解説

保育所の食事の提供ガイドラインの統合先(令和7年9月のガイド)

保育所の食事の提供について国が示す手引きは、令和7年9月に「児童福祉施設等における食事の提供ガイド」へまとめ直されました。平成22年のガイドと平成24年の保育所向けガイドラインを統合したものです。ガイドと概要資料の原文に沿って、統合の中身、第1部・第2部の構成、自園調理と外部搬入の章、対象となる事業を整理します。

保育所向けガイドラインは令和7年のガイドに統合

こども家庭庁は、令和7年9月に「児童福祉施設等における食事の提供ガイド」を策定しました。

このガイドは、平成22年3月の「児童福祉施設における食事の提供ガイド」をもとに、平成24年3月の「保育所における食事の提供ガイドライン」の内容も統合して、全体を見直したものです。

概要資料には、前の2つのガイドが策定から10年以上たち、成育基本法(平成30年法律第104号)の制定や、食事・食生活を取り巻く環境の変化があったことが背景として書かれています。

こども家庭庁の保育のページでは、平成24年3月の「保育所における食事の提供ガイドライン」が「過去の保育所における食事の提供ガイドライン」として案内されています。このガイドは、食事提供の考え方や留意点、実践例を示す国の手引きです。自園で何をどこまで行うかは、所轄の市区町村に確認してください。

ガイドの構成(第1部は考え方、第2部は実践)

概要資料は、ガイドの主な内容を2つの部に分けて示しています。

第1部は食事提供のあり方(意義・役割、考え方、提供体制に応じた留意事項、非常時への備え)、第2部は食事提供の実践(取組事例)です。

ガイドの構成(概要資料と目次による)
部概要資料に書かれた内容目次の対応する章(一部)
第1部 食事の提供のあり方施設における食事の意義・役割、食事提供の考え方(こどもの状態に応じた食事提供、食物アレルギー対応、誤嚥予防の取組など)、食事の提供体制(自園調理・外部搬入等)に応じた留意事項、自然災害等の非常時への備え第3章 食事の提供体制に応じた留意事項(第1節 自園調理、第2節 外部搬入)、第4章 自然災害等の非常時への備え
第2部 食事提供の実践食事提供の取組事例。一人一人のこどもへの対応、多職種が連携した保護者支援などを記載第1章 保育所における取組み(食事の提供の意義・役割、「食を営む力」の育成としての実践例)

自園調理と外部搬入は、ガイドの別の節で書き分けられている

ガイドの第3章は、児童福祉施設(助産施設を除く)の食事の提供について、児童福祉施設の設備及び運営に関する基準では自園調理をすることが原則とされている、という説明から始まります。

ガイドの目次では、調理体制別の留意事項が2つの節に分かれています。

自園調理(外部委託を含む)で注意すべきことと、外部搬入を採用している施設で注意すべきことは、別の節に書かれています。

自園の調理体制がどちらかを先に確かめると、読む節を選べます。

保育所の食事の提供について、児童福祉施設の設備及び運営に関する基準が何を定めているかは、保育所の食事の提供(第11条):自園調理の原則と献立・栄養で整理しています。

外部搬入が認められる条件は給食を園外から搬入する保育所の設備基準と、公定価格の調理員の扱いを参照してください。

ガイドの対象は実務担当者で、保育所以外の事業での参照も望まれている

ガイドは、食事の提供の実務を担当する人を対象にしています。

施設長をはじめとするすべての職員の理解が望まれ、管理栄養士・栄養士がいるとは限らない施設については、自治体の児童福祉施設主管課がガイドを活用して援助・支援することが望まれると書かれています。

保育所だけでなく、家庭的保育事業、小規模保育事業、居宅訪問型保育事業、事業所内保育事業、乳児等通園支援事業(こども誰でも通園制度)などでも、食事の提供を行う場合には参照されることが望まれるとしています。

ガイドに書かれていることと、自園に義務づけられていることは別

ガイドは、食事提供の考え方や留意点、実践例を示す手引きです。ガイドの記載を、条例や基準で定められた義務と同じものとして扱うと、自園の対応を過大に、あるいは過小に見積もるおそれがあります。

義務かどうかは、都道府県等の条例と所轄の市区町村の指導で確認する。ガイドは、その運用を考えるときの参考として読む。

よくある質問

平成24年の「保育所における食事の提供ガイドライン」は、もう使えませんか。

こども家庭庁の保育のページでは、「過去の保育所における食事の提供ガイドライン」として案内されています。令和7年9月のガイドは、その内容を統合して見直したものです。自園の運用で何を参照するかは、所轄の市区町村に確認してください。

このガイドに従わないと、基準違反になりますか。

ガイドは考え方と実践例を示す手引きで、基準や条例そのものではありません。自園に何が求められるかは、所轄の市区町村に確認してください。

ガイドの内容は、公定価格の試算に関係しますか。

ガイドは公定価格を定めるものではありません。この試算ツールは公定価格(委託費)の算定のみを行い、食事の提供ガイドの内容は試算に含めていません。栄養管理に関する加算は、栄養管理加算の確認手順(栄養士の配置・兼務・嘱託の認定資料)で整理しています。

自園の条件で試算する

所在地・定員・年齢別の園児数を入力すると、公定価格(委託費)を試算します。

結果には計算過程、使った告示・通知、確認日、そしてこの試算に含まれていない項目を必ず表示します。

公定価格の試算を開く

この記事は、令和7年9月のガイド本文の「はじめに」と目次、同じ日付の概要資料に書かれた範囲だけを扱います。ガイドの各章の中身(献立、栄養量、調理室の衛生管理など)は転記していません。ガイドのその後の改訂の有無は確認していません。

次に知りたいこと:保育所の食事の提供(第11条):自園調理の原則と献立・栄養、給食を園外から搬入する保育所の設備基準と、公定価格の調理員の扱い、栄養管理加算の確認手順(栄養士の配置・兼務・嘱託の認定資料)

ほかの記事の確認事項・よくある質問の一覧

  • 試算前の確認事項の一覧

    この記事の「つまずきやすい確認事項」1件を、ほかの記事の確認事項と対処とあわせて見られます。

この記事が参照した一次資料

ほかの解説

  • 公定価格とは・決まり方:保育所の計算方法と基本分単価の内訳

    保育園の公定価格の決まり方を解説。公定価格とは、特定教育・保育等に要する費用の額で、保護者の保育料とは別の施設側の総額です。基本分単価の内訳は地域区分・定員区分・年齢区分・保育必要量の4つで決まります。計算は基本分単価・加算・減算・園児数の4手順で、試算画面の入力欄も確認できます(子ども・子育て支援法第27条第3項)。

    関連する理由:

  • 保育所の食育の計画の見直し(令和8年9月24日の通知と第5次食育推進基本計画)

    令和8年9月24日のこども家庭庁の通知は、第5次食育推進基本計画の決定を踏まえ、保育所と認定こども園で食育の計画の見直しや策定が進むよう、都道府県等に支援を求めています。通知の原文に沿って、計画の見直し、取組の推進、関係者との連携の3つの柱と、公定価格との関係を整理します。

    関連する理由: 共通する試算入力

  • 保育所の3歳未満児の健康診断は学校と同じ項目・方法か(令和7年9月16日の通知)

    保育所の健康診断は学校保健安全法の健康診断に「準じて」行うものです。令和7年9月16日のこども家庭庁等の通知は、3歳未満児について尿検査やランドルト環による視力検査などを求めなくてよいとし、乳幼児健康診査の結果で健康診断の全部または一部を行わないこともできるとしています。通知の原文に沿って、対象施設の違いと同意の要件まで整理します。

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  • 保育所が徴収する副食費は、社会福祉法人会計のどの科目に入れるか(公定価格FAQ No.148)

    無償化に伴い施設が徴収することになった副食費を、社会福祉法人会計基準の資金収支計算書と事業活動計算書でどの区分に計上するかを、公定価格に関するFAQ第32版のNo.148に沿って整理します。委託費収入とは別の科目になる点も説明します。

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