保育士の資格を得る道は、養成施設の卒業・保育士試験の合格・地域限定保育士の3つ
児童福祉法第18条の6は、保育士となる資格を有する者を3つに分けています。
1つ目は、都道府県知事の指定する保育士養成施設(指定保育士養成施設)を卒業した者です。学校教育法に基づく専門職大学の前期課程を修了した者も含みます。
2つ目は、保育士試験に合格した者です。
3つ目は、地域限定保育士登録を受けた日から3年を経過し、内閣府令で定める期間以上、地域限定保育士の業務に従事した者です。
| 号 | 経路 | 条文上の要点 |
|---|---|---|
| 第1号 | 指定保育士養成施設の卒業 | 都道府県知事が指定した養成施設を卒業した者。専門職大学の前期課程の修了者を含む |
| 第2号 | 保育士試験の合格 | 都道府県知事が行う保育士試験に合格した者 |
| 第3号 | 地域限定保育士としての従事 | 地域限定保育士登録から3年を経過し、内閣府令の定める期間以上、業務に従事した者 |
資格を有することと、保育士として働けることは別です。保育士となるには、次の登録が必要です。登録の欠格事由と取消しは保育士登録の欠格事由・取消し・名称独占で、配置基準に数える時期は登録の時期と配置基準の数え方で整理しています。
資格を得たあと、保育士登録を受けて初めて「保育士」になる
法律上の「保育士」は、資格を有する者ではなく、登録を受けた者のことです。
第18条の4は、保育士を、第18条の18第3項に規定する保育士登録を受け、保育士の名称を用いて、専門的知識および技術をもって、児童の保育や保護者への保育に関する指導を業とする者と定めています。
第18条の18第1項は、保育士となる資格を有する者が保育士となるには、保育士登録簿に氏名、生年月日その他の事項の登録を受けなければならないとしています。登録簿は都道府県に備えられ、都道府県知事が登録をしたときは、申請者に保育士登録証を交付します(同条第2項・第3項)。
試験に合格した人、養成施設を卒業した人を園が職員として迎えるとき、資格を持つ事実と登録を受けた事実は、別々に確かめる必要があります。
登録の申請先や必要な書類は都道府県が案内しています。個別の人の登録の状況は、本人と登録した都道府県で確認してください。
試験の受験資格は、条文の4類型のどれかに当たること
保育士試験を受けられるのは、児童福祉法施行規則第6条の9の4つの類型のどれかに当たる人です。
試験は、保育士として必要な知識および技能について、内閣総理大臣の定める基準により行われます。毎年1回以上、都道府県知事が行い、試験事務は都道府県知事が指定した指定試験機関に行わせることもできます(法第18条の8・第18条の9)。
| 号 | 対象 | 条文上の要点 |
|---|---|---|
| 第1号 | 大学等で学んだ人 | 大学に2年以上在学して62単位以上を修得した者、高等専門学校を卒業した者、その他これらに準ずるものとしてこども家庭庁長官の定める者 |
| 第2号 | 高校卒業などと児童福祉施設の経験2年以上 | 高等学校・中等教育学校の卒業者などで、児童福祉施設で2年以上、児童の保護に従事した者 |
| 第3号 | 児童福祉施設の経験5年以上 | 児童福祉施設で5年以上、児童の保護に従事した者 |
| 第4号 | 上のほか、都道府県知事が認めた人 | こども家庭庁長官の定める基準に従い、都道府県知事が適当な資格を有すると認めた者 |
経験の年数や施設の範囲を、この記事で判断しない
第2号・第3号の「児童福祉施設」「児童の保護に従事」に何が当たるか、第1号の「準ずるもの」と第4号の基準に何が含まれるかは、条文だけでは決まらず、こども家庭庁長官の定めや都道府県の取扱いを確かめる必要があります。
個別の人が受験資格を満たすかどうかは、試験を実施する都道府県または指定試験機関に確認してください。この記事は個別の判断をしません。
試験は筆記8科目と実技。筆記を全て合格した人が実技に進む
施行規則第6条の10は、保育士試験を筆記試験と実技試験で行い、実技試験は筆記試験の全てに合格した人について行うと定めています。
筆記試験の科目は、保育原理、教育原理および社会的養護、子ども家庭福祉、社会福祉、保育の心理学、子どもの保健、子どもの食と栄養、保育実習理論の8つです。実技試験は、保育実習実技について行います。
筆記試験の8科目
保育原理/教育原理および社会的養護/子ども家庭福祉/社会福祉/保育の心理学/子どもの保健/子どもの食と栄養/保育実習理論
実技試験
保育実習実技。筆記試験の全科目に合格した人だけが受けます。
試験日、受験手数料、合格基準の点数は、この記事では扱いません。実施する都道府県または指定試験機関の案内で、その年度の内容を確認してください。
合格した科目は翌々年度まで免除。社会福祉士などは一部の科目が免除される
施行規則第6条の11は、都道府県知事が科目の受験を免除できる場合を3つ定めています。
| 項 | 対象 | 免除される科目 |
|---|---|---|
| 第1項 | すでに合格した科目がある者(地域限定保育士試験などでの合格を含む) | 申請により、その科目。合格した日の属する年度の翌々年度まで。条文の表に掲げる者は、期間を延長して免除できる |
| 第2項 | こども家庭庁長官の指定する学校その他の施設で、指定された科目を専修した者 | 申請により、その科目 |
| 第3項 | 社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士である者 | 申請により、教育原理および社会的養護のうち社会的養護、子ども家庭福祉、社会福祉の各科目 |
免除を受けるには、該当することを証する書類を添えて、都道府県知事に申請します(同条第4項)。
延長して免除できる者の範囲は、条文の表に定められています。この記事では、表の個別の内容までは扱いません。
地域限定保育士は、認定された自治体の区域に限って働く登録
地域限定保育士は、認定地方公共団体の長が実施した地域限定保育士試験に合格し、その長の地域限定保育士登録を受けた人です(法第18条の28第1項)。
登録を受けた人は、登録をした認定地方公共団体の長の管轄する区域内に限り、地域限定保育士の名称を用いて、業として児童の保育や保護者への指導を行えます(同条第2項)。保育士登録を受けている人は、この登録を受けられません(同条第1項第1号)。
登録から3年を経過し、内閣府令で定める期間以上従事した人は、保育士となる資格を有する者に当たります(法第18条の6第3号)。
この内閣府令で定める期間は、施行規則第6条の6の2で、原則1年です。従事した合計時間が1,440時間に至るまでの期間が1年を超えるときは、その期間になります。
この記事は、地域限定保育士を配置基準の保育士として数えられるかどうかを判断しません。園で数える場合は、所在地の市町村に確認してください。保育士の配置の特例は保育士の配置の特例3種類で整理しています。
よくある質問
- 大学を卒業していないと、保育士試験は受けられませんか。
大学の卒業は、受験資格の唯一の条件ではありません。施行規則第6条の9は、大学に2年以上在学して62単位以上を修得した人のほか、高校卒業などと児童福祉施設の経験2年以上の人、児童福祉施設の経験5年以上の人なども受験資格に挙げています。個別の人が当たるかどうかは、都道府県または指定試験機関に確認してください。
- 保育士試験に合格したら、すぐ保育士として働けますか。
合格すると保育士となる資格を有しますが、保育士となるには、保育士登録簿への登録を受ける必要があります(法第18条の18第1項)。登録の手続きは都道府県に確認してください。
- 筆記試験に一部だけ合格したら、その科目はいつまで有効ですか。
施行規則第6条の11第1項は、申請により、合格した日の属する年度の翌々年度まで、その科目の受験を免除できると定めています。条文の表に掲げる者は、期間を延長して免除できます。個別の期間は、都道府県または指定試験機関で確認してください。
- 社会福祉士の資格があると、保育士試験の科目が免除されますか。
第6条の11第3項は、社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士である人が申請すると、社会的養護、子ども家庭福祉、社会福祉の科目の受験を免除できると定めています。申請には、該当することを証する書類が必要です。
- この試算ツールで、職員が保育士の資格を持つかどうかを確認できますか。
できません。この試算は公定価格(委託費)の算定に特化しており、個々の職員の資格や登録の確認は対象外です。
自園の条件で試算する
年齢別の配置基準は年齢別の配置基準の確認で、保育士の資格を持たない看護師などを保育士とみなす特例は看護師等のみなし保育士の特例で整理しています。
ほかの記事の確認事項・よくある質問の一覧
この記事が参照した一次資料
- 児童福祉法(昭和22年法律第164号)/児童福祉法施行規則(昭和23年厚生省令第11号)
法令ID 322AC0000000164/323M40000100011/対象外対象外/確認日 2026-10-15