解説

処遇改善等加算で年度途中の事情が出たとき:毎月払いが1/2を下回る・認定前の未支給・区分3対象者の休業(FAQ No.46・47・50)

処遇改善等加算の区分2・3で、年度の途中に事情が変わったときの扱いを、3つの場面に分けて整理します。毎月払いの改善額が1/2を下回ったとき。自治体の認定が出るまで改善分を払わないとき。区分3の対象職員が休業したとき。国の通知とFAQの原文で確認します。

区分2・3の「1/2以上を毎月払い」という要件が前提になる

処遇改善等加算通知の第5の2は、区分2と区分3を併せた加算による改善額のうち、1/2以上を基本給・決まって毎月支払われる手当で改善するよう求めています(この記事では「毎月払い」と呼びます)。

区分3の質の向上分は、役職手当や職務手当など、決まって毎月支払われる手当か基本給で改善する定めです。

年度の途中で想定していなかった事情が起きると、この計画どおりに払えない場面が出ます。

FAQ(第4版、令和7年9月2日時点版)は、そのうち3つの場面に答えています。

毎月払いの改善額が1/2を下回ったときは認定を取り消さない(FAQ No.46)

No.46の問いは、賃金改善の実施期間が終わってみると、毎月払いの改善額が1/2を下回っていた場合です。

区分2・3の要件を満たさないとして、加算認定が取り消されるのかを問うています。

答えは次のとおりです。

賃金改善計画書を作ったときに想定していなかった事情の影響で1/2を下回った場合は、加算認定を取り消す必要はありません。

例として、年度の途中に職員が急に休業を取った場合が挙がっています。

回答には続きがあります。

賃金改善実績報告書で加算の残額が出ているときは、翌年度に、その全額を一時金等で職員の賃金改善に充てる必要があります。

自治体の認定が出るまで改善分を払わない運用は慎重に(FAQ No.47)

No.47は、前年度に区分3を取得していても、当年度の加算には改めて認定が必要であることを前提にしています。

そのうえで、自治体の認定が出るまで改善分の給与を支給せず、認定後にさかのぼって支給することはできるかを問うています。

答えは次のとおりです。

区分3の賃金改善は基本給・決まって毎月支払われる手当で行う必要があるため、加算による改善分の給与を支給するよう努めてください。

さらに、改善分を一時的にでも支給しないことは、賃金の引き下げに当たる可能性があります。

労働契約や就業規則に照らして問題がないか、十分に検討するよう求めています。

区分3の対象職員が休業したときは代理の発令が基本(FAQ No.50)

No.50は、区分3の対象職員が、年度の途中に計画時には想定していなかった事情で休業になった場合に、賃金改善をどう行うかを問うています。

答えの基本は次のとおりです。

代理の職員の発令等を行い、その職員に賃金改善を行います。

休業になった時期や職員構成から、代理の発令が難しい場合は別の扱いが認められています。

代理の発令はせず、施設の職員の賃金改善に充てれば問題ありません。

その場合、対象者、改善額、改善方法は、施設で自由に決められます。

代理の発令が難しい場合の使い道(FAQ No.50の例)
使い道FAQに書かれていること
発令していない職員への配分副主任保育士等として発令していない職員に配分してもよい
一時金での支払い一時金によって支払ってもよい
翌年度の賃金改善翌年度の賃金改善に充ててもよい

この場合、配分が月額4万円を上回ってもかまいません。

ただし、当初は想定できなかった事情による残額の調整であることが分かるように、実績報告書に書く必要があります。

自園で確認すること

想定外の事情が起きたときに備えて、事前に決めておくことが3つあります。

  1. 毎月払いの割合を月ごとに確認する

    区分2・3を合わせた改善額のうち、基本給と決まって毎月支払われる手当の分が1/2以上になっているかを、賃金改善の実施期間中に月ごとに確かめます。

  2. 認定待ちの間の支給方法を決める

    認定が出る前から、改善分を毎月の手当などで支給する方針にするか、就業規則や労働契約に照らして決めておきます。

  3. 休業が出たときの手順を決める

    代理の発令を行うか、行わず別の使い道にするかを決め、後者なら実績報告書に残額の調整であることを書く準備をします。

この記事は、処遇改善等加算通知とFAQ(第4版)の整理です。個別の事案が要件を満たすかどうかや、労働契約上の問題の有無を判定するものではありません。

最終的な判断は、加算の認定を行う所轄の自治体に確認してください。

よくある質問

年度途中の事情について、よく聞かれる3点です。

毎月払いの改善額が1/2を下回ると、加算の認定は取り消されますか。

想定していなかった事情の影響であれば、取り消す必要はないとFAQ No.46は答えています。ただし加算の残額が出ている場合は、翌年度にその全額を一時金等で職員の賃金改善に充てる必要があります。

認定が出るまで改善分を払わず、認定後にまとめて払ってもよいですか。

FAQ No.47は、改善分の給与を支給するよう努めることを求めています。一時的にでも支給しないことは賃金の引き下げに当たる可能性があるとして、労働契約や就業規則に照らした検討を求めています。

区分3の対象職員が休業したら、その人の改善分はどうなりますか。

FAQ No.50は、代理の職員の発令等を行い、その職員に改善を行うのが基本としています。発令が難しい場合は、別の職員への配分、一時金、翌年度の賃金改善への充当も認めています。

次に読む記事

処遇改善等加算の毎月払いと休業中の扱いは、別の記事でも整理しています。区分2の確認は処遇改善等加算(区分2)の確認、休業中の保育士の扱いは産休・育休中の保育士の処遇改善等加算の扱い、配分の方法は処遇改善等加算の配分方法を読んでください。

自園の条件で試算する

認定を受けた人数A・Bを入力し、区分3の内訳を確認します。

結果には計算過程、使った告示・通知、確認日、そしてこの試算に含まれていない項目を必ず表示します。

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