解説

処遇改善等加算(区分3)の対象職位と発令(役職名・年度途中の任用・毎年度の再発令)

処遇改善等加算の区分3で、賃金改善の対象になる副主任保育士等・職務分野別リーダー等を、どのように発令し確認するかを整理します。役職名の自由度、年度途中の採用や新任、毎年度の再発令の要否、経験年数の目安、主任保育士等の扱いを、こども家庭庁のFAQに沿って説明します。

区分3の対象は、副主任保育士等と職務分野別リーダー等の職位

区分3の賃金改善は、原則として通知が定める「副主任保育士等」と「職務分野別リーダー等」の職位にある職員が対象です。

対象かどうかは、資格や勤続年数だけでなく、その職位に発令されているかで確認します。

人数A・Bの確認は処遇改善等加算(区分3)は人数A・Bで試算、対象に含められる職員の範囲(非常勤・派遣など)は処遇改善等加算の賃金改善は誰が対象か(区分ごとの範囲と非常勤・派遣・独自加配)で説明しています。ここでは、職位の発令と確認の実務に絞ります。

発令についてFAQが示す6つの扱い

区分3の発令に関するFAQの回答(令和7年9月2日時点の第4版)
論点FAQの回答
役職の名称「副主任保育士」「専門リーダー」「職務分野別リーダー」などは例であり、業務実態に応じて別の名称でもよい
既存の役職教務主任・学年主任など、すでに相当する役職が設けられていれば、そのまま区分3の対象にできる
施設ごとの違い副主任保育士等と職務分野別リーダー等のどちらで任命するかは、各施設の人事体系・賃金体系で判断する。施設によって異なってよい
毎年度の発令同一の職位等に引き続き在職する場合は、改めて発令する必要はない
年度途中の採用・新任年度途中に採用した職員や、新たに発令を受けて職位に就く職員も加算の対象にできる(人数A・Bの算定に用いる人数の基準日は別に定められているため、通知で確認する)
経験年数通知が示す経験年数は、その職位の職員が通常有する年数の目安であり、満たさなければ対象外とも、一律に改善しなければならないとも定められていない

役職名を通知の例に合わせる必要はなく、発令の根拠は施設・事業所の人事体系に置けます。経験年数も、対象を決める線引きではなく目安として示されています。

主任保育士等と研修修了の関係

区分3の対象職員は、別に定める研修(保育士等キャリアアップ研修)の修了または修了見込みが求められます。研修の内容は処遇改善等加算(区分3)は人数A・Bで試算のよくある質問にまとめています。

FAQの別々の問に、研修要件の例外が2つ示されています。

賃金のバランスを踏まえて主任保育士等へ区分3の賃金改善を行う場合、その主任保育士等は、研修を修了している、または修了見込みである必要は必ずしもありません。これは、主任保育士等より副主任保育士等の賃金の方が高くなって賃金バランスが崩れ、結果として主任保育士等に賃金改善ができなくなることを避けるための取扱いです。

もう一つは、施設・事業所が必要と認めて職務分野別リーダー等へ区分3-①の賃金改善を行う場合です。

この場合、区分3-①で求めている研修の修了や修了見込みは必ずしも必要ではありませんが、通知が職務分野別リーダー等について別に定める研修の修了または修了見込みは必要です。

確認の手順

職位、発令、研修、人数A・Bの順に確認すると、試算に入れる前の抜けを防げます。

  1. 職位の根拠を確認する

    区分3の対象にする職位が、副主任保育士等または職務分野別リーダー等のどちらにあたるか、施設の人事体系で整理します。

  2. 発令を確認する

    対象職員がその職位に発令されているかを確認します。同じ職位に引き続き在職する職員は、再発令は不要です。

  3. 研修の修了状況を確認する

    修了または修了見込みの状況を確認します。主任保育士等の賃金バランス調整は例外の扱いです。

  4. 人数A・Bの根拠を確認する

    認定を受けた人数A・Bを別途通知で確認し、試算に入力します。

よくある質問

職位の設け方や発令の形式で判断がつかないときは、区分3の認定を行う自治体へ確認します。

役職名は「副主任保育士」でなければなりませんか。

いいえ。FAQは、副主任保育士・専門リーダー・職務分野別リーダーなどは例であり、業務実態に応じて別の名称を使うこともできると答えています。

年度途中に採用した職員や、途中で昇進した職員は対象にできますか。

できます。年度途中に採用した職員や、新たに発令を受けて職位に就く職員も、加算の対象にできるとFAQは答えています。ただし、人数A・Bの算定に用いる人数の基準日は別に定められているため、通知で確認してください。

経験年数が通知の目安に届かない職員は、対象外ですか。

一律に対象外とはなりません。FAQは、通知が示す経験年数は目安であり、満たさなければ対象にできないわけではないと答えています。各園の職員構成や職責に応じた判断になります。

この試算で、職員ごとの発令や研修修了を確認できますか。

できません。試算は認定済みの人数A・Bを入力して加算額を計算するだけで、個々の職員の職位や研修修了は判定しません。

発令と研修の確認をそろえてから、人数A・Bを入力する

区分3の試算は、認定された人数A・Bを入力して行います。職位の発令や研修の確認は、試算の前に施設側でそろえておく事項です。

確認済みの人数A・Bと月初利用状況を入力し、区分3の内訳を確認します。

公定価格の試算を開く

この記事が参照した一次資料

ほかの解説