解説

3歳児の保育士配置基準(15人に1人)の経過措置は令和9年度末まで

保育所の3歳児の保育士配置基準は、令和6年度の改正で20人に1人から15人に1人になりました。支障のおそれがあるときに改正前の基準を認める経過措置は令和10年3月31日までです。対象、小規模保育などへの及び方、15人に1人の施設の割合を整理します。

3歳児は15人に1人。改正前の20人に1人も令和10年3月31日まで可

保育所の3歳児の保育士の配置基準は満3歳以上満4歳に満たない幼児おおむね15人につき1人で、改正前の20人に1人を認める経過措置は令和10年3月31日までです。

こども家庭庁の「令和8年度公定価格・基準等の見直し事項」は、令和8年度の見直しの一つに「3歳児の年齢別配置基準に係る経過措置期間の終期設定(令和9年度末まで)」を挙げています。

3歳児の配置基準の経過(確認日 2026-10-15)
時期内容
平成27年度20人に1人から15人に1人へ改善した場合の加算措置を設ける
令和6年度4・5歳児を30人に1人から25人に1人に改善するのとあわせて、年齢別配置基準を20人に1人から15人に1人へ改正し、経過措置を置く
令和8年度の見直し経過措置の期間を令和9年度末(令和10年3月31日)までとして、終期を定める

年齢ごとの保育士数の求め方は、「基本分単価の保育士数は年齢区分ごとの比率で決まる」の記事で説明しています。この記事は、3歳児の基準の経過措置だけを扱います。

経過措置は、保育の提供に支障を及ぼすおそれがあるときに限る

経過措置が使えるのは、保育士の配置の状況に鑑み、保育の提供に支障を及ぼすおそれがあるときです。

令和6年の内閣府令の附則は、そのときに、3歳児(満3歳以上満4歳に満たない児童)の保育士の数に関する部分の改正後の基準を、令和10年3月31日までの間は適用しないと定めています。こども家庭庁の資料は、この場合に改正前の20人に1人の配置も認められると説明しています。

経過措置は、15人に1人を満たさなくてよいという一般的な許可ではない

附則の文は、保育士や保育従事者の配置の状況に鑑みて、保育の提供に支障を及ぼすおそれがあるときを条件にしています。条件に当たるかどうかの判断は、所轄の自治体の運用に関わります。

20人に1人の配置のまま運営している園は、経過措置を使えるかどうかと、いつまでに15人に1人へ移るかを、所轄の自治体へ確認します。

経過措置は保育所だけでなく、小規模保育・事業所内保育にも及ぶ

同じ附則は、保育所の基準(設備運営基準第33条第2項)だけでなく、家庭的保育事業等の基準の4つの条文にも及びます。

附則が挙げているのは、家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準の第29条第2項、第31条第2項、第44条第2項、第47条第2項です。いずれも3歳児の保育士や保育従事者の数に関する部分に限って適用されません。

事業所内保育事業の保育士の数の基準は「事業所内保育事業の基準(利用定員20人以上の保育所型と19人以下の小規模型の設備・保育士の数・連携施設)」、小規模保育事業の保育士の数は「小規模保育事業A型・B型・C型の職員配置(保育士の割合・年齢別の人数)を保育所と比べる」で扱っています。

15人に1人以上の施設は、令和7年7月に97.2%まで増えた

終期を決めた理由として、こども家庭庁は15人に1人以上にしている施設の割合が上がっていることを挙げています。

基準を改正した令和6年3月は94.3%で、令和7年7月には97.2%まで上昇しています。配置改善を一層進めるために、期間を令和9年度末までとした、という説明です。

3歳児の職員配置を15人に1人以上としている施設の割合(こども家庭庁資料。確認日 2026-10-15)
時点幼稚園保育所認定こども園全体
令和6年3月91.0%94.5%94.8%94.3%
令和6年7月94.3%95.9%97.3%96.2%
令和7年7月97.1%97.1%97.4%97.2%

この割合は国の統計で、個々の園の状況を示すものではありません。

自園が経過措置の対象になるかどうかは、この割合ではなく、自園の配置と所轄の自治体の運用で決まります。

公定価格の加算とは別の定め。配置改善加算の要件は別に確認する

ここで説明したのは最低基準(設備運営基準)の経過措置で、3歳児配置改善加算などの公定価格の加算の要件とは別の定めです。

3歳児を15人に1人にする加算は、平成27年度に設けられたと資料にあります。加算の要件や、年度途中に満たせなくなったときの扱いは、「配置改善加算はどの年齢の園児に付くか」と「配置改善加算の要件を、年度途中に満たせなくなったらどうなるか」で確認します。

保育士が配置基準を下回ったときの行政上の扱いは、「保育士が配置基準を割り込んだときの行政上の扱い(改善勧告・命令・事業停止と、加算が外れる扱いの違い)」で説明しています。

よくある質問

迷いやすいのは、いつまで使えるか、誰が使えるか、4・5歳児も対象かの3点です。

3歳児の経過措置は、いつまでですか。

令和10年3月31日(令和9年度末)までです。令和8年度の見直しで終期が定められました。

経過措置は、4・5歳児の配置にも使えますか。

附則が適用しないとしているのは、満3歳以上満4歳に満たない児童の保育士の数に関する部分です。4歳以上児の25人に1人は、この経過措置の対象としては挙げられていません。

経過措置があれば、15人に1人にしなくてよいのですか。

いいえ。保育士の配置の状況に鑑み、保育の提供に支障を及ぼすおそれがあるときに限られ、期間も令和10年3月31日までです。個別の扱いは所轄の自治体へ確認してください。

この試算で、配置基準の適合や経過措置の適用を判定できますか。

判定できません。この試算は公定価格のモデル計算で、最低基準の適合や行政上の扱いは含みません。所轄の自治体へ確認してください。

認可保育所の公定価格を試算する

年齢別の園児数を入力して基本分を確認します。最低基準の経過措置の適用は、試算結果に含まれません。

認可保育所の公定価格を試算する

ほかの記事の確認事項・よくある質問の一覧

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    この記事の「つまずきやすい確認事項」1件を、ほかの記事の確認事項と対処とあわせて見られます。

この記事が参照した一次資料

ほかの解説

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