解説

チーム保育推進加算の増収分の使い道と実績報告(差額は翌年度に一時金等で賃金改善)

チーム保育推進加算の増収分を何に充てるか、年度終了後の実績報告書、加算額の実績と支出に差額が出たときの翌年度の扱いを、令和8年度の留意事項通知(別紙2の9)に沿って整理します。

増収分の使い道は通知が決めている(要件4項目のうちの1つ)

チーム保育推進加算には、配置や経験年数の要件のほかに、加算で増えた収入の使い道の要件があります。留意事項通知の別紙2「9.チーム保育推進加算(⑮)」の(1)(エ)は、加算による増収は、保育士の増員や、その保育所全体の職員の賃金改善に充てることと定めています。

増収分の使い道(別紙2の9(1)(エ))
充てられるもの通知の言い方読み方
保育士の増員保育士の増員通知は、使い道を「増員」とだけ書いています。人件費のどこまでを含めるかは市町村に確認します
職員の賃金改善当該保育所全体の職員の賃金改善加配した保育士だけでなく、保育所全体の職員が対象

加算の対象になる配置の要件と加配人数の数え方はチーム保育推進加算の要件4項目と加配人数の数え方で説明しています。この記事は、4項目のうちの最後の、お金の使い道と、年度が終わったあとの報告だけを扱います。

賃金改善の具体的な方法や、増員した人件費に何を含めるかは、通知に細かい定めがありません。施設が所在する市町村が申請や指導監督を通じて確認する事項なので、判断に迷う場合は市町村に確認してください。この記事や試算は、個別の施設が要件に適合しているかを判定しません。

年度終了後速やかに実績報告書を市町村長に出す

加算の適用を受けた施設には、報告の義務があります。通知の別紙2の9(4)は、本加算の適用を受けた施設は、年度終了後速やかに実績報告書を市町村長に提出することと定めています。

  1. 誰が出すか

    チーム保育推進加算の適用を受けた施設です。加算を試算に入れて受け取った施設は、報告の対象になります。

  2. どこへ出すか

    市町村長です。加算の認定を行うのも、施設が所在する市町村長です。

  3. いつ出すか

    年度終了後速やかにです。通知はこの加算について、日付を決めていません。通知に期日と様式の定めはないので、提出の期日と様式は市町村の案内で確認します。

休日保育加算の「翌年4月末日」と取り違えていないか

同じ別紙2の休日保育加算(5.の(4))は、翌年4月末日までに実績報告書を出すと、日付を決めています。チーム保育推進加算の(4)は「年度終了後速やかに」で、日付の書き方が違います。

加算ごとに通知の書き方を確かめる。期日は市町村が案内するので、チーム保育推進加算の報告の期日を、休日保育加算の4月末日で代用しない。

加算額の実績と支出に差額が出たら、翌年度に全額を賃金改善に充てる

報告では、受け取った加算額と、使い道の要件に挙げた支出を比べます。通知は、加算額の実績と(1)(エ)の要件に掲げる支出とを比較して差額が生じた場合には、翌年度において、その全額を一時金等により賃金改善に充てることと定めています。

加算額の実績と支出の比べ方(別紙2の9(4))
比べるもの内容差額が出たときの扱い
加算額の実績年度に受け取ったチーム保育推進加算の額通知は差額の向きを書いていません。加算額が支出を上回る場合と下回る場合の扱いは、市町村に確認します
要件に掲げる支出保育士の増員や、保育所全体の職員の賃金改善に充てた額差額は翌年度に、その全額を一時金等により賃金改善に充てる

ここで押さえる点は2つです。通知が差額の扱いとして定めているのは、翌年度の賃金改善に充てることです。また、「一部」ではなく「全額」と書かれているので、差額の一部だけを充てる処理は、通知の文言に合いません。

年度内に使い切れなかった分を、そのまま園の収入にしていないか

加算の増収分は、使い道が要件として決まっています。年度末に加算額が支出を上回っているのに、翌年度に賃金改善へ充てる処理をしないと、(4)の定めに合わなくなります。

年度末に、加算額の実績と、増員・賃金改善に充てた支出を並べて差額を出す。差額があれば、翌年度に一時金等で賃金改善に充てる計画を立て、記録に残す。

加算額の中身と、報告のときに並べる数字

通知の別紙2の9(3)は、加算額を二つの部分で計算すると定めています。地域区分等に応じた単価に加配人数を乗じた額と、処遇改善等加算(区分1・区分2)の単価に認定された加算率を乗じた額に、加配人数を乗じた額を加えた額です。加算額は、加配人数に比例する形になっています。

  1. 年度の加算額を確かめる

    認定された加配人数と、各月に受け取った加算額を、手元の請求や入金の記録で確認します(運用上の一例です)。

  2. 増員と賃金改善の支出を集める

    必要保育士数を超えて配置した保育士の人件費と、保育所全体の職員の賃金改善の支出を、給与の記録から集めます。

  3. 加算額と支出を比べる

    差額の有無を確かめます。比べた結果は、市町村に説明できる形で残しておくと確認しやすくなります(通知の定めではなく、運用上の例です)。

  4. 実績報告書を出す

    年度終了後速やかに、市町村が案内する様式と期日で提出します。

  5. 差額を翌年度に充てる

    差額があれば、翌年度に全額を一時金等により賃金改善に充てます。

加算額の単価や加算率の値は、年度ごとの告示と、市町村の認定で決まります。この記事は金額を載せず、報告の流れだけを説明しています。実際の金額は試算ツールの計算過程と、市町村の認定通知で確認してください。

処遇改善等加算の実績報告との関係

報告の根拠は加算ごとに別なので、処遇改善等加算の報告と混ぜずに確認します。処遇改善等加算にも、賃金改善の実績を報告する仕組みがあります。処遇改善等加算の実績報告の確認は処遇改善等加算の実績報告の確認、配置に関わる加算の違いは配置系の加算の比較で説明しています。

チーム保育推進加算の報告を、処遇改善等加算の実績報告で代用できるとは、通知に書かれていません。両方の報告が必要かどうかは、市町村の案内で確認してください。

よくある質問

使い道、報告の時期、差額の扱いが、よく聞かれる3点です。

チーム保育推進加算の増収分は、加配した保育士の給与にしか使えませんか。

いいえ。通知の別紙2の9(1)(エ)は、保育士の増員や、当該保育所全体の職員の賃金改善に充てることと定めています。加配した保育士に限った使い道ではありません。

実績報告書はいつまでに出しますか。

通知の(4)は「年度終了後速やかに」と定め、日付は決めていません。通知に期日と様式の定めはないので、市町村の案内で確認してください。

加算額が支出より多かったとき、差額はどうなりますか。

通知の(4)は、差額が生じた場合は翌年度に、その全額を一時金等により賃金改善に充てることと定めています。

次に読む記事

配置と経験年数の要件を満たした上で、使い道と報告まで見通すと、加算を試算に入れる判断がしやすくなります。非常勤職員の雇用に関わる加算は高齢者等活躍促進加算の対象要件、専門職の確保に関わる加算は療育支援加算の認定と区分の確認で説明しています。

自園の条件で試算する

認定済みの追加配置人数を入力し、チーム保育推進加算を含む単価内訳を確認できます。

結果には計算過程、使った告示・通知、確認日、そしてこの試算に含まれていない項目を必ず表示します。

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ほかの記事の確認事項・よくある質問の一覧

  • 試算前の確認事項の一覧

    この記事の「つまずきやすい確認事項」2件を、ほかの記事の確認事項と対処とあわせて見られます。

この記事が参照した一次資料

ほかの解説

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