解説

保育は園の職員で行う原則と、勤務体制・研修の確保(運営基準第21条の3つの項)

確認を受けた保育所は、職員の勤務体制を定め、園の職員によって保育を提供し、研修の機会を確保しなければなりません。内閣府令第21条の3つの項と、「直接影響を及ぼさない業務」のただし書き、小規模保育の第47条との違いを、条文の所在つきで整理します。

この記事が答えること:第21条の3つの義務

内閣府令(特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業並びに特定子ども・子育て支援施設等の運営に関する基準)の第21条は、特定教育・保育施設の勤務体制の確保等を定めます。

第21条は3つの項から成り、勤務体制を定めること、園の職員によって提供すること、研修の機会を確保することを求めています。

この記事は、3つの項を条文の順に並べ、第2項のただし書きの読み方と、小規模保育などの第47条との違いを整理します。

この記事は、条文に書かれていることだけを整理します。条文に範囲の書かれていない点は、所在地の市町村への確認が必要です。個別の園の業務の分け方が基準に合うかの判断は、この記事ではしません。

第21条の3つの項

3つの項は、体制を定める、園の職員で行う、研修を確保する、の順に並んでいます。条文の言い方は次の表のとおりです。

第21条の各項(特定教育・保育施設)
項求めていること条文の言い方
第1項職員の勤務の体制を定めておく適切な特定教育・保育を提供できるよう、職員の勤務の体制を定めておかなければならない
第2項園の職員によって提供する当該特定教育・保育施設の職員によって特定教育・保育を提供しなければならない。ただし、提供に直接影響を及ぼさない業務はこの限りでない
第3項研修の機会を確保する職員の資質の向上のために、その研修の機会を確保しなければならない

第1項は、勤務の体制を定めておくことを求めますが、体制の中身(シフトの組み方や人数)は書いていません。

職員の職種・員数・職務の内容は、第20条第3号により運営規程の記載事項です。運営規程と重要事項の説明は運営規程と重要事項の説明の記事で整理しています。

第2項のただし書き:直接影響を及ぼさない業務

第2項は、特定教育・保育を園の職員によって提供することを原則とします。

ただし書きで除かれるのは、子どもへの特定教育・保育の提供に直接影響を及ぼさない業務です。

どの業務がそれに当たるかは、条文には書かれていません。この記事も、特定の業務が当たる、当たらないとは判断しません。

園の外に任せる方法が、別の条で定められている業務がある

給食の調理を園の外で行って搬入する方法は、児童福祉施設の設備及び運営に関する基準の第32条の2が、満3歳以上の幼児について要件つきで定めています。要件には、食事の提供の責任が保育所にあることや、調理業務の受託者の能力の確保が含まれます。第21条第2項のただし書きと、第32条の2は、別々の条文です。

調理の搬入や委託を考えるときは、第32条の2の要件を確かめる。設備基準と公定価格の扱いは給食の外部搬入の記事で整理している。

小規模保育は第47条:事業所ごとに定める

小規模保育や家庭的保育などの特定地域型保育事業者には、第47条が同じ3項の構成で適用されます。

違いは、勤務の体制を定めることも、職員によって提供することも、特定地域型保育事業所ごとに求められる点です。保育所向けの第21条には、この「事業所ごと」の文言がありません。

条例では参酌すべき基準にあたる

市町村は、条例で特定教育・保育施設の運営基準を定めます(子ども・子育て支援法第34条第2項・第3項)。

内閣府令の第1条が、条例を定めるときに従うべき基準として列挙する条に、第21条は入っていません。第21条は参酌すべき基準にあたり、市町村の条例の書き方は内閣府令と同じとは限りません。

この記事は、個別の市町村の条例までは調べていません。

第21条を確かめる手順

確認は、運営規程、勤務の体制、研修の記録の3つを、条の順に並べて行います。

  1. 勤務の体制を書面で確かめる

    シフト表や勤務割の決め方など、勤務の体制を定めたものが園にあるかを確かめます。

  2. 園の外に任せている業務を書き出す

    調理、清掃、事務など、園の職員以外が行っている業務を書き出し、子どもへの保育の提供に直接影響するかを整理します。

  3. 条文に範囲のない業務は市町村に確認する

    直接影響を及ぼさない業務に当たるか判断できない業務は、所在地の市町村に確認し、回答を記録します。

  4. 研修の機会を記録で確かめる

    研修の案内や参加の記録が残っているかを確かめます。研修の考え方は職員の一般的要件と研修の機会の記事で整理しています。

  5. 市町村の条例の文言を確かめる

    所在地の市町村の運営基準の条例で、勤務体制の確保等の条の文言を確かめます。

よくある質問

派遣の職員に保育を任せることは、第21条第2項に違反しますか。

第21条第2項の条文には、派遣の職員についての定めはありません。条文だけでは、派遣の職員がここでいう園の職員に当たるかは分かりません。所在地の市町村に確認してください。

給食の調理を委託してよいかは、第21条で決まりますか。

第21条第2項は、どの業務がただし書きに当たるかを書いていません。調理を園の外で行って搬入する方法は、児童福祉施設の設備及び運営に関する基準の第32条の2に、要件つきの定めがあります。

第21条の研修と、児童福祉施設の基準の研修は同じですか。

どちらも研修の機会の確保を求めますが、別の基準の条です。第21条第3項は内閣府令、保育所の職員の研修は児童福祉施設の設備及び運営に関する基準の第7条の2第2項にあたります。

試算ツールで公定価格を見積もる前に

確認した職員体制を前提に、利用定員と年齢別の人数を入力して、公定価格をモデル計算します。業務の分け方が基準に合うかの判定はしません。

公定価格の試算結果を見る

試算結果は、基準への適合や給付の支給を保証するものではありません。次に知りたいこと:運営規程と重要事項の説明、職員の一般的要件と研修の機会、給食の外部搬入と調理員の扱い。

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