解説

小規模保育事業の設備基準:ほふく室・乳児室は一人3.3平方メートル

小規模保育事業A型・B型・C型の乳児室・ほふく室・保育室・屋外遊戯場の面積を、家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準の第28条・第33条で整理します。保育所(児童福祉施設の基準の第32条)とは、乳児室またはほふく室の面積とC型の保育室の面積が違います。実際の基準は市町村の条例に置かれます。

乳児室またはほふく室は、型を問わず一人3.3平方メートル以上

満2歳以上の幼児を入所させる保育所の保育室または遊戯室は、幼児一人につき1.98平方メートル以上です(児童福祉施設の設備及び運営に関する基準の第32条第5号・第6号)。

小規模保育事業は別の省令(家庭的保育事業等基準)で、満2歳以上の保育室または遊戯室はA型・B型が保育所と同じ1.98平方メートル以上、C型は一人3.3平方メートル以上です。

この記事は小規模保育事業の基準で、根拠の省令が保育所と別です。保育所の面積を知りたいときは、保育所の面積基準(乳児室・ほふく室・保育室)と利用定員を決める順序を先に読んでください。

小規模保育事業所の乳児室またはほふく室は、乳児または満2歳に満たない幼児一人につき3.3平方メートル以上です。

A型は家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準(以下「家庭的保育事業等基準」といいます)の第28条第2号、C型は第33条第2号に定めがあり、B型はA型の第28条を準用しています(第32条)。

保育所では、乳児室は一人1.65平方メートル以上、ほふく室は3.3平方メートル以上です(児童福祉施設の設備及び運営に関する基準の第32条)。

小規模保育事業には乳児室とほふく室を分けた面積の定めがなく、「乳児室またはほふく室」の1つの面積として3.3平方メートルが定められています。

保育所と小規模保育事業の面積基準の比較(確認日 2026-10-13)
部屋保育所(第32条)小規模保育事業A型・B型(第28条)小規模保育事業C型(第33条)
乳児室一人1.65平方メートル以上乳児室またはほふく室として一人3.3平方メートル以上乳児室またはほふく室として一人3.3平方メートル以上
ほふく室一人3.3平方メートル以上同上同上
保育室または遊戯室(満2歳以上)一人1.98平方メートル以上一人1.98平方メートル以上一人3.3平方メートル以上
屋外遊戯場(満2歳以上)一人3.3平方メートル以上一人3.3平方メートル以上一人3.3平方メートル以上

表の数値は国の省令の文言です。保育所側の面積の詳しい説明は、保育所の面積基準(乳児室・ほふく室・保育室)と利用定員を決める順序で確認できます。

必要な面積は、年齢ごとの人数に一人あたりの面積を掛けて合計します。

計算例(A型・B型で、0〜1歳児12人、2歳児7人の場合): 乳児室またはほふく室は12人×3.3平方メートル=39.6平方メートル以上、保育室または遊戯室は7人×1.98平方メートル=13.86平方メートル以上、屋外遊戯場は7人×3.3平方メートル=23.1平方メートル以上です。C型で2歳児が7人いる場合の保育室は、7人×3.3平方メートル=23.1平方メートル以上になります。

この計算例は上の表の数値を使った算術で、実際の施設に適用される面積は市町村の条例で確認してください。

ほふく室と乳児室の違いは、小規模保育事業では面積の違いにならない

『乳児室 ほふく室 違い』で調べる人が混同しやすいのは、保育所と小規模保育事業の定め方が異なる点です。

保育所は、乳児室(1.65平方メートル以上)またはほふく室(3.3平方メートル以上)を設けると定め、部屋の種類で面積が違います。

小規模保育事業のA型・B型・C型は、乳児室またはほふく室のどちらを設ける場合も、一人3.3平方メートル以上です。

保育所の乳児室の面積(1.65平方メートル)を、小規模保育事業にそのまま当てはめると、必要な面積を半分に見積もってしまいます。

仮の数字で考えます。乳児と満2歳に満たない幼児が合わせて6人の場合、小規模保育事業の乳児室またはほふく室は、6×3.3=19.8平方メートル以上です。

保育所の乳児室の基準で6×1.65=9.9平方メートルと計算すると、半分になります。実際の施設の面積ではなく、計算の考え方を示す例です。

満2歳以上の保育室と屋外遊戯場。C型だけ保育室の面積が違う

満2歳以上の幼児を利用させる事業所には、保育室または遊戯室、屋外遊戯場、調理設備、便所を設けます(第28条第4号、第33条第4号)。

A型・B型の保育室または遊戯室は一人1.98平方メートル以上、C型は一人3.3平方メートル以上です。

屋外遊戯場は、A型・B型・C型とも一人3.3平方メートル以上です。

A型の条文は、屋外遊戯場に、当該事業所の付近にある屋外遊戯場に代わるべき場所を含むと書いています(第28条第4号)。C型の第33条第4号は、屋外遊戯場について、この括弧書きを置いていません。ただし第28条第4号の括弧書きは、第33条第4号及び第5号において同じ意味で使うと書かれています。

屋外遊戯場の代替の可否を、型の名前だけで決めない

A型の条文は、付近の屋外遊戯場に代わる場所を含めると明記し、その括弧書きの定義がC型の第33条第4号にも及ぶ書き方になっています。B型はA型の第28条を準用します。ただし、実際に認められる代替の場所の範囲は、市町村の条例と認可の運用で決まります。

代替の場所を使う計画は、場所の位置と広さを示して、所管の市町村の担当課に確認します。

2階以上に保育室等を設ける場合の要件

保育室等(乳児室、ほふく室、保育室、遊戯室)を2階以上に設ける建物は、第28条第7号の要件に該当する必要があります。C型は、保育室等を2階以上に設ける建物に第28条第7号の要件を当てはめています(第33条第7号)。

耐火建築物または準耐火建築物であること、階に応じた避難の施設や設備があること、歩行距離が30メートル以下であることなどが並びます。

この要件を保育所と比べた整理は、保育所を2階・3階以上に設ける建築要件で確認できます。

実際に適用されるのは市町村の条例。面積は「参酌すべき基準」

児童福祉法第34条の16は、市町村に、家庭的保育事業等の設備と運営の基準を条例で定めることを求めています。

同条第2項は、従事者とその員数などは内閣府令に「従い」、その他の事項は「参酌する」ものとしています。

家庭的保育事業等基準の第1条は、従うべき基準として調理設備に係る部分などを挙げていますが、第28条第2号、第5号、第33条第2号、第5号の面積の定めは列挙に含まれていません。

面積の数値は、参酌すべき基準にあたり、市町村の条例の内容を確認する必要がある部分です。

省令の面積を、施設に適用される基準と決めつけない

省令の数値を見ただけで、必要な面積や特例の有無を判断すると、認可の相談で前提がずれます。

施設の所在地の市町村の条例と、認可の担当課の案内を確認します。条文番号と施行日を控えます。

よくある質問

小規模保育事業のほふく室は、一人あたり何平方メートル必要ですか。

乳児室またはほふく室として、乳児または満2歳に満たない幼児一人につき3.3平方メートル以上です(第28条第2号、第33条第2号)。適用される数値は市町村の条例で確認してください。

乳児室とほふく室の違いは何ですか。

保育所では、乳児室は1.65平方メートル以上、ほふく室は3.3平方メートル以上で、部屋の種類で面積が違います。小規模保育事業は乳児室またはほふく室のどちらでも3.3平方メートル以上です。

保育室の面積は、型によって違いますか。

A型・B型は満2歳以上の幼児一人につき1.98平方メートル以上、C型は3.3平方メートル以上です(第28条第5号、第33条第5号)。

屋外遊戯場は、付近の別の場所で代わりにできますか。

条文は、屋外遊戯場に事業所の付近にある屋外遊戯場に代わるべき場所を含むと書いています(第28条第4号)。どの場所が認められるかは市町村の条例と認可の運用で決まるため、所管の市町村へ確認してください。

この試算で、設備基準を満たすか判定できますか。

判定できません。この試算は公定価格のモデル計算で、設備基準の適合や認可の可否は扱いません。所管の市町村へ確認してください。

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