解説

事業所内保育事業の基準(利用定員20人以上は保育所型、19人以下は小規模型)

事業所内保育事業は、利用定員が20人以上なら保育所型、19人以下なら小規模型として基準が分かれます。家庭的保育事業等の基準の第42条から第48条で、設備の面積、保育士の数、連携施設の特例を整理し、保育所や小規模保育との違いと条例の確認先を示します。

利用定員が20人以上なら保育所型、19人以下なら小規模型

事業所内保育事業の基準は、利用定員が20人以上の保育所型と、19人以下の小規模型で分かれます。

家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準(以下「家庭的保育事業等基準」といいます)は、第43条で、利用定員が20人以上のものを保育所型事業所内保育事業として設備の基準を定めています。

第47条は、利用定員が19人以下のものを小規模型事業所内保育事業として職員の基準を定めています。

小規模型の設備は、第48条が第28条(小規模保育事業A型の設備の基準)を準用します。

事業所内保育事業の2つの区分(確認日 2026-10-15)
項目保育所型(利用定員20人以上)小規模型(利用定員19人以下)
設備の条文第43条第48条が準用する第28条(A型)
職員の条文第44条第47条
数える職員保育士保育従事者(保育士その他、市町村長が行う研修を修了した者)。半数以上は保育士
保育士・保育従事者の数年齢ごとの人数の合計数以上。1事業所につき2人を下回れない年齢ごとの人数の合計数に1を加えた数以上

小規模型と同じ型の考え方を使う小規模保育事業の保育士や保育従事者の数は、小規模保育事業A型・B型・C型の職員配置で整理しています。

保育所型の保育士の数は、保育所と同じ4つの年齢区分で数える

保育所型事業所内保育事業所の保育士の数は、乳児おおむね3人につき1人、満1歳以上満3歳に満たない幼児おおむね6人につき1人、満3歳以上満4歳に満たない児童おおむね15人につき1人、満4歳以上の児童おおむね25人につき1人の合計数以上です(第44条第2項)。

ただし、1事業所につき2人を下回ることはできません。

満3歳以上の児童の欄は、児童福祉法第6条の3第12項第2号の規定に基づき受け入れる場合に限ります。

保育所の保育士の数の定め(児童福祉施設の設備及び運営に関する基準の第33条第2項)と同じ比率です。

看護師等と特定理学療法士等は、それぞれ1人に限り保育士とみなせます(第44条第3項・第4項)。

小規模型は、年齢ごとの人数で出した合計数に1を加えた数以上の保育従事者を置き、そのうち半数以上は保育士です(第47条第2項)。

仮の数字で考えます。小規模型で、乳児6人と満1歳以上満3歳に満たない幼児6人を保育する場合、6÷3=2人、6÷6=1人で合計3人、1を加えて4人以上の保育従事者が必要で、うち2人以上は保育士です。実際の施設の人数ではなく、条文の計算の考え方を示す例です。

小規模型の「1を加える」を、保育所型の「最低2人」と同じ意味にしない

保育所型は、年齢ごとの合計数が少なくても1事業所につき2人を下回れない定めです。小規模型は、年齢ごとの合計数に1を加えた数以上で、そのうち半数以上を保育士にする定めで、数え方が違います。

保育所型か小規模型かを利用定員で決めたうえで、第44条(保育所型)と第47条(小規模型)のどちらの条文かを分けて読みます。

設備。保育所型は保育所に近く、小規模型は小規模保育事業A型と同じ面積

保育所型の乳児室は乳児または満2歳に満たない幼児1人につき1.65平方メートル以上、ほふく室は3.3平方メートル以上、満2歳以上の幼児の保育室または遊戯室は1.98平方メートル以上、屋外遊戯場は3.3平方メートル以上です(第43条第2号・第3号・第6号)。

乳児または満2歳に満たない幼児を入所させる場合は、乳児室またはほふく室、医務室、調理室、便所を設けます(第43条第1号)。

これらは、保育所の面積と同じ数値です。

小規模型は第28条の準用で、乳児室またはほふく室を乳児または満2歳に満たない幼児1人につき3.3平方メートル以上、保育室または遊戯室を満2歳以上の幼児1人につき1.98平方メートル以上、屋外遊戯場を3.3平方メートル以上とします。

事業所内保育事業の面積基準(乳幼児1人あたり。確認日 2026-10-15)
部屋保育所型(第43条)小規模型(第28条を準用)
乳児室1.65平方メートル以上乳児室またはほふく室として3.3平方メートル以上
ほふく室3.3平方メートル以上同上
保育室または遊戯室(満2歳以上)1.98平方メートル以上1.98平方メートル以上
屋外遊戯場(満2歳以上)3.3平方メートル以上3.3平方メートル以上

調理室は、事業主が事業場に附属して設置する炊事場を含む書き方です(第43条第1号。小規模型は第48条で第28条第1号の調理設備に同じ文言を加えています)。

2階以上に保育室等を設ける建物の要件も定められています(第43条第8号、第28条第7号)。

保育所の同じ要件は、保育所を2階・3階以上に設ける建築要件で確認できます。

保育所型は、保育内容の支援と代替保育の連携協力を求めなくてよい

保育所型事業所内保育事業を行う者は、連携施設の確保にあたって、保育内容の支援と代替保育の連携協力(第6条第1項第1号・第2号)を求めることを要しません(第45条第1項)。

家庭的保育事業や小規模保育事業に求められる連携施設の確保のうち、この2つが保育所型では免除される書き方です。

児童福祉法第6条の3第12項第2号の事業を行う保育所型事業者のうち、市町村長が適当と認めるものは、連携施設の確保をしないことができます(第45条第2項)。

3歳以降の受け入れの給付の扱いは、事業所内保育事業を3歳以降も利用するときの給付(特例給付の根拠と市町村の判断)で確認できます。

利用定員のうち、地域の子どもの枠は市町村が定める

事業所内保育事業者は、利用定員の区分に応じて、従業員の子ども以外の乳幼児(その他の乳児または幼児)の数を踏まえて市町村が定める乳幼児数以上の定員枠を設けなければなりません(第42条)。

従業員の子どもの枠のほかに、従業員の子ども以外の乳幼児の枠を設ける定めです。

この枠の人数は、条文の表の区分と市町村の定めによるため、この記事では数値を載せません。事業を行う市町村に確認してください。

実際に適用されるのは市町村の条例。職員の基準は「従うべき基準」

児童福祉法第34条の16により、市町村が家庭的保育事業等の設備と運営の基準を条例で定めます。

家庭的保育事業等基準の第1条は、条例が従うべき基準として、第44条(保育所型の職員)、第47条(小規模型の職員)、第45条(連携施設の特例)、第43条第1号・第5号の調理室に係る部分などを挙げています。

保育士や保育従事者の数は従うべき基準にあたり、面積や第42条の定員枠の設け方は列挙に含まれていないため参酌すべき基準にあたります。

面積の数値は、市町村の条例の内容を確認する必要がある部分です。

省令の数値を、施設に適用される基準と決めつけない

省令の面積や人数を見ただけで、必要な設備や認可の可否を判断すると、市町村との相談で前提がずれます。

事業を行う市町村の条例と、事業の認可の担当課の案内を確認します。条文番号と施行日を控えます。

よくある質問

事業所内保育事業の保育所型と小規模型は、何で分かれますか。

利用定員で分かれ、20人以上が保育所型、19人以下が小規模型です(第43条、第47条)。職員の数え方と、設備の根拠の条文が違います。

保育所型の保育士の数は、保育所と同じですか。

年齢ごとの比率は同じです。乳児3人に1人、満1歳以上満3歳に満たない幼児6人に1人、満3歳以上満4歳に満たない児童15人に1人、満4歳以上の児童25人に1人で、1事業所につき2人を下回れません(第44条第2項、保育所は第33条第2項)。

小規模型の保育従事者は、全員が保育士でなければなりませんか。

全員ではありません。保育従事者は、保育士その他、市町村長が行う研修を修了した者で、そのうち半数以上が保育士です(第47条第2項)。

小規模型の面積は、小規模保育事業と同じですか。

小規模型は第28条(A型)を準用するため、A型と同じ面積です(第48条)。

この試算で、設備基準を満たすか判定できますか。

判定できません。この試算は公定価格のモデル計算で、設備基準の適合や認可の可否は扱いません。所管の市町村へ確認してください。

関連する記事

次に確認するなら、同じ省令の小規模保育事業と家庭的保育事業、保育所の面積の基準です。

小規模保育事業の設備は、小規模保育事業の設備基準(乳児室・ほふく室・保育室・屋外遊戯場の面積)を保育所と比べるで確認できます。

家庭的保育事業と居宅訪問型保育事業は、家庭的保育事業と居宅訪問型保育事業の基準(専用の部屋の面積・保育する乳幼児の数・連携施設)で整理しています。

保育所の面積は、保育所の面積基準(乳児室・ほふく室・保育室)と利用定員を決める順序で確認できます。

認可保育所の公定価格を試算する

この試算が扱うのは認可保育所です。事業所内保育事業の給付額や、設備基準の適合は試算結果に含まれません。

認可保育所の公定価格を試算する

ほかの記事の確認事項・よくある質問の一覧

  • 試算前の確認事項の一覧

    この記事の「つまずきやすい確認事項」2件を、ほかの記事の確認事項と対処とあわせて見られます。

この記事が参照した一次資料

ほかの解説

  • 公定価格とは・決まり方:保育所の計算方法と基本分単価の内訳

    保育園の公定価格の決まり方を解説。公定価格とは、特定教育・保育等に要する費用の額で、保護者の保育料とは別の施設側の総額です。基本分単価の内訳は地域区分・定員区分・年齢区分・保育必要量の4つで決まります。計算は基本分単価・加算・減算・園児数の4手順で、試算画面の入力欄も確認できます(子ども・子育て支援法第27条第3項)。

    関連する理由:

  • 家庭的保育事業と居宅訪問型保育事業の基準(部屋の面積・乳幼児の数・連携施設)

    家庭的保育事業は専用の部屋9.9平方メートル以上、家庭的保育者1人が保育できる乳幼児は3人以下(補助者がいれば5人以下)。居宅訪問型保育事業は1人です。家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準の第22条・第23条・第37条から第40条で整理し、小規模保育事業との違いと条例の確認先を示します。

    関連する理由: 共通する試算入力/共通する一次資料

  • 小規模保育事業の設備基準:ほふく室・乳児室は一人3.3平方メートル

    小規模保育事業A型・B型・C型の乳児室・ほふく室・保育室・屋外遊戯場の面積を、家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準の第28条・第33条で整理します。保育所(児童福祉施設の基準の第32条)とは、乳児室またはほふく室の面積とC型の保育室の面積が違います。実際の基準は市町村の条例に置かれます。

    関連する理由: 共通する試算入力/共通する一次資料

  • 保育室等を2階・3階以上に設ける保育所の建物要件(耐火・避難階段)

    保育所の乳児室・ほふく室・保育室・遊戯室を2階や3階以上に設けるときの建物の要件を、児童福祉施設の設備及び運営に関する基準の第32条第8号で整理します。2階と3階以上で求められる要件の違い、条例での扱い、公定価格の試算との関係を説明します。

    関連する理由: 共通する試算入力/共通する一次資料

「定員・在籍・利用開始の時期が変わるとき」の解説一覧へ