解説

公定価格の財源は誰が負担するか(国・都道府県・市町村の負担割合)

私立保育所の委託費や認定こども園の施設型給付費の財源を、国・都道府県・市町村がどう分けて負担するかを、子ども・子育て支援法とその施行令の条文で整理します。負担割合は市町村への交付の話で、施設の受取額とは別です。

施設が受け取る額と、その財源の負担は別の話

私立保育所が市町村から受け取る委託費や、認定こども園が受け取る施設型給付費は、公定価格の算定基準で決まります。

国・都道府県・市町村が何分の1ずつ負担するかは、市町村が支払う費用について、国と都道府県がどれだけ負担して市町村に交付するかを定めたもので、施設の受取額を変えるものではありません。

公定価格そのものの計算は保育所の公定価格の計算方法と基本分単価の内訳で説明しています。この記事は、支払う側の財源の分担だけを扱います。

費用は市町村が支払い、国と都道府県が一定割合を負担する

子ども・子育て支援法第65条は、都道府県と市町村以外の者が設置する施設の施設型給付費等の支給に要する費用を、市町村の支弁(支払い)と定めています。

私立保育所や社会福祉法人・株式会社などが設置する認定こども園がここに入ります。市町村が設置する施設は、同条の別の号(第1号の2)に分かれています。

私立の施設の施設型給付費等を、誰が負担するか
負担者根拠条文負担の内容
市町村子ども・子育て支援法第65条第2号費用を支払う(支弁する)
都道府県同法第67条第1項施設型給付費等負担対象額から拠出金充当額を除いた額の4分の1を負担し、市町村に交付する
国同法第68条第2項同じ額の2分の1を負担し、市町村に交付する。あわせて拠出金充当額も市町村に交付する

負担の基礎になる額(施設型給付費等負担対象額)は、市町村ごとの合算額で、法第66条の3第1項と施行令第23条が算定方法を定めています。個々の施設の受取額を直接定める規定ではありません。

負担の基礎になる額は、年齢で数え方が分かれる

  1. 満3歳以上は、公定価格の額がそのまま入る

    施行令第23条第1号は、満3歳以上の子どもについて、法第27条第3項第1号に掲げる額(公定価格の算定基準による額)を算入すると定めています。

  2. 満3歳未満は、利用者負担を引いた額が入る

    同条第2号は、満3歳未満の子どもについて、公定価格の額から、政令が定める利用者負担の額(施行令第4条第2項など)を控除した額を算入すると定めています。控除して負の値になるときは零とします。

満3歳未満の算定で引かれる利用者負担は、施行令が定める額です。市町村が実際に定める保育料とは同じとは限らず、保育料の軽減が委託費の受取額に与える影響は多子軽減と委託費の関係で説明しています。

満3歳未満には、子ども・子育て拠出金も充てられる

法第66条の3第1項は、満3歳未満の保育認定子どもに係る負担対象額について、一定の範囲内で政令が定める割合の額を、子ども・子育て拠出金で充てると定めています。

この充てる額が、第67条・第68条の「拠出金充当額」です。国の負担割合は、この額を除いた残りに掛かります。

割合は施行令第24条の2が定めています。年度や制度改正で変わりうるため、実際の割合は条文の最新版で確認してください。

私立保育所の委託費も、同じ負担の対象に入る

私立保育所への支払いは、施設型給付費ではなく委託費(同法附則第6条第1項)です。

施行令附則第6条は、委託費の支払いについて、法第65条第2号・第66条の3第1項・第67条第1項・第68条第2項を読み替えて適用すると定め、同附則第7条は、委託費の支払いに要する費用を、負担対象額の算定に加えると定めています。

支払いの名称が違っても、負担の仕組みは同じ条文系統を使う
施設支払いの名称負担対象額の算定
認定こども園など施設型給付費施行令第23条
私立保育所委託費施行令附則第7条により、委託費の費用を加えて算定する(満3歳未満は、保護者から徴収する額を控除した額)

委託費という名称の根拠と、施設型給付費との違いは委託費の法的根拠で説明しています。委託費の場合、保護者からの利用者負担は市町村長が別に徴収します(同法附則第6条第4項)。

この記事で判断できないこと

実際の交付額や、自園への影響は条文だけでは分からない

国・都道府県の交付は市町村に対して行われ、1施設あたりの交付額や、市町村が負担する実額はこの記事の範囲では確認していません。子ども・子育て支援納付金(法第71条の3)は、妊婦支援給付金の交付金(法第68条第1項)などに充てる別の財源で、施設型給付費の負担とは別です。

自園の委託費や施設型給付費の額は、市町村から届く支払通知と公定価格の算定で確かめる。

よくある質問

国が2分の1負担するなら、委託費の半分は国のお金ですか。

負担の基礎になる額から拠出金充当額を除いた額の2分の1を国が市町村に交付する、という条文上の分担です。施設への支払いは市町村が行い、施設の受取額は公定価格の算定で決まるため、財源の内訳で施設の受取額が変わるわけではありません。

公立保育所も同じ負担割合ですか。

法第67条第1項と第68条第2項が対象にするのは、第65条第2号の費用です。市町村が設置する施設は同条の別の号に分かれているため、この記事の負担割合をそのまま当てはめることはできません。公立の施設の財源は、この記事の範囲では扱いません。

満3歳未満の園児が多いと、国の負担は増えますか。

満3歳未満は、利用者負担を引いた額が負担の基礎に入り、そこから拠出金充当額も除かれます。算定の枠組みは条文で確認できますが、園児数と国の交付額の関係を一般化する数値は、この記事では確認していません。

自園の条件で試算する

所在地・定員・年齢別の園児数を入力すると、公定価格の算定基準額を試算できます。ここで出る額は施設への支払いの基準で、国・都道府県・市町村の負担額は含みません。

公定価格の試算結果を見る

この試算ツールは公定価格の算定だけを行い、財源の分担や市町村への交付額の計算はしません。次に知りたいこと: 支払いの時期は委託費の請求と支払いの時期、委託費の使い方は委託費の弾力運用で説明しています。

ほかの記事の確認事項・よくある質問の一覧

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