解説

認可外保育施設の指導監督基準:乳幼児突然死症候群への注意、安全計画、送迎バスの見落とし防止、賠償責任保険、事故報告

認可外保育施設の指導監督基準「第7 健康管理・安全確保」のうち、睡眠中の観察と仰向け寝、安全計画の策定と周知、送迎バスのブザーと降車時の所在確認、賠償責任保険、事故の都道府県知事等への報告を、こども家庭庁の通知の原文で確認します。

安全確保の基準は、睡眠中の注意と(8)のアからシの項目に分かれる

こども家庭庁の通知「認可外保育施設に対する指導監督の実施について」の指導監督基準は、「第7 健康管理・安全確保」の(7)で乳幼児突然死症候群への注意、(8)で安全確保を定めています。

(7)は睡眠中の観察、仰向け寝、保育室の禁煙の3点、(8)はアからシまでの項目で、安全計画、送迎、救命訓練、保険、事故報告などを求めます。

安全確保の主な基準(指導監督基準 第7(7)(8)、確認日 2026-10-25)
場面基準の内容
睡眠中睡眠中の乳幼児の顔色や呼吸の状態をきめ細かく観察する。乳児は仰向けに寝かせる。保育室では禁煙を厳守する
安全計画設備の安全点検、施設外活動を含む安全に関する指導、職員の研修と訓練などの計画を策定し、それに従って保育を行う
周知と訓練職員に安全計画を周知し、研修と訓練を定期的に実施する。保護者にも取組の内容を周知する
施設内の安全管理危険な場所、設備への適切な安全管理。不審者の立入防止などの対策と、緊急時の安全確保体制を整える
児童の移動施設外の活動などで自動車を運行するときは、乗車と降車のたびに点呼などで児童の所在を確認する
送迎用の自動車児童の送迎を目的とした自動車を日常的に運行するときは、ブザーなど車内の見落としを防ぐ装置を備え、降車時の所在確認に使う
救命処置事故発生時に適切な救命処置ができるよう、訓練を実施する
保険賠償責任保険に加入するなど、保育中の万が一の事故に備える
事故の報告と記録事故発生時は速やかに都道府県知事等に報告する。事故の状況と、事故に際して採った処置を記録する
重大事故のあと死亡事故等の重大事故が発生した施設は、同様の事故の再発防止策と、事故後の検証結果を踏まえた措置をとる

乳幼児突然死症候群への注意は、観察・仰向け寝・禁煙の3点

(7)の3点は短い文で書かれています。

睡眠中の乳幼児の顔色や呼吸の状態をきめ細かく観察すること、乳児を寝かせる場合は仰向けに寝かせること、保育室では禁煙を厳守することです。

仰向け寝について通知は、窒息リスクの除去の観点から、医学的な理由で医師からうつぶせ寝をすすめられている場合以外は、乳児の顔が見える仰向けに寝かせることが重要だと説明しています。

(8)の留意事項でも、睡眠中は重大事故が発生しやすい場面として挙げられています。

通知は、寝かせ方への配慮、児童を一人にしないこと、安全な睡眠環境を整えることを例に示しています。

安全計画は、策定・職員への周知と研修・保護者への周知の3段階

安全計画は、施設の設備の安全点検、職員や児童に対する施設外での活動を含む安全に関する指導、職員の研修と訓練、その他施設の安全に関する事項の計画です。

策定するだけでなく、職員への周知、定期的な研修と訓練、保護者への取組内容の周知まで求められます。

通知は、安全計画を定期的に見直し、必要に応じて変更することも示しています。

  1. 施設内の危険な場所・設備には囲障や施錠などを行う

    通知は、保育室だけでなく児童が出入りする場所に危険物を置かないこと、書庫等を固定すること、棚から物が落下しない工夫を例に示しています。

  2. 施設の周囲に危険箇所がある場合は、児童が勝手に出られない配慮をする

    敷地の周囲を柵等で区画している、出入り口の錠は幼児の手の届かないところに備えている、といった例が示されています。

  3. プール活動や水遊び、食事中にも重大事故が起こりやすい

    通知は、プール活動や水遊びを行う場合は専ら監視を行う者とプール指導等を行う者を分けて配置することを例に挙げています。食事中は、児童の発達や健康状態を把握して誤嚥等による窒息のリスクとなるものを除去することを例に挙げています。

  4. 参考にするガイドライン

    通知は、「教育・保育施設等における事故防止及び事故発生時の対応のためのガイドライン」(平成28年3月内閣府、文部科学省、厚生労働省)を参考にするよう示しています。

保育所の公定価格には、安全計画の策定等をしていない場合の調整があります。

これは認可側の公定価格の話で、安全計画の策定等をしていない場合の減算:適用条件と外れる時期で整理しています。この記事は、認可外保育施設の指導監督基準の文言だけを扱います。

送迎用の自動車は、所在確認とブザーなどの装置が基準になる

施設外での活動や、そのための移動など、児童の移動のために自動車を運行するときは、乗車と降車のときに点呼その他の方法で児童の所在を確実に把握することが基準です。

児童の送迎を目的とした自動車を日常的に運行するときは、さらに、ブザーその他の車内の児童の見落としを防止する装置を備え、降車時の所在確認に使うことが求められます。

通知は、運転者席と並列の座席、その一つ後方の前向きの座席以外の座席がない自動車など、利用の態様から見落としのおそれが同程度に少ないと認められるものを、装置の基準から除いています。

また、この装置の基準は、居宅訪問型保育にあたる業務を目的とする施設には適用されないと書かれています。

認可保育所の重大事故(自動車への置き去りを含む)の報告先と期限は、認可側の流れとして保育所の重大事故の報告先と期限:市町村から国までの流れと置き去り事故で整理しています。

賠償責任保険と事故報告・記録・再発防止

保険については、賠償責任保険に加入するなど、保育中の万が一の事故に備えることが基準です。

通知は、賠償すべき事故が発生した場合に、損害賠償を速やかに行えるよう備えておくことも示しています。

契約している保険の種類、保険事故、保険金額は、届出対象施設の利用者への掲示と契約書面の項目にも入っています。

  1. 事故が起きたら、速やかに都道府県知事等へ報告する

    事故報告の様式と期限は、通知が参照する令和8年3月30日付こ成安第45号通知「教育・保育施設等における事故の報告等について」を確認します。

  2. 事故の状況と、事故に際して採った処置を記録する

    記録は、報告の根拠にもなります。

  3. 死亡事故等の重大事故が起きた施設は、再発防止策と検証結果を踏まえた措置をとる

    同様の事故の再発防止策を作ることが基準です。

  4. 事故発生時に備え、救命処置の訓練を実施する

    事故のあとではなく、事故が起こる前に実施することが基準です。

この記事・試算で扱わないこと

この記事は、通知が定める安全確保の基準を説明するもので、個別の施設が基準に適合しているかの判定は行いません。

保険商品の選び方、保険金額の目安、事故報告の様式の中身、自治体が独自に定める基準は扱いません。この試算ツールの対象は認可保育所の公定価格で、認可外保育施設の指導監督は対象外です。

次に読むなら、給食と健康診断の基準は認可外保育施設の指導監督基準:給食の衛生管理と、児童・職員の健康診断・検便の頻度、防災の基準は認可外保育施設の指導監督基準:非常災害の設備・訓練と、保育室を2階以上に設ける条件です。

よくある質問

認可外保育施設でも、乳児は仰向けに寝かせる必要がありますか。

乳児を寝かせる場合は、仰向けに寝かせることが基準です。通知は、医学的な理由で医師からうつぶせ寝をすすめられている場合以外は、乳児の顔が見える仰向けに寝かせることが重要だと説明しています。

送迎バスにブザーなどの装置は必要ですか。

児童の送迎を目的とした自動車を日常的に運行するときは、見落とし防止の装置を備え、降車時の所在確認に使うことが基準です。座席の構成から見落としのおそれが少ない自動車は除かれ、居宅訪問型保育にあたる業務の施設には適用されません。

賠償責任保険に入っていないと、基準違反になりますか。

基準は「賠償責任保険に加入するなど、保育中の万が一の事故に備えること」です。個別の施設が基準に適合しているかの判断は、指導監督を行う都道府県等が行うため、この記事では判定しません。

事故が起きたとき、どこに報告しますか。

基準では、事故発生時に速やかに都道府県知事等に報告することとされています。様式と期限は、通知が参照する「教育・保育施設等における事故の報告等について」で確認します。

この試算ツールで、認可外保育施設の基準を確認できますか。

できません。この試算は認可保育所の公定価格の算定に特化しており、認可外保育施設の指導監督基準は対象外です。

自園の条件で試算する

認可保育所として運営する場合の公定価格(委託費)を、所在地・定員・年齢別の園児数から試算します。

結果には計算過程、使った告示・通知、確認日、そしてこの試算に含まれていないことも表示されます。

公定価格の試算を開く

この記事が参照した一次資料

    ほかの解説

    「分園・合併・認定こども園への移行を検討するとき」の解説一覧へ