利用の申込みから提供まで、園の事務は4つの条文に分かれている
市町村の確認を受けた保育所は、運営基準の第8条で支給認定証の確認、第9条で認定申請の援助、第10条で心身の状況の把握、第12条で提供の記録を求められています。
運営基準は、特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業並びに特定子ども・子育て支援施設等の運営に関する基準(平成26年内閣府令第39号)のことです。
認定そのものを行うのは市町村で、園の事務は、認定を受ける前後の確認・援助・記録です。
| 条文 | 園がすること | 条文の書き方 |
|---|---|---|
| 第8条(受給資格等の確認) | 利用を求められたとき、必要に応じて、保護者が示す支給認定証で、認定の有無・子どもの区分・認定の有効期間・保育必要量などを確かめる | 確かめるものとする |
| 第9条第1項(認定申請の援助) | 認定を受けていない保護者から利用の申込みがあったとき、保護者の意思を踏まえて、速やかに認定の申請が行われるよう必要な援助を行う | 行わなければならない |
| 第9条第2項(変更申請の援助) | 認定の変更の申請が、遅くとも有効期間の満了日の30日前までに行われるよう必要な援助を行う(緊急その他やむを得ない理由があるときを除く) | 行わなければならない |
| 第10条(心身の状況等の把握) | 子どもの心身の状況、置かれている環境、他の施設等の利用状況などの把握に努める | 努めなければならない |
| 第12条(提供の記録) | 保育を提供したとき、提供日、内容、その他必要な事項を記録する | 記録しなければならない |
第8条:支給認定証で確かめるのは、認定の有無・区分・有効期間・保育必要量など
第8条は、利用を求められたとき、必要に応じて、支給認定証によって認定の内容を確かめることを園に求めています。
確かめる項目は、認定の有無、子どもが子ども・子育て支援法第19条の各号のどの区分に当たるか、認定の有効期間、保育必要量などです。
保護者がまだ支給認定証の交付を受けていない場合は、子ども・子育て支援法施行規則第7条第2項の通知で確かめます。
認定の有効期間の決まり方と、変更・取消しの流れは、給付認定の有効期間・変更・取消しの解説で整理しています。
第9条:認定を受けていない保護者への援助と、変更申請の30日前の目安
第9条は、認定を受けていない保護者から利用の申込みがあったときに、園が認定の申請の援助を行うことを義務としています。
援助は、保護者の意思を踏まえ、速やかに申請が行われるようにするためのものです。
第2項は、認定の変更の申請が、遅くとも有効期間の満了日の30日前までに行われるよう援助することを求めています。緊急その他やむを得ない理由があるときは、この限りではありません。
申請の受付や認定の判断は、園の仕事ではない
認定を行うのは市町村で、申請も市町村に対して行います(子ども・子育て支援法第20条第1項)。条文が園に求めているのは、申請が行われるようにする援助です。
申請の窓口、必要書類、受付の時期は、所轄の市町村に確かめます。この記事は、個別の保護者が認定を受けられるかどうかの判断をしません。
第10条は把握の努力義務、第12条は記録の義務で、5年保存の対象になる
第10条は心身の状況などの把握を努力義務とし、第12条は提供の記録を義務としています。
第10条が挙げる把握の対象は、子どもの心身の状況、置かれている環境、他の特定教育・保育施設等の利用状況などです。
第12条の記録は、提供日、内容、その他必要な事項です。何を「必要な事項」とするかは、条文には書かれていません。
第12条の記録は、運営基準の第34条第2項第2号で、整備して、その完結の日から5年間保存する記録の1つに挙げられています。第34条の全体と、児童福祉施設の基準の帳簿との違いは、保育所に備える帳簿と運営基準の記録の違いで整理しています。
条例では「参酌すべき基準」で、自治体の定めを確かめる
第8条、第9条、第10条、第12条は、市町村が条例を定めるときに「従うべき基準」の列挙に入っておらず、「参酌すべき基準」の側に当たります。
運営基準の第1条は、従うべき基準として第5条、第6条(第5項を除く)、第7条、第13条、第15条、第24条から第27条まで、第32条、第35条、第36条などを挙げています。この列挙にない規定は、第1条第5号の参酌すべき基準です。
参酌すべき基準は、市町村が条例を定めるときに参考にする基準です。支給認定証の確認や申請の援助の具体的な手順は、所轄の市町村の条例と運用で確かめます。
確認の順序
条例の定め、受付時の確認方法、援助の窓口、記録の様式の順に確かめます。
所轄の市町村の条例に、第8条・第9条・第10条・第12条に当たる定めがあるか確かめる
参酌すべき基準のため、条例の書き方や手順は自治体で異なることがあります。条例の該当箇所を、実際に開いて確かめます。
利用の申込みを受けたとき、支給認定証(または施行規則第7条第2項の通知)を確かめる流れがあるか見る
認定の区分、有効期間、保育必要量を、園の受付の記録と照らす手順を決めておきます。
認定を受けていない保護者と、変更申請の時期が近い保護者への案内を、決めておく
有効期間の満了日の30日前を目安に、変更の申請が行われるよう援助する流れを決めます。申請の窓口は所轄の市町村に確かめます。
提供の記録の様式と保存期間を確かめる
提供日と内容を記録する様式を決め、整備した記録を完結の日から5年間保存できる置き場所を確かめます。
利用の申込みを断れない規定は保育所の利用の申込みの拒否の禁止と選考、苦情の窓口と記録の保存は保育所の苦情対応で整理しています。
この記事・試算で扱わないこと
この記事は運営基準の条文の説明で、個別の保護者が認定を受けられるかどうかや、個々の園の事務が基準を満たしているかの判定は行いません。
申請の窓口と手続きは、所轄の市町村に確認してください。
試算ツールも、運営基準を満たすかどうかの判定は対象外です。
よくある質問
- 利用の申込みを受けたとき、園は何を確かめますか。
第8条は、必要に応じて、保護者が示す支給認定証で、認定の有無、子どもの区分、認定の有効期間、保育必要量などを確かめるものとしています。支給認定証の交付を受けていない場合は、施行規則第7条第2項の通知で確かめます。
- 認定を受けていない保護者から申込みがあったら、園が認定の申請をするのですか。
第9条第1項は、保護者の意思を踏まえて、速やかに申請が行われるよう必要な援助を行うことを園に求めています。認定を行うのは市町村で、申請の窓口は所轄の市町村に確かめます。
- 認定の変更の申請は、いつまでに行われるようにしますか。
第9条第2項は、遅くとも有効期間の満了日の30日前までに行われるよう援助することを求めています。緊急その他やむを得ない理由があるときは、この限りではありません。
- 提供の記録は、何年保存しますか。
第12条の記録は、第34条第2項第2号により、整備して、その完結の日から5年間保存する記録の1つです。記録に書く事項は、条文では提供日、内容、その他必要な事項とされています。
- この試算ツールで、これらの事務を確認できますか。
できません。この試算は公定価格(委託費)の算定に特化しており、運営基準を満たすかどうかの判定は対象外です。
自園の条件で試算する
ほかの記事の確認事項・よくある質問の一覧
この記事が参照した一次資料
- 特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業並びに特定子ども・子育て支援施設等の運営に関する基準
平成26年内閣府令第39号(最終改正: 令和8年内閣府令第29号、令和8年4月1日施行)/複数年度対象外/確認日 2026-08-20