解説

認定こども園の幼保連携型とそれ以外の違い(認可と認定・設置できる者・職員の資格)

認定こども園の幼保連携型と、幼稚園・保育所などが認定を受けるタイプの違いを、認定こども園法の条文で整理します。認可と認定の違い、設置できる者、職員の置き方と資格、学校と児童福祉施設の位置づけを、e-Govの条文で確認します。

この記事が答えること:幼保連携型とそれ以外で、法律の作りがどう違うか

認定こども園は、就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律(以下「認定こども園法」)が定める施設です。

法律の作りは大きく2つに分かれます。

幼保連携型は、法律で新しく設置の根拠が置かれた施設で「認可」を受け、それ以外は、すでにある幼稚園や保育所などが「認定」を受けるという違いがあります。

この記事は、認定こども園法(平成18年法律第77号)の第2条・第3条・第9条・第12条から第15条まで・第17条と、児童福祉法第7条を、e-Gov法令検索で確認した範囲で書いています。幼稚園型・保育所型・地方裁量型という呼び名は条文には出てこないため、この記事では条文の言い方(幼稚園、保育所、保育機能施設、連携施設)で整理します。都道府県や指定都市の条例の中身、公定価格の単価は扱いません。

手続きの違い:幼保連携型は「認可」、それ以外は条例の要件への「認定」

幼保連携型認定こども園を、国と地方公共団体以外の者が設置するときは、都道府県知事(指定都市等の区域内は当該市の長)の認可を受けます(第17条第1項)。

それ以外の認定こども園は、幼稚園または保育所等の設置者が、都道府県(指定都市等の施設は当該市)の条例で定める要件に適合している旨の認定を受ける形です(第3条第1項)。

幼保連携型は新しく施設をつくる手続き、それ以外は既存の施設が認定を受ける手続きと読み分けると整理しやすくなります。

認可と認定の違い(認定こども園法の条文)
項目幼保連携型それ以外(幼稚園・保育所等)
手続きの名前認可(第17条第1項)認定(第3条第1項)
基準の定め方都道府県の条例で、設備と運営の基準を定める(第13条第1項)都道府県の条例で、認定の要件を定める(第3条第1項・第2項)
基準のもとになるもの学級編制、職員とその員数、保育室の床面積などは主務省令の基準に従う(第13条第2項)主務大臣が定める基準を参酌して定める(第3条第2項)
市町村長との協議認可の前に、あらかじめ市町村長に協議(第17条第5項)認定の前に、あらかじめ市町村長に協議(第3条第6項)

表は条文の要約です。第13条第2項は基準を「従うもの」と「参酌するもの」に分け、第3条第2項は要件を定める基準を「従うもの」と「参酌するもの」に分けています。条例の具体的な数字は自治体ごとに異なります。

設置できる者の違い:幼保連携型は国・地方公共団体・学校法人・社会福祉法人のみ

第12条は、幼保連携型認定こども園を設置できる者を、国、地方公共団体(公立大学法人を含む)、学校法人、社会福祉法人に限っています。

株式会社などの営利法人が、幼保連携型を新しく設置することは、この条文からはできません。

それ以外の認定こども園は、認定を受ける前の幼稚園や保育所をすでに設置している者が申請するため、設置者の条件は、もとの幼稚園・保育所の認可の条件に沿って考えます。

国・市町村・公立大学法人以外の者が認定を申請するときは、知事が、財産、経営に必要な知識または経験、社会的信望、欠格事由に当たらないことを審査します(第3条第5項)。

学校法人または社会福祉法人が申請する場合は、このうち欠格事由の基準(第4号)だけが審査されます。

職員の違い:幼保連携型は「保育教諭」に幼稚園教諭免許と保育士登録の両方が要る

第14条は、幼保連携型認定こども園に、園長と保育教諭を置くと定めています。

第15条は、保育教諭などについて、幼稚園の教諭の普通免許状を持ち、かつ児童福祉法の保育士の登録を受けた者でなければならないと定めています。

幼稚園教諭免許と保育士資格の両方が、保育教諭になる法律上の条件です。

職員の定め方の違い
項目幼保連携型それ以外(幼稚園・保育所等)
職員の根拠認定こども園法第14条・第15条(園長、保育教諭など)認定の要件は条例で定める(第3条第2項)。もとの幼稚園・保育所の職員の定めは、それぞれの施設の法令に沿う
保育に当たる者の資格保育教諭は、幼稚園の教諭の普通免許状と保育士の登録の両方(第15条第1項)この法律の第15条は適用されない(幼保連携型の条文のため)。資格は幼稚園・保育所それぞれの法令と条例で確かめる

上の表の右列は、第15条が幼保連携型の職員の条文であることからの整理で、それ以外のタイプの配置基準と経過措置は照合していません。第14条には、主務保育教諭を置くときは保育教諭を置かないことができる(第3項)、特別の事情があるときは保育教諭に代えて助保育教諭または講師を置くことができる(第23項)という定めもあります。経過措置は認定こども園の職員資格がない場合の減算と経過措置の記事で整理しています。

位置づけの違い:幼保連携型は「学校」と「児童福祉施設」の両方として定められる

第9条は、幼保連携型認定こども園で、子どもに対する学校としての教育と、児童福祉施設としての保育、保護者に対する子育て支援事業を、有機的に連携させて行うと定めています。

児童福祉法第7条は、児童福祉施設の1つとして幼保連携型認定こども園を挙げています。

幼保連携型は、法律上、教育の面と児童福祉の面の両方の位置づけを1つの施設で持つところが特徴です。

それ以外の認定こども園は、第3条第2項が、幼稚園なら幼稚園教育要領に基づく教育を行うほか、保育を必要とする子どもへの教育を行うこと、保育所等なら保育を必要とする子どもへの保育を行うほか、満3歳以上の子どもを保育し、学校教育法第23条の目標が達成されるよう保育を行うこと、と定めています。

どちらも、地域の需要に応じた子育て支援事業を、保護者の要請に応じて提供できる体制で行うことが要件です。

確かめる順序

認定こども園になることを検討するときは、いまの施設の種類、設置者の区分、自治体の条例の順に確かめます。

設置者が学校法人・社会福祉法人かどうかで、幼保連携型を選べるかが決まるため、最初に設置者の区分を確認します。

  1. いまの施設の種類を確かめる

    幼稚園か、保育所か、認可外の保育施設(保育機能施設に当たるもの)かで、認定の対象になるかと、使う条文が変わります。

  2. 設置者が幼保連携型を設置できる者かを確かめる

    国、地方公共団体、学校法人、社会福祉法人のどれかに当たるかを、法人の登記や定款で確かめます。

  3. 自治体の条例と手引きを取り寄せる

    認定の要件、幼保連携型の設備・運営の基準は条例で定まるため、所在地の都道府県(指定都市等はその市)に確認します。

  4. 職員の免許と登録を棚卸しする

    幼保連携型を考えるなら、保育に当たる職員が幼稚園教諭免許と保育士登録の両方を持つかを確かめ、経過措置の適用は自治体に確認します。

  5. 市町村との協議と整備計画を確かめる

    認可や認定の前に市町村長への協議があり、地域の必要利用定員総数との関係で認定をしない場合もあるため(第3条第8項)、早めに自治体に相談します。

よくある質問

株式会社の保育所は、幼保連携型認定こども園になれますか。

認定こども園法第12条は、幼保連携型認定こども園を設置できる者を、国、地方公共団体、学校法人、社会福祉法人に限っています。株式会社が設置者として幼保連携型を新設することは、この条文からは認められていません。それ以外のタイプで認定を受けられるかは、条例と自治体の運用によるため、所在地の自治体に確かめてください。

幼保連携型の保育教諭になるには、保育士資格だけでは足りませんか。

認定こども園法第15条第1項は、保育教諭を、幼稚園の教諭の普通免許状を有し、かつ保育士の登録を受けた者と定めています。免許と資格の併有に関する経過措置や特例は別に定められているため、自治体に確かめてください。

この違いは、公定価格の試算に関係しますか。

認定こども園の基本分単価表は、教育標準時間認定と保育認定の認定区分ごとに分かれています。類型は、加算・減算の適用を確かめる前提になります。移行の手続きと試算の引き継ぎは認定こども園への移行と試算の引き継ぎで整理しています。

自園の条件で試算する

所在地・定員・年齢別の園児数を入力すると、公定価格(委託費)を試算します。

結果には計算過程、使った告示・通知、確認日、そしてこの試算に含まれていない項目を必ず表示します。

公定価格の試算を開く

この記事は、認定こども園法の第2条・第3条・第9条・第12条から第15条まで・第17条と、児童福祉法第7条を扱います。自治体の条例、認定・認可の個別の審査、経過措置の適用、公定価格の単価は照合していません。最終的な判断は、施設の所在地の自治体に確認してください。

次に知りたいこと:認定こども園への移行と試算の引き継ぎ、認定こども園の職員資格がない場合の減算と経過措置、園長の兼務と公定価格の減算

この記事が参照した一次資料

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