みなし保育士とは、保育士の人数に数えられる保育士資格のない人
みなし保育士とは、職員配置基準で必要な保育士の人数を数えるとき、保育士資格を持たない人を保育士として数えられる扱いのことです。
保育所の保育士の数は、児童福祉施設の設備及び運営に関する基準の第33条第2項に、年齢ごとの比率で定められています。
乳児おおむね3人、1歳以上3歳未満おおむね6人、3歳以上4歳未満おおむね15人、4歳以上おおむね25人につき1人以上で、保育所1つにつき2人を下ることはできません。
「みなし保育士」という名前の資格や職名があるわけではありません。
基準の本則と附則が、一定の条件を満たす人を「保育士とみなすことができる」と定めている扱いを、まとめてこう呼んでいます。
保育士として登録される資格が増えるのではなく、配置基準の人数に数えられるだけです。
この記事は保育所を対象にします。認定こども園には、保育教諭の人数についての別の定めがあります。認定こども園での看護師等の特例は、看護師等の保育士みなし特例で扱っています。
保育所のみなし保育士は4種類ある
保育所で保育士として数えられる人は、看護師等、専門職、幼稚園教諭等、都道府県知事等が認める者の4種類です。
根拠の条文が違うため、数えられる人数と条件も種類ごとに違います。
| 種類 | 数えられる人 | 数えられる人数 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 看護師等 | 保健師・看護師・准看護師 | 1人に限る | 児童福祉施設最低基準の一部を改正する省令(平成10年厚生省令第51号)附則第2項 |
| 専門職 | 理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・心理担当職員、または障害児の療育の指導に5年以上従事した人のいずれかで、子育てに関する知識・経験がある人 | 1人に限る | 第33条第3項 |
| 幼稚園教諭等 | 幼稚園教諭・小学校教諭・養護教諭の普通免許状を持つ人 | 条文に人数の上限は書かれていない | 附則第95条 |
| 都道府県知事等が認める者 | 都道府県知事(指定都市・中核市は市長)が保育士と同等の知識・経験を認める人 | 朝夕の時間帯は、みなしではなく保育士に加えて置く。8時間超の開所は、必要な総数が利用定員に応じた数を超える差の範囲 | 附則第94条・第96条 |
看護師等と専門職は、それぞれ1人に限って数えられる
看護師等(保健師・看護師・准看護師)と専門職は、どちらも1人に限って保育士とみなせます。
看護師等は従来からある特例で、令和5年度に乳児の在籍数にかかわらず使えるようになりました。
乳児が1〜3人の保育所では、知識・経験のある看護師等を置き、保育士による支援を受けられる体制をとるなどの別の条件が加わります。
要件の詳細は看護師等のみなし特例で整理しています。
専門職は、第33条第3項が根拠です。その保育所に勤務する理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・心理担当職員などで、子育てに関する知識・経験もある人を、1人に限り保育士とみなせます。対象の全区分は表のとおりです。
対象や通知の留意事項は専門職を保育士とみなせる特例で整理しています。
専門職が保育を行うときは、第33条第3項ただし書きにより、保育士の支援を受けられる体制をとります。看護師等と専門職の両方が保育を行う場合は、附則第98条にも同じ趣旨の定めがあります。最大2人と明記した条文はなく、それぞれ1人に限る上限を合わせると2人になる、という読み方です。
幼稚園教諭等と8時間超の開所の特例は、保育士資格者を3分の2以上置く
附則第95条の幼稚園教諭等と附則第96条の8時間超の開所の特例には、数えられる人数の上限が条文にありません。
その代わりに、附則第97条が条件を置いています。
この2つの特例を使うときは、特例がないとした場合に必要な保育士数の3分の2以上を、特例でみなされない保育士資格者で置かなければなりません。
考え方を仮の数字で示します。
特例がなければ必要な保育士が9人なら、保育士資格を持つ人は6人以上です。
残りの3人までを、幼稚園教諭等や知事等が認める者で数えられる、という読み方になります。
実在の園の人数ではなく、条文の読み方を示す例です。
第97条の3分の2に、みなされた人は入らない
第97条で数える保育士に、みなされた人は含まれません。専門職、幼稚園教諭等、知事等が認める者、看護師等のいずれで数えた人も、3分の2の数には入りません。看護師等や専門職を数えたうえで、さらに幼稚園教諭等を数えるときは、保育士資格者の人数をこの3分の2で確かめます。
特例を使う前に、特例がないとした場合の保育士数を出し、保育士資格を持つ人だけで3分の2以上になるかを確かめる。
朝夕の少数時間帯の附則第94条は、第97条の対象外です。
ただし、子どもの数から計算した保育士が1人になる時間帯は、その保育士に加えて、知事等が認める者を置かなければなりません。
詳しくは附則の3種類の特例に整理しています。
知事等が認める者の範囲は、自治体ごとに確かめる
附則第94条と第96条の「保育士と同等の知識及び経験を有すると認める者」は、都道府県知事(指定都市・中核市は市長)が認める人なので、全国で同じ範囲とは限りません。
誰が当たるかは、自園の所在地の自治体の案内で確かめます。
東京都の例は東京都の保育所で保育士とみなせる人(知事が認める者の3類型)にあります。
みなし保育士の数え方は、配置基準の人数の話です。公定価格の中の個別の加算で、みなされた人を保育士の人数に入れてよいかは、加算ごとの要件で別に確かめます。
この記事・試算で扱わないこと
この記事は、みなし保育士の種類と条件の枠組みを説明するもので、個別の職員が対象になるかどうかの判定は行いません。
年齢区分ごとの配置基準の比率は年齢別配置基準の比率と計算式で説明しています。
みなし保育士を数えたときの公定価格への影響は、この記事では扱いません。
よくある質問
- みなし保育士とは、保育士資格がなくても保育士になれるということですか。
いいえ。資格が増えるのではなく、配置基準で必要な保育士の人数を数えるとき、一定の条件を満たす人を保育士として数えられるという扱いです。
- 保育所で看護師は何人まで保育士に数えられますか。
看護師等(保健師・看護師・准看護師)は1人に限ります。専門職の特例と併用すると、それぞれ1人に限る上限を合わせて2人まで数えられる、という読み方になります。
- 幼稚園教諭を保育士に数えると、保育士資格者は何割必要ですか。
附則第97条により、特例がないとした場合に必要な保育士数の3分の2以上を、特例でみなされない保育士資格者で置きます。
- この試算ツールで、みなし保育士を反映した配置基準を確認できますか。
できません。この試算は公定価格(委託費)の算定に特化しており、職員配置基準そのものの判定は試算の対象外です。
自園の条件で試算する
次に知りたいこと:年齢別配置基準の比率と計算式、東京都の常勤保育士4要件と基準職員の数え方。
ほかの記事の確認事項・よくある質問の一覧
この記事が参照した一次資料
- 児童福祉施設の設備及び運営に関する基準
昭和23年厚生省令第63号/複数年度対象外/確認日 2026-09-28
- 保育所における看護師等の配置特例の要件見直しに関する留意事項等について
令和4年11月30日 厚生労働省子ども家庭局保育課事務連絡/複数年度対象外/確認日 2026-09-28
- 保育所等における保育士配置に係る特例について(平成28年2月18日厚生労働省雇用均等・児童家庭局長通知)
雇児発0218第2号/複数年度対象外/確認日 2026-10-13