解説

処遇改善等加算の区分3の配分:法定福利費による差額の払い方・園長以外の管理職・4月1日時点で育休中の職員(FAQ No.61・63〜65)

処遇改善等加算の区分3で配分に迷う4つの場面を、国の通知とFAQ(第4版)の原文で整理します。取り上げるのは、法定福利費が少なくて生じる差額の払い方、リーダー等や園長以外の管理職に配るときの上限、4月1日に育児休業中の職員を人数に含めてよいかを含む4つの場面です。

区分3の配分は月額の上限と対象の職位が決まっている

処遇改善等加算通知の第2の3(3)は、区分3の個別の職員への賃金改善額を次のように定めています。

区分3-①の副主任保育士等は月額4万円を超えないこと、区分3-②の職務分野別リーダー等は原則月額5千円です(条件つきで5千円以上4万円未満)。

この枠に収まらない場面が、実務では出ます。

FAQ(第4版、令和7年9月2日時点版)のNo.61、No.63〜65は、そのうち4つの場面に答えています。

FAQ No.61・63〜65が答えている4つの場面
FAQ場面答えの要点
No.61法定福利費の事業主負担が少なく、加算額を下回って差額が出た施設職員の賃金改善に確実に充てる。月額が4万円を上回ってもよい
No.634月1日時点で育児休業中の職員研修修了者の人数の算定に含めて差し支えない
No.64リーダー等や園長以外の管理職に区分3-①で改善するいずれの場合も4万円未満が上限
No.65園長以外の管理職を副主任保育士等の最高額以上にする認められない(改善前の賃金の差が広がるため)

法定福利費が少なくて生じた差額は、施設で配分先を選べる(FAQ No.61)

区分3は、全額を基本給・決まって毎月支払われる手当で改善する必要があります。

No.61の問いは、法定福利費等の事業主負担増加額が少ないために、加算の見込額を下回って差額が出たとき、その差額をどう支払えばよいかというものです。

答えは次のとおりです。

差額分は、施設職員の賃金改善に確実に充てる必要があります。対象者・改善額・改善方法は、施設の事情に応じて自由に決められます。

例として、副主任保育士等として発令していない職員への配分、一時金での支払い、翌年度の賃金改善への充当が挙がっています。

基本給・決まって毎月支払われる手当に加えて一時金を払い、結果として月額が4万円を上回る配分になってもかまいません。

その場合は、法定福利費等による差額の調整であることが分かるように、改善計画書や実績報告書などに書くことが求められています。

4月1日時点で育休中の職員も研修修了者の人数に含められる(FAQ No.63)

処遇改善等加算通知の第2の3(1)の(注1)は、区分3の人数を加算当年度の4月1日時点の研修修了者の人数で判断するとしています。

No.63の問いは、4月1日時点で育児休業等を取っている職員を、この算定に含めてよいかです。

FAQの答えは、含めて差し支えないという一文です。

育休を取っているかどうかで、4月1日時点の人数から外す必要はありません。

育休中の職員の賃金改善額の扱いは、別のFAQで整理されています。

休業中の保育士の扱いは、関連記事の産休・育休中の保育士の処遇改善等加算の扱いで説明しています。

リーダー等や園長以外の管理職に配る場合の上限(FAQ No.64・65)

通知の第2の3(2)の(注2)は、2つの例外を認めています。

1つは、職員の経験年数、技能、給与等の実態を踏まえて施設・事業所が必要と認める場合に、職務分野別リーダー等へ区分3-①による賃金改善を行えることです。

もう1つは、改善後の副主任保育士等の賃金が園長以外の管理職の賃金を上回るなど、賃金のバランスを踏まえて必要な場合に、その管理職へ区分3-①による改善を行えることです。

通知は、園長以外の管理職を「幼稚園及び認定こども園の副園長、教頭、主幹教諭等及び主幹保育教諭並びに保育所等の主任保育士」と定義しています。

No.64は、これらの場合の賃金改善額の上限が4万円なのか、4万円未満なのかを問うています。

答えはいずれの場合も4万円未満が上限です。

No.65は、園長以外の管理職へ、副主任保育士等の賃金改善額のうち最も多い額以上の改善を行えるかを問うています。

答えは、管理職への改善はあくまで賃金のバランスを踏まえて必要な場合に限って可能で、副主任保育士等と園長以外の管理職の改善前の賃金の差が広がる改善は認められない、というものです。

対象と月額の整理(通知の第2の3(3)とFAQ No.64・65)
配分先月額の目安
副主任保育士等(区分3-①)4万円を超えない
職務分野別リーダー等(区分3-②)原則5千円。副主任保育士等の最低額を上回らない範囲で5千円以上4万円未満
リーダー等への区分3-①による改善(例外)4万円未満
園長以外の管理職への区分3-①による改善(例外)4万円未満。副主任保育士等との改善前の賃金の差を広げない

自園で確認すること

配分を決める前に、次の3つを確かめます。

  1. 差額が出たときの使い道を決める

    法定福利費が少なく差額が出る場合に備え、使い道を決めておきます。FAQの例は、発令していない職員への配分、一時金、翌年度への充当です。月額が4万円を上回るときは、差額の調整であることを計画書・実績報告書等に書きます。

  2. 育休中の職員を4月1日の人数に含めるか確かめる

    4月1日時点の研修修了者の人数は、育児休業中の職員を含めて数えて差し支えありません。休業中の賃金改善額は別に扱います。

  3. 管理職への配分は賃金のバランスで説明できるか確かめる

    園長以外の管理職へ配るのは、副主任保育士等の賃金が管理職を上回るなど必要な場合に限られます。月額は4万円未満で、改善前の賃金の差を広げないようにします。

この記事は、処遇改善等加算通知とFAQ(第4版)の整理です。個別の配分が要件を満たすかどうかを判定するものではなく、計画書や報告書の作成を代行するものでもありません。

最終的な判断は、加算の認定を行う所轄の自治体に確認してください。

よくある質問

区分3の配分について、よく聞かれる4点です。

法定福利費が少なくて差額が出たら、誰にどう払えばよいですか。

FAQ No.61は、施設職員の賃金改善に確実に充てれば、対象者・改善額・改善方法は施設の事情に応じて自由に行えるとしています。発令していない職員への配分、一時金、翌年度への充当が例です。

差額を一時金で払うと、月額が4万円を超えてもよいですか。

FAQ No.61は、結果として月額が4万円を上回る配分になることも差し支えないとしています。法定福利費等による差額の調整であることが分かるように、計画書・実績報告書等に書くことが条件です。

4月1日に育休中の職員は、研修修了者の人数に入れてよいですか。

FAQ No.63は、含めて差し支えないと答えています。

主任保育士に区分3-①で改善するとき、上限はいくらですか。

FAQ No.64は、園長以外の管理職への改善は4万円未満が上限としています。保育所等の主任保育士は、通知で園長以外の管理職に含まれています。なお、小規模保育などで主任保育士を直接の対象にできるかは、別のFAQ(No.40)の扱いです。

次に読む記事

区分3の対象や配分は、別の記事でも整理しています。発令と職位は区分3の発令と職位、人数の確認は区分3の人数の確認、小規模保育の主任保育士は小規模保育・企業主導型保育の区分3と主任保育士を読んでください。

自園の条件で試算する

認定を受けた人数A・Bを入力し、区分3の内訳を確認します。

結果には計算過程、使った告示・通知、確認日、そしてこの試算に含まれていない項目を必ず表示します。

公定価格の試算を開く

この記事が参照した一次資料

ほかの解説

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