解説

幼保連携型認定こども園の保育教諭の資格特例は令和11年度末まで(免許・資格の片方で勤務できる期間)

幼保連携型認定こども園の保育教諭は幼稚園教諭免許状と保育士資格の併有が原則ですが、令和11年度末まではどちらか一方でも就けます。期間の延長経緯と、もう一方を取るときの単位の軽減(8単位、勤務経験があれば6単位)を整理します。

結論:令和11年度末までは、免許状か保育士資格の片方で保育教諭になれる

幼保連携型認定こども園の保育教諭は、幼稚園教諭免許状と保育士資格の両方を持つのが原則です。ただし令和11年度末(2030年3月31日)までは、どちらか一方だけでも保育教諭になれます。

この経過措置は、幼保連携型認定こども園が創設された平成27年4月1日から15年間です。

当初は10年間(令和6年度末まで)でしたが、令和6年6月19日公布の法律(令和6年法律第53号)による認定こども園法附則の改正で、15年間に延びています。

主幹保育教諭・指導保育教諭は令和8年度末まで

文部科学省の案内では、主幹保育教諭と指導保育教諭は延長が2年間で、令和8年度末までです。令和9年度以降にこの2つの職で働くには、幼稚園教諭免許状と保育士資格の両方が必要とされています。

主幹・指導の職に就く職員は、令和8年度末までに併有できているかを個別に確かめます。

資料によって「令和6年度末」と「令和11年度末」の両方が出てきます。前者は延長前(10年間)の説明、後者は延長後(15年間)の説明で、矛盾ではありません。参照した資料の作成時期を確かめてください。

なぜ併有が原則か:幼保連携型は学校であり児童福祉施設でもあるため

幼保連携型認定こども園は、教育と保育を一体的に行う、学校と児童福祉施設の両方の位置づけを持つ単一の施設です。

そのため職員の保育教諭には、教育面を担う幼稚園教諭免許状と、保育面を担う保育士資格の両方が求められます。

幼保連携型認定こども園への円滑な移行を進めるために設けられたのが、上の経過措置です。

職員の数え方や設備の基準が保育所とどう違うかは、幼保連携型認定こども園と保育所の職員・設備の比較で扱っています。

もう一方を取るときの特例:勤務経験があれば単位が8単位に軽くなる

経過措置とは別に、もう一方の免許・資格を取りやすくする単位の軽減特例があり、これも令和11年度末までの措置です。

幼稚園教諭免許状を取るには、保育士資格に加えて、保育所・認定こども園などでの保育士としての勤務経験が3年かつ4,320時間あれば、大学等で8単位を修得します。

保育士資格を取る場合も、幼稚園教諭免許状と、幼稚園・認定こども園・保育所等での勤務経験が3年かつ4,320時間あれば、指定保育士養成施設で8単位を修得します。

令和5年4月からは、平成27年4月の子ども・子育て支援新制度の施行後に、幼保連携型認定こども園で保育教諭として働いた経験が2年かつ2,880時間以上ある職員について、8単位のうち2単位を修得したものとみなす上乗せの特例が加わりました。

幼稚園教諭免許状を取る場合、この上乗せで修得する単位は6単位になります。

文部科学省の資料によれば、こども家庭庁は保育士資格についても同様の特例を設けています。

幼稚園教諭免許状を取る場合の科目と単位(保育士資格がある人の特例)
科目現行の特例保育教諭の勤務経験を加えた特例
保育内容の指導法と教育の方法及び技術(合わせて)2単位1単位
教職の意義及び教員の役割・職務内容2単位2単位
教育に関する社会的、制度的又は経営的事項2単位2単位
教育課程の意義及び編成の方法1単位1単位
幼児理解の理論及び方法1単位なし
合計8単位6単位

勤務経験の数え方(対象になる施設や職種)と証明書の様式は、この記事では確認していません。大学等や指定保育士養成施設、所轄の自治体にお問い合わせください。

施設運営では、期限を職員ごとに把握して計画的に併有を進める

経過措置の期限は園単位ではなく、職員一人ひとりの免許・資格の保有状況に関わります。

運営側は、保育教諭として働く職員が、免許状と保育士資格のどちらを持っているかを一覧で把握しておくと、令和11年度末までに併有が必要な職員を見落としません。

単位の軽減特例も令和11年度末までなので、勤務経験の累計(3年かつ4,320時間。単位をさらに軽くする場合は、幼保連携型認定こども園での2年かつ2,880時間を加えたもの)がいつ満たされるかを、職員ごとに確かめておきます。

文部科学省の案内では、この特例で幼稚園教諭免許状を取るには令和11年度末までに授与を受ける必要があり、要件を満たし次第、速やかに都道府県教育委員会へ申請するよう求めています。

経過措置の期間が終わった後の扱いを、この記事の根拠だけで決めない

参照した文部科学省の資料は、令和11年度末までの措置を説明するものです。期間の終了後に、片方の免許・資格だけの職員がどう扱われるかは、この記事では確認していません。

令和11年度末が近づいたら、所轄の自治体と国の最新の案内で、期間終了後の扱いを確かめます。

よくある質問

混同しやすいのは、経過措置の期限と単位の軽減特例が別の仕組みである点です。

保育士資格だけで、幼保連携型認定こども園の保育教諭になれますか。

令和11年度末までは、保育士資格か幼稚園教諭免許状のどちらか一方があれば保育教諭になれる経過措置があります。原則は両方の併有です。

経過措置が令和6年度末までと書かれた資料があります。どちらが正しいですか。

延長前は令和6年度末まで(10年間)でした。令和6年法律第53号による改正で15年間になり、現行は令和11年度末までです。古い資料は延長前の内容を示しています。

認定こども園で保育教諭として働いた経験は、単位の軽減に使えますか。

幼保連携型認定こども園で保育教諭として2年かつ2,880時間以上の勤務経験があれば、幼稚園教諭免許状を取るときの8単位のうち2単位が修得したものとみなされ、6単位になります。令和5年4月からの特例です。

自園の条件で試算する

所在地・定員・年齢別の園児数を入力すると、公定価格(委託費)を試算します。

個々の職員の免許・資格の保有状況は、この試算には入力しません。

公定価格の試算を開く

この記事で扱わないこと

個別の職員が保育教諭の要件を満たすかどうかの判定はしません。

幼保連携型以外の認定こども園の職員の資格、免許状の申請手続き、保育士試験の科目免除の細目も扱いません。

判断は、所轄の自治体にお問い合わせください。

次に知りたいこと:幼稚園教諭免許状を持つ人の保育士資格取得特例、保育所から認定こども園へ移行するときの試算、保育所の保育士配置の特例3種類、学級編制調整加配加算の確認

ほかの記事の確認事項・よくある質問の一覧

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    この記事の「つまずきやすい確認事項」2件を、ほかの記事の確認事項と対処とあわせて見られます。

この記事が参照した一次資料

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