解説

家庭的保育事業と居宅訪問型保育事業の基準(部屋の面積・乳幼児の数・連携施設)

家庭的保育事業は専用の部屋9.9平方メートル以上、家庭的保育者1人が保育できる乳幼児は3人以下(補助者がいれば5人以下)。居宅訪問型保育事業は1人です。家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準の第22条・第23条・第37条から第40条で整理し、小規模保育事業との違いと条例の確認先を示します。

家庭的保育者1人が保育できる乳幼児は3人以下。補助者がいれば5人以下

家庭的保育事業では、家庭的保育者1人が保育できる乳幼児は3人以下です。家庭的保育補助者とともに保育する場合は5人以下です。

根拠は、家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準(以下「家庭的保育事業等基準」といいます)の第23条第3項です。

居宅訪問型保育事業は、家庭的保育者1人が保育できる乳幼児は1人です(第39条)。

家庭的保育者は、市町村長が行う研修(市町村長が指定する都道府県知事その他の機関が行う研修を含む)を修了した保育士か、保育士と同等以上の知識と経験を有すると市町村長が認める者で、保育を行っている乳幼児の保育に専念できる人です(第23条第2項)。

家庭的保育事業と居宅訪問型保育事業の人の基準(確認日 2026-10-15)
項目家庭的保育事業居宅訪問型保育事業
家庭的保育者1人が保育できる乳幼児3人以下(家庭的保育補助者とともに保育する場合は5人以下)1人
条文第23条第3項第39条
条例が従うべき基準か従うべき基準(第1条第1号)従うべき基準(第1条第1号)

小規模保育事業の職員配置は、小規模保育事業A型・B型・C型の職員配置で整理しています。

家庭的保育:専用の部屋9.9平方メートル以上、3人超は1人3.3平方メートル加算

家庭的保育事業を行う場所には、乳幼児の保育を行う専用の部屋を設け、その面積は9.9平方メートル以上にします。保育する乳幼児が3人を超える場合は、3人を超える1人につき3.3平方メートルを加えた面積以上です(第22条第1号・第2号)。

この場所は、家庭的保育者の居宅その他の場所(保育を受ける乳幼児の居宅を除く)で、市町村長が適当と認める場所です。

部屋のほかに、採光・照明・換気の設備、衛生的な調理設備と便所、火災報知器と消火器の設置、消火訓練と避難訓練の定期的な実施が要件に並びます(第22条第3号・第4号・第7号)。

満2歳以上の幼児がいる場合に関わる庭の要件もあります。同一の敷地内に庭(付近にあるこれに代わるべき場所を含む)があり、その面積は満2歳以上の幼児1人につき3.3平方メートル以上です(第22条第5号・第6号)。

仮の数字で考えます。保育する乳幼児が5人の場合、専用の部屋は9.9+3.3×2=16.5平方メートル以上で、4人なら13.2平方メートル以上です。実際の施設の面積ではなく、条文の計算の考え方を示す例です。

家庭的保育事業の面積を、小規模保育事業の「一人3.3平方メートル」と同じ計算にしない

小規模保育事業の乳児室またはほふく室は乳児または満2歳に満たない幼児1人につき3.3平方メートル以上です。家庭的保育事業は、3人までは一律9.9平方メートルで、3人を超えた分だけ1人につき3.3平方メートルを加える書き方です。

どちらの事業の条文を使うかを先に決め、第22条(家庭的保育事業)と第28条・第33条(小規模保育事業)を別々に読みます。

居宅訪問型保育は、専用の区画と保育を提供できる場合が条文で決まる

居宅訪問型保育事業は、乳幼児の居宅で保育する事業のため、乳幼児1人あたりの部屋の面積の定めはありません。

定めがあるのは事業所の側です。事業を行う事業所には、事業の運営を行うために必要な広さを有する専用の区画を設け、保育の実施に必要な設備と備品等を備えます(第38条)。

保育を提供できる場合も、条文に次の5つが列挙されています(第37条)。

  1. 第1号

    障害、疾病等の程度を勘案して、集団保育が著しく困難であると認められる乳幼児への保育

  2. 第2号

    子ども・子育て支援法の規定による便宜の提供に対応する保育

  3. 第3号

    児童福祉法第24条第6項に規定する措置に対応する保育

  4. 第4号

    母子家庭等の保護者の夜間・深夜の勤務や、保護者の疾病などで、居宅訪問型保育を提供する必要性が高いと市町村が認める乳幼児への保育

  5. 第5号

    離島その他で、他の家庭的保育事業等の確保が困難と市町村が認める地域での保育

第37条第1号の、集団保育が著しく困難な乳幼児に保育を行う場合は、居宅訪問型保育事業者は、障害児入所施設その他の市町村の指定する施設を、あらかじめ連携施設として確保します(第40条)。離島その他で確保が著しく困難と市町村が認める地域は、この限りではありません。

家庭的保育事業は、保育所・幼稚園・認定こども園の連携施設を確保する

家庭的保育事業者は、保育内容の支援、代替保育の提供、3歳以降の受け入れについて連携協力を行う、保育所・幼稚園・認定こども園を連携施設として確保します(第6条第1項)。

保育内容の支援は、集団保育を体験させる機会の設定や、保育の内容に関する相談・助言です。代替保育は、職員の病気や休暇などで保育を提供できないときに代わって提供する保育です。

保育の提供の終了後に、保護者の希望に基づき連携施設で引き続き受け入れることも、連携協力の事項です(第1項第3号)。

離島その他で連携施設の確保が著しく困難と市町村が認める地域は、この限りではありません。居宅訪問型保育事業者には、第6条の連携施設の規定は及びません(括弧書きで除かれており、連携施設は上の第40条で別に定められています)。

適用されるのは市町村条例。人は「従うべき基準」、部屋の面積は「参酌すべき基準」

児童福祉法第34条の16により、市町村が家庭的保育事業等の設備と運営の基準を条例で定めます。

家庭的保育事業等基準の第1条は、条例が従うべき基準として、第23条(家庭的保育事業の職員)と第39条(居宅訪問型保育事業の職員)、第6条(連携施設)、第22条第4号の調理設備に係る部分などを挙げています。

保育する乳幼児の数は従うべき基準にあたり、専用の部屋の面積(第22条第2号)は列挙に含まれていないため参酌すべき基準にあたります。

面積の数値は、市町村の条例の内容を確認する必要がある部分です。

省令の数値を、施設に適用される基準と決めつけない

省令の面積や人数を見ただけで、必要な部屋や認可の可否を判断すると、市町村との相談で前提がずれます。

事業を行う市町村の条例と、事業の認可・認定の担当課の案内を確認します。条文番号と施行日を控えます。

よくある質問

家庭的保育者1人は、何人まで保育できますか。

家庭的保育事業では3人以下、家庭的保育補助者とともに保育する場合は5人以下です(第23条第3項)。居宅訪問型保育事業は1人です(第39条)。適用される人数は市町村の条例で確認してください。

家庭的保育事業の部屋は、何平方メートル必要ですか。

専用の部屋は9.9平方メートル以上で、保育する乳幼児が3人を超える場合は、超える1人につき3.3平方メートルを加えた面積以上です(第22条第2号)。

居宅訪問型保育事業にも、部屋の面積の基準はありますか。

乳幼児1人あたりの部屋の面積の定めはなく、事業所に必要な広さの専用の区画を設けることが定められています(第38条)。

家庭的保育事業と小規模保育事業の違いは何ですか。

家庭的保育事業は、家庭的保育者1人あたりの乳幼児が3人以下(補助者がいれば5人以下)で、専用の部屋の面積は9.9平方メートルを基本に人数に応じて加えます。小規模保育事業は、型ごとに乳児室またはほふく室の面積などが定められています。

この試算で、設備基準を満たすか判定できますか。

判定できません。この試算は公定価格のモデル計算で、設備基準の適合や認可の可否は扱いません。所管の市町村へ確認してください。

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認可保育所の公定価格を試算する

この試算が扱うのは認可保育所です。家庭的保育事業と居宅訪問型保育事業の給付額や、設備基準の適合は試算結果に含まれません。

認可保育所の公定価格を試算する

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