試算ツールも、設備や健診の基準を満たすかどうかの判定は対象外です。

よくある質問

保育所の健康診断は、何回行えばよいですか。

第12条第1項は、入所時の健康診断、少なくとも年2回の定期健康診断、臨時の健康診断を求めています。ほかの健診で代えられる場合は、第2項の条件を確認してください。

乳幼児健診を受けていれば、園の健診は不要ですか。

第12条第2項は、乳幼児に対する健康診査が園の健診に相当すると認められるとき、全部または一部を行わなくてよいとしています。ただし、園の長が結果を把握することが条件です。相当するかどうかは嘱託医と自治体に確認してください。

給食を外部の業者に任せていれば、調理員は置かなくてよいですか。

第33条第1項のただし書きは、調理業務の全部を委託する施設が調理員を置かないことができるとしています。一部だけの委託や、食事の搬入を受ける場合の扱いは、別の条文と通知で決まるため、給食の外部搬入と調理員を確認してください。

3歳以上の子どもだけを預かる保育所にも、医務室は必要ですか。

第32条第1号が医務室を挙げているのは、乳児または満2歳に満たない幼児を入所させる保育所です。満2歳以上の幼児を入所させる保育所について定める第5号には、医務室は挙がっていません。ただし条例に別の定めがないかは、所轄の自治体で確認してください。

この試算ツールで、健康診断や嘱託医の基準を確認できますか。

できません。この試算は公定価格(委託費)の算定に特化しており、健診や配置の基準そのものの判定は対象外です。

自園の条件で試算する

所在地・定員・年齢別の園児数を入力すると、公定価格(委託費)を試算します。

結果には計算過程、使った告示・通知、確認日、そしてこの試算に含まれていないことも表示されます。

公定価格の試算を開く

設備の基準は保育所の面積基準(乳児室・ほふく室・保育室)と利用定員を決める順序と保育所の屋外遊戯場(園庭)の面積基準で、監査での確認項目は指導監査の確認表で整理しています。

ほかの記事の確認事項・よくある質問の一覧

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    この記事の「つまずきやすい確認事項」1件を、ほかの記事の確認事項と対処とあわせて見られます。

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