解説

一時預かり事業実施要綱(一般型)の対象児童と職員配置(保育従事者2名・保育士1/2以上の原則と例外、令和7年3月31日の第一次改正)

国の一時預かり事業実施要綱が定める一般型の対象児童、設備基準の根拠、職員配置(保育従事者は2名を下ることはできず保育士は1/2以上)と4つの例外、保育士以外の従事者の研修、特別支援児童加算の要件を、文部科学省・こども家庭庁の通知の原文に沿って整理します。補助の金額は扱いません。

一時預かり事業の要件は、文部科学省・こども家庭庁の連名通知の「一時預かり事業実施要綱」に書かれている

一時預かり事業の実施について、文部科学省初等中等教育局長とこども家庭庁成育局長は、都道府県知事へ連名で通知を出しています(5文科初第2592号・こ成保第191号、令和6年3月30日。令和7年3月31日に6文科初第2896号・こ成保第252号で第一次改正)。

別紙の「一時預かり事業実施要綱」が令和6年4月1日から適用され、平成27年7月17日付けの旧通知は令和6年3月31日限りで廃止されました。

事業の実施主体は市町村で、市町村が認めた者へ委託等を行うことができるとされています。

事業の内容は、家庭での保育が一時的に困難となった場合や、保護者の心理的・身体的負担を軽減するための支援が必要な場合に、乳児または幼児を、主として昼間に、保育所・幼稚園・認定こども園その他の場所で一時的に預かり、必要な保護を行う事業、と書かれています。

公定価格とは別に運営される事業であることは、一時預かり事業の補助は、公定価格の加算に含まれるかで整理しています。

実施要綱は、実施方法として一般型・幼稚園型Ⅰなどを定めています。この記事は一般型だけを扱い、補助の金額は扱いません。金額や申請の方法は、所在地の市町村に確認してください。

一般型の対象児童:保育所等に通っていない乳幼児が中心

一般型の実施場所は、保育所・幼稚園・認定こども園・地域子育て支援拠点、または駅周辺等の利便性の高い場所など、一定の利用児童が見込まれる場所です。

対象児童は、主として保育所・幼稚園・認定こども園等に通っていない、または在籍していない乳幼児です。

設備と保育の内容は、児童福祉法施行規則第36条の35第1項第1号のイ・ニ・ホに定める基準を守ることとされています。

通知は、当分の間の扱いも書いています。「保育提供体制の確保のための実施計画」の採択を受けている市町村に限り、保育認定を受けた子どもで、保育所等を利用していない児童を、入所が決まるまでの間、定期的に預かること(緊急一時預かり)も対象とします。

この場合の補助単価は別に定めるとされています。

一般型の職員配置:保育従事者は2名を下ることはできず、保育士は1/2以上

職員の配置は、児童福祉法施行規則第36条の35第1項第1号のロ・ハに基づき、乳幼児の年齢と人数に応じて、専ら当該一般型一時預かり事業に従事する職員として、乳幼児の処遇を行う保育従事者を配置することです。

そのうち保育士を1/2以上とし、保育従事者の数は2名を下ることはできません。

ただし、次の4つの場合は、この配置によらないとされています。

原則に対する4つの例外(通知の記載)
場合通知の書き方
ア 保育所等と一体的に事業を実施し、保育所等の保育従事者の支援を受けられる保育士1名で処遇ができる乳幼児数の範囲内で、保育従事者を保育士1名とすることができる
イ 1日当たり平均利用児童数がおおむね3人以下家庭的保育者を、保育士とみなすことができる
ウ 保育所等と一体的に事業を運営し、同一の場所で実施、かつ平均利用児童数がおおむね3人以下で、保育所等の保育士の支援を受けられる保育士1名で処遇ができる乳幼児数の範囲内で、保育従事者を子育て支援員1名とすることができる
エ 同一敷地内で放課後児童健全育成事業を実施する法人で、その利用児童数がおおむね2人以下4つの要件をすべて満たすことを条件に、一時預かり事業の実施場所で両事業の対象児童を合同で保育できる

イの1日当たり平均利用児童数は、年間延べ利用児童数を年間開所日数で除して得た数、と通知に書かれています。

ウでは、保育所等を利用している乳幼児と同一の場所で事業を行う場合でも、保育所等の児童と一時預かり事業の乳幼児を合わせた人数に応じて、児童福祉施設の設備及び運営に関する基準第33条第2項に準じて職員を配置することとされています。

エの合同保育では、配置基準が通常の一般型と異なる

エの場合、一時預かり事業の保育従事者の配置は、乳児おおむね3人につき2名以上、満1歳以上満3歳未満おおむね3人につき1名以上、満3歳以上満4歳未満おおむね10人につき1名以上、満4歳以上おおむね15人につき1名以上とされています。2名を下ることはできないのが原則ですが、放課後児童の処遇に係る職員2名以上から支援を受けられることを前提に、この基準で保育士1名で保育できる範囲では保育士1名とすることができます。市町村が、処遇に支障がなく、低年齢児と小学生が同一場所で活動することを踏まえた安全な保育環境が確保されていると認めていることも要件です。

合同保育を考える場合は、4つの要件の全文を通知で確認し、事前に所在地の市町村へ相談する。

保育士以外の保育従事者は、研修を修了した者

保育士以外の保育従事者は、通知が挙げる研修を修了した者とされています。

アは、子育て支援員研修事業実施要綱に定める基本研修と、「一時預かり事業」または「地域型保育」の専門研修を修了した者です。

イは、子育ての知識と経験および熱意を有し、家庭的保育事業ガイドラインに定める基礎研修と同等の研修を修了した者で、通知は令和7年3月31日までの間に修了した者とすると書いています。

イの期限はすでに過ぎています。その後の扱いは、通知の最新版と所在地の市町村で確認してください。

通知は、非定期利用が中心である一時預かり事業の特性に留意して研修内容を設定することも求めています。

特別支援児童加算の要件:障害児と多胎児を預かる場合

通知は、職員配置基準に基づく配置以上に加配が必要な障害児や、多胎育児家庭の負担軽減のための多胎児を預かる施設に対して、別に定める加算を適用すると書いています。

障害児の場合は、障害児が利用したときに、職員配置基準以上に保育従事者を配置することが要件です。障害児は市町村が認める障害児とされ、身体障害者手帳等の交付の有無は問わず、医師の診断書や、巡回支援専門員等の意見提出など、障害の事実が把握できる資料で確認して差し支えないとされています。

多胎児の場合は、設備基準と職員の配置を守ったうえで定員を超えて受け入れ、かつ職員配置基準以上に保育従事者を配置することが要件です。

よくある質問

一時預かり事業の保育従事者は、保育士でなくてもよいですか。

原則は、保育士を1/2以上とします。保育士以外の保育従事者は、通知が挙げる研修を修了した者とされています。平均利用児童数がおおむね3人以下の場合など、例外もあります。自園の扱いは、所在地の市町村に確認してください。

保育従事者が1人でも事業を実施できますか。

原則は、保育従事者の数は2名を下ることはできないとされています。保育所等と一体的に事業を実施し、保育所等の職員の支援を受けられる場合などは、通知の例外に当たるかを確認してください。

この要件は、公定価格の試算に入りますか。

入りません。この試算ツールは公定価格(施設型給付費・委託費)の算定のみを行い、一時預かり事業の補助は試算に含めていません。国の補助事業の全体像は、公定価格と別建ての国の補助事業一覧(延長保育・病児保育・一時預かり・保育体制強化・保育補助者雇上強化・宿舎借り上げ)を参照してください。

自園の条件で試算する

所在地・定員・年齢別の園児数を入力すると、公定価格(委託費)を試算します。

結果には計算過程、使った告示・通知、確認日、そしてこの試算に含まれていない項目を必ず表示します。

公定価格の試算を開く

この記事は、令和7年3月31日に第一次改正された一時預かり事業実施要綱のうち、一般型の対象児童・職員配置・研修・特別支援児童加算の要件を扱います。幼稚園型などの他の実施方法と、通知のその後の改正は照合していません。自園での扱いは、所轄の市町村に確認してください。

次に知りたいこと:一時預かり事業の補助は、公定価格の加算に含まれるか、延長保育事業実施要綱の実施要件と職員配置(延長時間区分・平均対象児童数・基準配置、令和7年3月31日の一次改正)、短時間勤務の保育士は、最低基準の保育士定数にどこまで充てられるか

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