解説

公定価格の月額を単価表から計算する手順と計算例(基本分単価に加算を足し、10円未満切り捨てまで)

公定価格の子ども1人あたり月額を、基本分単価に加算を足して組み立てる手順です。令和8年度の保育所(地域区分20/100・定員81〜90人・4歳以上児・保育標準時間)の基本分単価に、3月初日の利用子ども数で割る加算を足す計算例を、10円未満切り捨てまで示します。

月額は「基本分単価」を土台に、加算を足して組み立てる

公定価格の子ども1人あたりの月額は、単価表の基本分単価を土台に、その子どもに当てはまる加算の額を足して求めます。

基本分単価は、地域区分・定員区分・認定区分・年齢区分・保育必要量区分で決まる定額です。

加算は、通知の算定方法に従って1人あたりの額にしてから足します。

この記事は、保育認定の保育所(令和8年度当初)を例に、その順番を計算例で確かめます。

ここで求めるのは公定価格の1人あたり月額です。市町村が定める利用者負担額は含みません。利用者負担額を引いた後の施設型給付費の額は、市町村の算定で決まります。

計算の手順は4段階

  1. 1. 条件を決めて基本分単価を単価表から引く

    地域区分、利用定員の区分、認定区分(2号・3号)、年齢区分、保育必要量(標準時間・短時間)の5つで1つの額が決まります。表は公定価格とは・決まり方の記事で読み方を説明しています。

  2. 2. 当てはまる加算を1つずつ選ぶ

    加算は要件を満たす施設だけが対象です。要件に当たるかは、加算ごとの通知で確認します。

  3. 3. 加算を1人あたりの額にする

    施設単位で定められた額の加算は、通知が指定する日の利用子ども数で割って1人あたりにします。割った額に10円未満の端数があれば切り捨てます。

  4. 4. 基本分単価に足す

    足し算の後に、合計額をもう一度丸める定めは、確認した範囲では通知に見当たりません。切り捨ては、手順3の加算ごとの算定方法の中で行います。

計算例:施設機能強化推進費加算を足す3月分

条件は次のとおりです。利用子ども数の85人は説明用の仮の値で、実在の施設の数字ではありません。

基本分単価と加算の限度額は、令和8年こども家庭庁告示第9号の別表第2「保育所(保育認定)」に書かれた額です。

計算例の条件(仮の施設)
項目内容
地域区分20/100
利用定員の区分81〜90人
子どもの条件2号認定・4歳以上児・保育標準時間
加算施設機能強化推進費加算(要件を満たす施設)
3月初日の利用子ども数85人(仮)
3月分の1人あたり月額の組み立て
段階計算結果
基本分単価単価表の該当欄(告示 別表第2)55,790円
加算を1人あたりにする200,000円(限度額)÷ 85人 = 2,352.94…円 → 10円未満を切り捨て2,350円
月額55,790円 + 2,350円58,140円

切り捨てたのは加算の部分だけで、基本分単価はそのまま足しています。

通知は、この加算を、定められた額を3月初日の利用子ども数で除して得た額(算定した額に10円未満の端数があれば切り捨てる)とし、3月初日に利用する子どもの単価に加算すると書いています。

そのため、この加算が上乗せされるのは3月分の単価で、ほかの月の月額は基本分単価の55,790円のままです。

合計で丸めると、切り捨ての場所がずれる

55,790円 + 2,352.94…円 = 58,142.94…円 の合計を切り捨てると58,140円になり、この例では同じ額になります。ただし通知は加算の算定方法の中で切り捨てを定めており、合計額に1回かける方法とは書き方が違います。

加算ごとに通知の算定方法を読み、割った後の額で切り捨ててから足します。丸める段階の整理は10円未満切り捨ての記事にあります。

この例で考慮していないこと

  1. 年齢による単価の調整

    告示の注1で、年度の初日の前日における満年齢に応じて月額を調整する括弧内の単価があります。この例には使っていません。

  2. ほかの加算・減算

    処遇改善等加算、配置改善加算、各種減算などは含めていません。それぞれ算定方法が違うため、通知で確認してください。月途中の入園・退園は月途中の日割りの記事を参照してください。

  3. 加算の要件

    施設機能強化推進費加算には、防災対策の取組と経費の見込みなどの要件があります。要件の内容は施設機能強化推進費加算の記事で確認できます。

実際の額は、所在地の市町村が算定します。この記事の計算は仕組みを確かめるための例で、給付額や加算の適用を保証するものではありません。

自園の条件で確かめる

自園の地域区分・定員区分・年齢区分・保育必要量に当たる単価を、出典の告示別表と確認日つきで探せます。

令和8年度の基本分単価表を見る

月初日の在籍状況に基づく基本分単価と、対応している加算・減算を試算できます。結果には計算過程、使った告示・通知、確認日、この試算に含まれていない項目を表示します。

公定価格の試算を開く

次に知りたいこと:公定価格とは・決まり方、公定価格の10円未満切り捨てとは、基本分単価の内訳どおりに人件費を払わないと単価は変わるか

ほかの記事の確認事項・よくある質問の一覧

  • 試算前の確認事項の一覧

    この記事の「つまずきやすい確認事項」1件を、ほかの記事の確認事項と対処とあわせて見られます。

この記事が参照した一次資料

ほかの解説

  • 公定価格とは・決まり方:保育所の計算方法と基本分単価の内訳

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