解説

児童館・児童遊園(児童厚生施設)の設備と職員の基準(屋内は集会室・遊戯室・図書室・便所、遊びを指導する者を置く)

保育園の法人が児童館や児童遊園の運営に関わるときに確かめる、児童厚生施設の設備と職員の基準を整理します。児童福祉法第40条の定義、児童福祉施設の設備及び運営に関する基準の第37条から第40条までの設備、遊びを指導する者の資格、遊びの指導で守る事項を、e-Govの条文で確認します。

この記事が答えること:児童館と児童遊園には、どんな設備と職員が要るか

児童厚生施設は、児童遊園、児童館など、児童に健全な遊びを与えて健康を増進し、情操を豊かにすることを目的とする施設です(児童福祉法第40条)。

設備と職員の基準は、保育所と同じ「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」の中に、児童厚生施設の項目として置かれています。

屋外の児童遊園と屋内の児童館で、設ける設備が分けて書かれているのが特徴です。

この記事は、児童福祉法第40条と、児童福祉施設の設備及び運営に関する基準(昭和23年厚生省令第63号)の第37条から第40条までを、e-Gov法令検索で確認した範囲で書いています。面積の数字は、この基準には書かれていません。自治体の条例、補助金、運営の委託の方法は扱いません。

設備の基準:屋外は広場・遊具・便所、屋内は集会室・遊戯室・図書室・便所

基準の第37条は、児童厚生施設の設備を、屋外の施設と屋内の施設に分けて定めています。

児童遊園などの屋外の施設には広場、遊具、便所を設けます。

児童館などの屋内の施設には、集会室、遊戯室、図書室、便所を設けます。

児童厚生施設の設備(基準第37条)
施設の区分設けるもの
児童遊園等の屋外の施設広場、遊具、便所
児童館等の屋内の施設集会室、遊戯室、図書室、便所

条文は、設ける設備の種類だけを定めていて、面積や数は定めていません。

保育所の保育室のように、児童1人当たりの面積を掛け算で出す書き方にはなっていないため、広さの目安は自治体の条例や設置の手引きで確かめます。

職員の基準:児童の遊びを指導する者を置き、6つの資格・経歴のどれかに当たること

基準の第38条は、児童厚生施設に、児童の遊びを指導する者を置くよう定めています。

遊びを指導する者は、次の6つの区分のいずれかに当たる者でなければなりません。

保育士の資格を持つ職員は、第2号に当たるので、保育園の職員が就く場合に、資格の面で重なりやすい区分です。

児童の遊びを指導する者の資格・経歴(基準第38条第2項、内容を要約)
号内容
第1号都道府県知事の指定する児童福祉施設の職員を養成する学校その他の養成施設を卒業した者
第2号保育士の資格を有する者(認定地方公共団体の区域内などでは地域限定保育士等を含む)
第3号社会福祉士の資格を有する者
第4号高等学校卒業者等で、2年以上児童福祉事業に従事した者
第5号幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校または中等教育学校の教諭の免許状を有する者
第6号大学・大学院・外国の大学で社会福祉学・心理学・教育学・社会学・芸術学・体育学を修めた者などで、設置者(地方公共団体以外が設置する施設は都道府県知事)が適当と認めたもの

表は条文の要約です。第6号のイからニまでの細かい区分、「高等学校卒業者等」の範囲は、条文の本文で確かめてください。放課後児童クラブの支援員と違い、この条文には研修の修了を要件とする書き方はありません。

遊びの指導と保護者への連絡:児童の自主性・社会性・創造性を高める

  1. 遊びの指導(第39条)

    児童の自主性、社会性及び創造性を高め、地域における健全育成活動の助長を図るように行います。

  2. 保護者との連絡(第40条)

    施設の長は、必要に応じて、児童の健康と行動について保護者に連絡します。

基準の第40条は、必要に応じて健康と行動を連絡するという短い規定です。

連絡の頻度や方法は条文に書かれていないため、自治体の仕様書や運営の取り決めで確かめます。

児童厚生施設に適用されない項目:入所者の健康診断と、入浴・清拭

基準は児童福祉施設の全体に共通する規定を置いたうえで、児童厚生施設を適用から外す項目がいくつかあります。

どの項目が除かれているかは、条文の括弧書きで確かめられます。

保育所の基準を、そのまま児童厚生施設に当てはめないことが、最初の注意点です。

児童厚生施設が適用から外れる項目の例(基準第10条・第12条)
条内容
第12条第1項入所した者の健康診断(入所時・年2回の定期・臨時)は、児童厚生施設の長には適用されない(括弧書きで除外)。保育所には適用される
第10条第4項入所している者の入浴又は清拭は、助産施設・保育所・児童厚生施設を除く児童福祉施設に求められる(保育所も除かれている)

上の表は、条文の括弧書きで児童厚生施設が除かれている項目の例です。第12条第4項の職員の健康診断は、児童厚生施設にも適用されます。衛生管理(第10条第1項・第2項・第5項)や、その他の共通規定が児童厚生施設に及ぶかどうかは、この記事では条文を1つずつ照合していません。

確かめる順序

児童館や児童遊園の運営に関わるときは、設置者の区分、設備、職員の順に確かめます。

設置主体が地方公共団体かどうかで、第38条第2項第6号の認定主体が変わるため、最初に設置者を確かめます。

  1. 設置者と運営の形を確かめる

    地方公共団体の設置か、民間の設置か、運営を委託されるのかを、自治体の募集要項や協定で確かめます。

  2. 屋外か屋内かで設備を照らす

    児童遊園なら広場・遊具・便所、児童館なら集会室・遊戯室・図書室・便所があるかを、図面と現地で確かめます。

  3. 自治体の条例と手引きで面積の目安を確かめる

    基準に面積の定めがないため、設置の手引きや条例にある広さの目安を自治体に確かめます。

  4. 遊びを指導する者の資格を確かめる

    予定する職員が6つの区分のどれに当たるかを、資格証や卒業証明で確かめます。

  5. 運営の委託を受けるときは、仕様書の職員配置を読む

    配置人数や開館日時などは基準ではなく、自治体の仕様書で決まるため、基準の範囲と仕様書の範囲を分けて読みます。

よくある質問

保育士の資格があれば、児童館で遊びを指導する者になれますか。

基準の第38条第2項第2号は、保育士の資格を有する者を、遊びを指導する者の資格の1つに挙げています。実際の採用や配置は設置者が決めるため、運営する自治体に確かめてください。

児童館の面積の基準はありますか。

児童福祉施設の設備及び運営に関する基準の第37条は、設ける設備の種類を定めるだけで、面積は定めていません。広さの目安は、自治体の条例や設置の手引きで確かめてください。

この基準は、公定価格の試算に関係しますか。

関係しません。この試算ツールは認可保育所などの公定価格(施設型給付費・委託費)の算定のみを行い、児童館の運営費は扱いません。同じ児童福祉施設の基準を扱う放課後児童クラブは、放課後児童クラブの設備・職員・開所の基準で整理しています。

自園の条件で試算する

所在地・定員・年齢別の園児数を入力すると、公定価格(委託費)を試算します。

結果には計算過程、使った告示・通知、確認日、そしてこの試算に含まれていない項目を必ず表示します。

公定価格の試算を開く

この記事は、児童福祉法第40条と、児童福祉施設の設備及び運営に関する基準の第37条から第40条までを扱います。自治体の条例、運営費や補助金、委託の仕様、個別の施設への適用は照合していません。最終的な判断は、施設の所在地の自治体に確認してください。

次に知りたいこと:放課後児童クラブの設備・職員・開所の基準、地域子育て支援拠点事業の実施要件、保育所の面積基準と定員

この記事が参照した一次資料

ほかの解説

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