数えられるのは雇用・嘱託・法人本部からの配置。訪問支援・巡回支援は数えられない
療育支援加算で専門職を活用する場合の注書きは、雇用形態を問わず、嘱託する場合や雇用している場合も対象になるとしています(留意事項通知の保育所の部、注6)。
公定価格FAQ(第32版、令和8年7月24日時点)のNo.299とNo.300は、この注書きをもとに、契約の相手と派遣の形による違いを答えています。
| 確保の形 | 配置等の時間への算入 | FAQ・通知の記載 |
|---|---|---|
| 施設が直接雇用する | 対象になる | 注6(雇用している場合も対象) |
| 施設が嘱託の契約をする | 対象になる | 注6(嘱託する場合も対象) |
| 法人本部が契約・雇用し、施設に配置して勤務させる | 対象になる | No.300(契約を行うのが施設か法人本部かは問わない) |
| 法人本部で雇用・配置し、複数の保育所等に派遣する | 対象になる | No.300(「配置」か「派遣」かで取扱いに差は生じない) |
| 保育所等訪問支援事業や市町村の巡回支援などで専門職の派遣を受ける | 算入できない | No.299(算入できない理解で「お見込みのとおり」) |
契約の主体が施設でも法人本部でも、算入の可否は変わらない一方で、訪問支援事業や巡回支援による派遣は、専門職の配置等をした時間に算入できません。
この記事は、専門職を確保する形と時間への算入の関係だけを扱います。月60時間・90時間の数え方は、下の表の関連記事で説明しています。
法人本部の雇用は、配置でも派遣でもよい
No.300の問いは、専門職の活用で雇用形態を問わないとされていても、施設が直接雇用するか嘱託の契約を結ぶ必要があるのか、法人本部で雇用・配置して2か所の保育所等に派遣する運用はできるのか、というものです。
答えは、契約の主体を問わず、法人本部の雇用で各施設に勤務させる運用も可能、という3点です。
契約の主体は問わない
契約を行うのが施設か法人本部かは問わない、とされています。
本部の雇用で各施設に勤務させる運用も可能
法人本部で職員を雇用・配置し、各施設において勤務させるような運用も可能とされています。
「配置」と「派遣」の呼び方で取扱いは変わらない
この場合に「配置」とするか「派遣」とするかは、特に取扱いに差が生じるものではなく、どちらでも差し支えないとされています。
「派遣」という言葉だけで、算入できる・できないを決めない
No.300は法人本部が雇用した職員を各施設で勤務させる運用を認め、No.299は保育所等訪問支援事業や市町村の巡回支援による派遣の受け入れを算入できないとしています。同じ「派遣」でも、答えが分かれます。
専門職がどの契約で、誰に雇用されて施設に来ているのかを整理する。法人本部の職員なのか、訪問支援事業や巡回支援として来る人なのかを、最初に区別する。
FAQには、法人とは別の事業者との契約で派遣される場合の扱いは書かれていません。そうした形を検討するときは、施設の所在地の市町村に確認してください。
訪問支援・巡回支援の専門職は、時間に入れない
No.299の問いは、保育所等訪問支援事業や市町村が行う巡回支援などにより専門職の派遣を受ける場合は、専門職の配置等をした時間に算入できない理解でよいか、というものです。答えは「お見込みのとおりです」の一言です。
これらの支援を受けた時間は、専門職の月60時間以上等の時間に足さないことになります。
外部の支援を受けた日を、専門職の勤務時間に入れていないか
訪問支援や巡回支援による派遣の受け入れは、No.299でこの加算の専門職の時間に算入できないとされています。月の合計時間に混ぜると、60時間・90時間に届いたように見えても、算入できない時間が含まれることになります。
専門職の勤務の記録は、自園の専門職が従事した時間と、外部の訪問支援・巡回支援を受けた日を、別の記録に分ける。
取組の中で、児童発達支援センターなどの機関と連携すること自体は、別の要件です。連携の取組の扱いは取組が一部できないときの要件の判断で説明しています。
雇用形態のほかに確認する3点
雇用の形が整っていても、専門職として数えるには、別の条件も満たす必要があります。職種と経験、補助金との重複、配置基準との二重計上の3点を確認します。
| 確認すること | 内容 | 詳しい説明 |
|---|---|---|
| 職種と経験 | 注書きが定める職種のいずれかに該当し、子育て支援に係る業務の経験があること。障害児の療育の指導の経験を使う場合は、5年以上の経験の数え方も確認する | 専門職の5年の経験の数え方 |
| 医療的ケア児保育支援事業補助金 | 補助を受けて配置している看護師は、専門職にできない(No.301) | 補助金と療育支援加算の関係 |
| 年齢別配置基準 | 同じ時間帯を、加算の時間と配置基準の常勤換算の両方に計上できない(No.296) | 専門職の月60時間・90時間の数え方 |
加算の認定では、設置者の申請に、専門職の職種や各月の業務に従事する時間(見込みを含む)が確認できる資料等を添えることが、留意事項通知に定められています。
法人本部の職員を専門職とする場合に、雇用関係や勤務の割り振りをどの資料で示すかは、通知に具体的な書き方がありません。認定を行う市町村に確認してください。
専門職を確保する前の確認の順序
誰に雇用されている人か、外部の支援か、職種と経験、補助金の重複、時間の記録の順に確認します。
専門職の雇用元を確かめる
施設の直接雇用か嘱託か、法人本部の雇用かを確認します。ここまでは、いずれも算入の対象になる形です。
外部の支援と分ける
保育所等訪問支援事業や市町村の巡回支援で来る専門職は、時間への算入の対象から外します。
職種と経験を確かめる
注書きの職種に該当するか、経験年数の要件を満たすかを、資格や職歴の資料で確認します。
補助金の重複を確かめる
医療的ケア児保育支援事業補助金で配置している看護師を、専門職として数えていないかを確認します。
施設ごとの実働時間を記録する
専門職の時間は実働時間で数えます(No.292)。法人本部の職員が複数の施設で働く場合は、施設ごとに従事した日と時間を分けて残します。
この記事は、公定価格FAQ(第32版、令和8年7月24日時点)のNo.299・No.300と、留意事項通知の保育所の部の注書きの整理です。FAQには、1人の専門職の時間を複数の施設に割り振るときの按分の方法は書かれていません。
個別の施設が算定できるかどうかの判断や、認定は、施設の所在地の市町村が行います。自園の扱いは、所轄の市町村に確認してください。
よくある質問
法人本部の雇用、派遣の呼び方、訪問支援の扱いが、よく聞かれる3点です。
- 専門職は、施設が直接雇用していないと数えられませんか。
No.300では、契約を行うのが施設か法人本部かは問わないとされています。法人本部で職員を雇用・配置し、各施設において勤務させる運用も可能です。
- 法人本部の専門職が複数の園を回る場合、「派遣」と書くと算入できなくなりますか。
No.300では、法人本部で雇用・配置して各施設で勤務させる場合に、「配置」とするか「派遣」とするかで取扱いに差は生じず、どちらでも差し支えないとされています。
- 市町村の巡回支援で来た専門職の時間は、60時間に足せますか。
No.299では、保育所等訪問支援事業や市町村が行う巡回支援などにより専門職の派遣を受ける場合は、専門職の配置等をした時間に算入できないとされています。
次に読む記事
加算の認定と基本額の区分を先に確かめると、専門職の確保の計画が立てやすくなります。認定と区分は療育支援加算の認定と区分の確認で、取組が計画どおりに進まないときの考え方は取組が一部できないときの要件の判断で確認できます。
自園の条件で試算する
ほかの記事の確認事項・よくある質問の一覧
この記事が参照した一次資料
- 公定価格に関するFAQ(よくある質問)(第32版)
該当なし/令和8年度当初/確認日 2026-09-03
- 特定教育・保育等に要する費用の額の算定に関する基準等の実施上の留意事項について
こ成保38、5文科初第483号(令和5年5月19日。最終改正: こ成保306、8文科初第172号、令和8年4月8日)/令和8年度当初/確認日 2026-09-03