解説

処遇改善等加算の区分3で研修修了見込みの職員をどう数えるか(4月1日時点の判定・FAQ No.15・19〜23)

年度内に研修を修了する予定の職員(研修修了見込みの者)は、区分3の賃金改善の対象になります。一方、4月1日時点の研修修了者の人数で判断する場面では数えません。この違いを、処遇改善等加算通知とFAQ(第4版)のNo.15・19〜23で整理します。

研修修了見込みの者の定義と、扱いが分かれる2つの場面

処遇改善等加算通知は、研修修了見込みの者を次のように定めています。

年度内に別に定める研修を修了する予定であること。研修計画に、その人が研修を受けることが明示され、本人に周知されていること。副主任保育士等または職務分野別リーダー等に準ずる職位や職務命令を受けていること。

この3つをすべて満たす人です。

この人たちを数えるかどうかは、場面によって答えが逆になります。

区分3の賃金改善の対象には含めます。一方、4月1日時点の研修修了者の人数で判断する場面では含めません。

研修修了見込みの者の扱い(処遇改善等加算通知)
場面研修修了見込みの者通知の箇所
区分3の賃金改善の対象含める第2の3(2)の(注1)
研修修了者の人数で判断する場面(加算当年度の4月1日時点)含まない第2の3(1)の(注1)
人数Aの上限(研修修了者が人数Aに達しないとき)含まない(研修修了者の人数だけで数える)第4の3

通知は、4月1日時点で研修修了者がいない施設・事業所が、年度の途中で研修修了者を1人以上確保できて要件を満たした場合は、満たした日の属する月の翌月から加算を適用できるとも定めています。

賃金改善の対象には含められる。修了できなかったときの扱い(FAQ No.15)

処遇改善等加算FAQ(第4版、令和7年9月2日時点版)のNo.15は、年度当初は研修修了見込みがあったため賃金の改善を行ったが、結果として研修を修了できなかった場合、加算の要件に該当しないことになるのかを問うています。

答えは次のとおりです。

加算額の返還を求めることまでは要しませんが、翌年度に、速やかに研修を修了してください。

要件に該当しなくなる、とは書かれていません。

No.15の答えの読み方
場面FAQの答え
年度内に研修を修了できなかった加算額の返還を求めることまでは要しない
翌年度速やかに研修を修了する
翌年度に、合理的な理由なく速やかに修了しないまま配分の対象にした処遇改善等加算通知の第7(虚偽等の場合の返還措置)に該当することもあり得る
加算を認定する自治体翌年度の認定の際に、その人が研修を修了しているかを確認する。修了していなければ、賃金改善の対象から除くよう求める

年度中は4月1日時点の人数で算定する(FAQ No.19)

No.19は、年度の途中で研修修了者の人数が増えたり減ったりした場合の扱いを問うています。

答えは、通知の(注1)については増減を考慮しません。

加算当年度の4月1日時点の人数で、その年度中は算定します。

理由として、FAQは次のように説明しています。

区分3は、基本給または決まって毎月支払われる手当による改善を求めています。

研修修了者の増減で年度途中に加算額が変わると、基本給や手当の金額も変えるため、給与表・給与規程などの改定の事務負担が生じます。

その負担を減らすための扱いです。

通知の区分3の加算額の算定の項も、原則として、加算当年度を通じて同じ算定対象人数と区分3の種類を適用するとしています。

人数Aに修了見込みの者を含めてよいのは令和7年度の取扱い(FAQ No.20〜23)

通知では、人数Aは基礎職員数×1/3で求め、第2の3(1)のⅰとⅲの研修修了者が人数Aに達しないときは、研修修了者の人数で数えます。この研修修了者に、研修修了見込みの者は含まれません(第2の3(1)の(注1)の定義による)。

ここにFAQ No.20〜23が、令和7年度の取扱いとして例外を示しています。例外が使えるのは令和7年度で、令和8年度の人数Aは4月1日時点の研修修了者で数えます。

FAQ No.20〜23の整理
番号問いFAQの答え
No.20研修修了見込みの者を、人数Aの「研修修了者」に含めてよいか令和7年度に限り、令和6年度に加算Ⅱの認定を受けていた施設・事業者は、令和7年4月1日時点で在籍していた職員について、研修修了見込みの者を含めて差し支えない。副主任保育士等だけでなく、ⅲの園長等も対象にしてよい
No.21研修計画の作成、本人への周知、準ずる職位や職務命令は、いつまでに必要か基本的には加算の認定申請をするときまでに行う。個別の事情でできなかった場合は、できるだけ速やかに行えばよい
No.22見込みで人数Aに含めたが、修了できなかった場合は加算額の返還を求めることまでは要しないが、翌年度に速やかに修了する。令和8年4月1日時点で修了していなければ、令和8年度の人数Aには含められない
No.23見込みの人数が基礎職員数×1/3を超える場合は人数Aは基礎職員数×1/3の人数になる(お見込みのとおり)

No.20が例外を設けた理由は、FAQが説明しています。見直し後の要件では加算額が少なくなる施設が出るため、これまで賃金改善を受けてきた職員が、改善を受けられなくなることを避けるためです。

自園で確認すること

区分3の対象職員を、研修修了者と研修修了見込みの者に分けて確認します。

  1. 職員を2つに分ける

    研修を修了している人と、年度内に修了する予定の人を分けて名簿にします。人数Aの数え方の確認と、賃金改善の対象の確認で、使う区分が違うためです。

  2. 修了見込みの者の記録を残す

    研修計画に受講を明示したこと、本人への周知、準ずる職位や職務命令の記録を、認定申請までに整えます。間に合わなかった場合は、できるだけ速やかに整えます。

  3. 4月1日時点の修了者数を確認する

    人数Aに関わる研修修了者は、加算当年度の4月1日時点の人数です。年度の途中に修了者が増えても、その年度の算定は変わりません。

  4. 年度末に修了状況を確認する

    修了見込みだった人が年度内に修了したかを確認します。修了していない場合は、翌年度に速やかに修了し、翌年度の4月1日時点で修了者に数えられるかを確認します。

この記事は、処遇改善等加算通知とFAQ(第4版)の整理です。個別の職員が研修修了見込みの者に当たるか、加算が認定されるかを判定するものではありません。

最終的な判断は、加算の認定を行う所轄の自治体に確認してください。

よくある質問

研修修了見込みの者について、よく聞かれる3点です。

研修修了見込みの者は、区分3の賃金改善の対象にできますか。

できます。通知の第2の3(2)の(注1)は、区分3の賃金改善の対象に研修修了見込みの者を含むとしています。一方、4月1日時点の研修修了者の人数で判断する場面では、研修修了見込みの者は含みません。

年度の途中で研修修了者が増えたら、その年度の算定も変わりますか。

変わりません。FAQ No.19は、年度途中の増減を考慮せず、加算当年度の4月1日時点の人数で当該年度中は算定するとしています。

研修を修了できなかった職員の分は、加算を返す必要がありますか。

FAQ No.15・22は、加算額の返還を求めることまでは要しないとしています。ただし、翌年度に速やかに研修を修了する必要があります。合理的な理由なく修了しないまま配分の対象にすることは、返還措置に該当することもあり得ます。

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自園の条件で試算する

認定を受けた人数A・Bを入力し、区分3の内訳を確認します。

結果には計算過程、使った告示・通知、確認日、そしてこの試算に含まれていない項目を必ず表示します。

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