解説

保育所における自己評価ガイドライン(2020年改訂版)の構成

保育所の自己評価の手引きである「保育所における自己評価ガイドライン(2020年改訂版)」について、改訂の経緯、保育士等による自己評価と保育所による自己評価の違い、結果の公表の位置づけ、全体の構成を、ガイドラインの概要資料と本文の前書き・目次・第5章の冒頭に沿って整理します。

保育所保育指針に基づく自己評価の基本を示す手引き

「保育所における自己評価ガイドライン(2020年改訂版)」は、2020(令和2)年3月に当時の厚生労働省子ども家庭局保育課長の名で示されました。

概要資料は目的を、保育所保育指針に基づき、保育内容等の評価による保育の改善に資するよう、保育所保育の特性を踏まえた自己評価の基本を示すものと書いています。

各保育所が保育内容等の評価に取り組むときに活用するものとされています。

ガイドラインは手引きで、自己評価の義務そのものの根拠は、保育所保育指針や児童福祉施設の基準にあり、ガイドライン自体ではありません。義務と外部評価の位置づけは、保育所の業務の質の評価(自己評価の義務と外部評価・結果の公表の努力義務)で整理しています。

改訂の経緯(2018年の検討会から2020年3月まで)

ガイドラインの前書きは、改訂の経緯を順に書いています。

2018(平成30)年5月から厚生労働省子ども家庭局で「保育所等における保育の質の確保・向上に関する検討会」が開かれ、同年9月の「中間的な論点の整理」で「振り返りを通じた質の確保・向上」が検討課題に位置づけられました。

これを受け、各現場の保育内容等の評価が、保育の改善や組織としての機能強化により実効性のあるものになるよう、改訂が行われました。

改訂の進め方も書かれています。

検討会の作業チームが、自己評価の実態調査の結果にも留意しつつ試案を作成し、現場での試行検証と検討会の議論を踏まえて加筆修正して確定した、という流れです。

保育士等の自己評価と保育所の自己評価は別の章

ガイドラインは、自己評価を2つの層に分けています。

保育士等が自分の保育の計画と実践について行う評価は第2章、保育所が全職員の共通理解の下で組織として行う評価は第3章に書かれています。

概要資料は、前者を「子どもの理解を踏まえ自らの保育の計画と実践について行う評価」、後者を「全職員の共通理解の下で組織として取り組む自己評価」と説明しています。

2つの自己評価の流れ(概要資料・目次による)
項目保育士等による自己評価(第2章)保育所による自己評価(第3章)
主体保育士等保育所(全職員の共通理解の下での組織的な取組)
流れ保育士等が行う自己評価の流れ、保育における子どもの理解、保育の計画と実践の振り返り、保育の改善・充実に向けた検討保育所が組織として行う自己評価の流れ、評価の観点・項目の設定、現状・課題の把握と共有、保育の改善・充実に向けた検討

第4章は、この2つをつなぐ章です。

概要資料によると、保育士等の自己評価とそれを踏まえた保育所の自己評価の取組の進め方、効果的・効率的な評価のための留意や工夫が書かれています。

目次には、保育の記録とその活用、保育所における取組の進め方、自己評価の方法とその特徴、自己評価に当たって考慮すべき事項の4つが並びます。

結果の公表(第5章)と別添の観点の例

第5章は、自己評価の結果の公表を扱っています。

本文は、結果を外部に公表することを、保育所が社会的責任を果たすうえで重要な取組と位置づけています。

本文は、評価の結果を公表して様々な人から意見を聞くことを、次の保育に向かう過程の一環に位置づけています。

目次では、公表する意義、公表方法、公表に当たって留意すべき事項の3つの節に分かれています。

巻末の別添には、「保育内容等の自己評価の観点(例)」と関係法令等が付いています。

観点の具体的な中身は、この記事には転記しません。自園で評価の観点・項目を設定するときは、ガイドラインの別添を参考にします。

よくある質問

ガイドラインは、自己評価の義務を定めたものですか。

ガイドラインは、保育所保育指針に基づく自己評価の基本を示す手引きで、概要資料も各保育所が評価に取り組む際に「活用する」ものと書いています。義務の有無と根拠は、この記事では扱いません。保育所の業務の質の評価を参照し、自園への適用は所轄の市区町村に確認してください。

保育士等の自己評価だけで足りますか。

ガイドラインは、保育士等による自己評価と、保育所が組織として行う自己評価を、どちらも保育所保育指針に基づく保育内容等の評価として別の章に分けて示しています。保育士等の自己評価を踏まえて保育所の自己評価につなげる進め方は、第4章に書かれています。自園での具体的な進め方は、所轄の市区町村に確認してください。

自己評価は公定価格の試算に関係しますか。

ガイドラインは公定価格には触れていません。この試算ツールは公定価格(委託費)の算定のみを行い、自己評価の取組は試算に含めていません。第三者評価の受審に関する加算は、第三者評価受審加算の試算(3月分・利用子ども数)で整理しています。

自園の条件で試算する

所在地・定員・年齢別の園児数を入力すると、公定価格(委託費)を試算します。

結果には計算過程、使った告示・通知、確認日、そしてこの試算に含まれていない項目を必ず表示します。

公定価格の試算を開く

この記事は、ガイドラインの概要資料と、本文の前書き・目次・構成図・第5章の冒頭に書かれた範囲だけを扱い、各章の細かい内容は転記していません。ガイドラインのその後の改訂の有無は確認していません。

次に知りたいこと:保育所の業務の質の評価(自己評価の義務と外部評価・結果の公表の努力義務)、保育士の一斉退職防止に向けた職場環境の改善(令和6年4月17日の事務連絡の内容)、第三者評価受審加算の試算(3月分・利用子ども数)

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