解説

保育ICTラボ事業とは:3つの取組と、補助の対象外になる導入経費、保育所の関わり方(令和8年度)

こども家庭庁の保育ICTラボ事業の目的、ショーケース化・相談窓口と人材育成・ネットワーク形成の3つの取組、他のICT事業の導入経費が対象外になること、公募が終了していることを、同庁の公表ページの範囲で整理します。

保育ICTラボ事業は、導入費の補助ではなく「モデルづくり」を支援する事業

こども家庭庁の「保育ICTラボ事業」のページは、事業の目的を、ICT環境整備のロールモデルになる事例をさらに作り、横展開することだと書いています。

負担の軽減や保育の質の向上の効果を、保育現場が実感をもって理解できる環境を整えること、働きやすい職場づくりを通して、将来の保育士を目指す若者へ魅力を伝えることにも役立てる、とされています。

短期集中で実施して得た知見は、次年度以降の他の保育ICT関連事業の改善につなげる、とも書かれています。

事業の概要は、全国の複数の拠点で、民間事業者等が自治体と連携して、3つをパッケージにしたモデル的な取組(「保育ICTラボ」)を行うための経費を支援するものです。

支援を受ける主体は、保育所そのものではなく、民間事業者等です。

保育所の導入費用が補助の対象になる仕組みは、保育所等におけるICT化推進等事業の補助のほうです。

この記事は、こども家庭庁が公表している保育ICTラボ事業のページの範囲を扱います。補助の金額・補助率・採択された事業者の中身・各地の事例は扱いません。

3つの取組は、ショーケース化・相談窓口と人材育成・ネットワーク形成

保育ICTラボの3つのパッケージ(公表ページの記載)
取組支援の内容
①先端的な保育ICTのショーケース化一定の地域内にある、先端的な保育ICTを実践している保育所等について、実践の公開や導入効果の最大化などを通じてショーケース化する取組への支援
②ICTに関する相談窓口・人材育成ICT導入に関する技術的なサポート、保育施設等でICT推進の中心になる人材の育成、ICTを使うときの伴走支援をする外部人材の派遣にかかる経費への支援
③ネットワーク形成・普及啓発包括的なICT化に取り組む保育施設等や自治体のネットワーク形成と、社会的な気運を高める普及啓発にかかる経費(自治体内での先端事例の横展開、全国の先進自治体・施設の間のネットワーク形成や情報交換など)への支援

①の事例の発掘にあたっては、別に実施する保育ICTの導入状況に関する調査研究とも連携するとされています。

保育所の側から見ると、①は実践を公開する側、②は相談や人材育成を受ける側として関わる場面が考えられます。

ただし、保育所が個別に申し込む仕組みかどうかは、ページには書かれていません。

他のICT事業で補助対象のシステム・機能の導入経費は、本事業の対象外

ページは、①のショーケース化の項に、「他の保育ICTに係る事業で補助対象となっているシステム・機能に係る導入経費に関しては、本事業の補助対象外」と注記しています。

つまり、保育ICTラボ事業は、システムそのものの導入費用を補う事業ではありません。

導入費用の補助は、前の節で挙げた保育所等におけるICT化推進等事業など、別の事業の対象になります。

ICTに関わる国の支援の違い(国の資料の記載から整理)
支援何を支えるか公定価格との関係
保育ICT推進加算保育ICTの導入と活用公定価格の加算(基礎資料の表記は「保育ICT推進加算(仮称)【R8~】」)
保育所等におけるICT化推進等事業業務システムなどの導入費用の一部公定価格とは別の補助金
保育ICTラボ事業ショーケース化・相談窓口と人材育成・ネットワーク形成のモデルづくり公定価格とは別の、民間事業者等への支援

ラボ事業の対象になることと、自園の導入費用が補助されることは別

保育ICTラボ事業は、民間事業者等が自治体と連携して行う取組への支援で、個々の保育所の導入費用を補う事業ではありません。他の事業で補助対象になるシステムの導入経費は、ラボ事業の対象外と明記されています。

自園のICT導入費用の補助や加算を調べるときは、ICT化推進等事業の補助と保育ICT推進加算を、所在地の市区町村に確認する。

令和8年度の公募は終了している。令和7年度には事例集が公表されている

ページには、令和8年度の保育ICTラボ事業について、民間事業者による特設ウェブサイトが公開され、採択事業者や取り組み事例が紹介されていると書かれています。

民間事業者等の公募は、令和8年4月24日(金)をもって公募期間が終了したと記載されています。

令和8年度分の公募期間は終了しています。

令和7年度の保育ICTラボ事業については、関連情報と事例集(PDF)が同じページに載っています。

導入の進め方や活用の実例を参考にしたいときは、この事例集を、こども家庭庁のページから確認できます。

なお、令和8年度予算の資料では、保育ICTラボは補正予算の事業として、保育業務施設管理プラットフォームや保活情報連携基盤と連携して導入効果を高める取組などを優先して採択すると書かれています。

よくある質問

保育ICTラボ事業で、保育所のシステム導入費用は補助されますか。

公表ページは、他のICT事業で補助対象になるシステム・機能の導入経費をラボ事業の対象外としています。導入費用の補助は、保育所等におけるICT化推進等事業など別の事業です。

保育所が保育ICTラボ事業に直接申し込めますか。

ページが示す支援の対象は、民間事業者等が自治体と連携して行う取組の経費です。令和8年度の公募は令和8年4月24日に終了しています。保育所が個別に申し込む仕組みについては、ページに書かれていません。

保育ICTラボ事業の費用は、公定価格の試算に入りますか。

入りません。この試算ツールは公定価格(施設型給付費・委託費)の算定のみを行い、保育ICTラボ事業は試算に含めていません。保育ICT推進加算は、保育ICT推進加算の確認の流れで整理しています。

自園の条件で試算する

所在地・定員・年齢別の園児数を入力すると、公定価格(委託費)を試算します。

結果には計算過程、使った告示・通知、確認日、そしてこの試算に含まれていない項目を必ず表示します。

公定価格の試算を開く

この記事は、こども家庭庁の保育ICTラボ事業のページ(令和8年度の公募終了の記載を含む)と、令和8年度予算の資料の保育ICTラボの記載を扱います。補助の金額・補助率、採択事業者、各地の事例、令和7年度の事例集の中身は照合していません。その後の更新も照合していません。

次に知りたいこと:保育所等におけるICT化推進等事業の補助の対象、保育ICT推進加算の活用内容と、自治体独自のシステムの扱い、保育ICT推進加算とここdeサーチの更新。

ほかの記事の確認事項・よくある質問の一覧

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この記事が参照した一次資料

ほかの解説

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