解説

保育体制強化加算と保育体制強化事業の違い(公定価格と別の補助事業)

「保育体制強化加算」は公定価格の算定基準に載っていません。保育体制強化事業は、保育支援者の配置費用を市町村が補助する国の事業で、公定価格とは別建てです。対象施設、保育支援者の業務、給付と重なる経費の扱いがわかります。

保育体制強化加算とは、保育体制強化事業とは(先に答え)

保育体制強化加算とは、令和8年度の公定価格の算定基準・留意事項通知・FAQ・運営費通知の本文で確認できなかった名称です。公定価格の加算としては載っていないため、試算に入れる項目にはなりません。

保育体制強化事業とは、保育士資格のない地域の人材(保育支援者)を保育の周辺業務に配置する費用の一部を、市町村が補助する国の事業です。公定価格とは別建てで、給付で経費が交付される場合は補助の対象になりません。

「保育体制強化加算」は、令和8年度の公定価格の算定基準に載っていない

令和8年度の公定価格の算定基準(こども家庭庁告示第9号の別表)、算定の留意事項通知、公定価格のFAQ、私立保育所の運営費通知の本文を確認したところ、「保育体制強化加算」という名称の加算は見つかりませんでした。

「保育体制強化」の語が出てくるのは、公定価格とは別の補助事業である保育体制強化事業です。

確認したのは令和8年度版の4資料です。過去の年度や自治体独自の上乗せ補助に同じ名前の制度がないかは、この記事では確認していません。園が受けている補助の名前は、所在市町村の要綱で確かめてください。

保育体制強化事業と公定価格の関係(別の補助事業)

保育体制強化事業は、国の「保育人材確保事業の実施について」の通知(別添6)が定める事業です。保育士資格のない地域の人材(保育支援者)を保育の周辺業務に配置し、保育士の負担を軽くして離職を防ぐことを目的に、配置の費用の一部を補助します。

公定価格に含まれる加算ではなく、市町村が実施する別建ての補助事業です。

公定価格の加算と保育体制強化事業の違い
項目公定価格の加算保育体制強化事業
性格施設型給付費・委託費に加算される額保育支援者の配置費用の一部を補助する事業
実施する主体加算の認定は施設の所在する市町村長市町村が認めた者(市町村は委託等もできる)
対象施設認可保育所・認定こども園など都道府県又は市町村以外の者が設置する保育所・幼保連携型認定こども園など(配置の種類で対象が分かれる)
費用の定め告示・通知の算定式国は別に定めるところにより補助する(通知に額の定めはない)

この記事は令和6年5月30日付の通知(別添6)の写しを根拠にしています。令和8年度の改訂の有無は国の原本で確認できていないため、実施の有無・補助の内容は所在市町村で当該年度の要綱を確認してください。

保育支援者は、保育士資格のない人が周辺業務を行う

通知は、保育支援者を「保育士資格を有しない者」とし、保育に係る周辺業務を行う者と定めています。

保育士の負担を軽くするための周辺業務に、地域の人材を活用する事業です。

  1. 対象になる周辺業務の例

    通知は、保育設備や遊具の消毒・清掃、給食の配膳・後片づけ、寝具の用意・後片づけ、外国人児童の保護者への通訳・翻訳、児童の園外活動時の見守り等、その他保育士の負担軽減に資する業務を挙げています。

  2. 実施計画書

    保育支援者を配置する保育所等は、市町村へ実施計画書を出します。保育支援者の業務で保育士の負担がどう軽くなるか、配置以外の雇用管理・勤務環境の改善の取組を書くことが通知で求められています。

  3. 園外活動の見守りとスポット支援員

    通知は、保育支援者の配置のほかに、園外活動時の見守り等と、登園時の繁忙な時間帯やプール活動時などに置くスポット支援員も、この事業の内容に含めています。対象施設の範囲は、配置の種類ごとに通知で書き分けられています。

保育補助者を新たに雇い上げる場合の対象施設、要件、給付との重複の扱いは、別の記事で確認できます。

保育補助者雇上強化事業の対象者と要件を確認する

給付で経費が交付される場合は、補助の対象にならない

通知の留意事項は、この事業に要する費用について、子ども・子育て支援法第11条の子どものための教育・保育給付やその他の補助事業により経費が交付される場合には、対象としないと定めています。

同じ経費を、公定価格と補助事業の両方で賄うことはできません。

どの加算・職員と重なるかは、通知に書かれていない

通知は、重ならないことを原則として示すだけで、特定の加算や職員区分との関係までは書いていません。保育支援者の人件費が、基本分単価や加算で見込まれている職員の人件費と重なるかどうかは、通知からは判断できません。

配置を検討するときは、所在市町村の担当課へ、自園の加算の認定状況と保育支援者の配置計画を示して、補助の対象になる範囲を確認してください。

公定価格の側で雇上げに関わる加算は、事務職員雇上費加算のように、市町村の認定と加算率で決まります。補助事業とは根拠も確認先も別です。

試算での扱い

この試算ツールは公定価格(施設型給付費・委託費)に特化しており、保育体制強化事業の補助額は試算の対象外です。補助事業の実施の有無・申請方法・補助の範囲は、この記事・試算では扱いません。

公定価格の側の加算は、市町村が認定した内容を入力して試算します。補助事業の収入を見込む場合は、公定価格の試算とは分けて、所在市町村の要綱で確認してください。

よくある質問

保育体制強化事業の補助は、公定価格の加算に含まれますか。

含まれません。公定価格とは別建てで、市町村が実施する補助事業です。実施の有無や補助の内容は市町村ごとの要綱で確認します。

保育支援者には、保育士資格が必要ですか。

通知は、保育支援者を保育士資格を有しない者と定め、消毒・清掃、配膳・後片づけなどの周辺業務を行う者としています。通知は、配置基準との関係までは書いていません。

給付で賄っている職員と同じ経費を、補助でも受け取れますか。

通知は、給付や他の補助事業で経費が交付される場合は対象としないと定めています。重なるかどうかの具体的な判断は、所在市町村へ確認してください。

自園の条件で試算する

定員と年齢別の園児数を入力すると、公定価格の基本分単価を試算します。保育体制強化事業の補助は含まれないため、あわせて所在市町村へ確認してください。

公定価格の試算を開く

次に知りたいこと:配置系の加算5種の比較、保育補助者雇上強化事業と公定価格の違い、加算一覧(確認する先で分類)、公定価格と別建ての国の補助事業一覧。

ほかの記事の確認事項・よくある質問の一覧

  • 試算前の確認事項の一覧

    この記事の「つまずきやすい確認事項」1件を、ほかの記事の確認事項と対処とあわせて見られます。

この記事が参照した一次資料

ほかの解説

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