解説

処遇改善等加算の配分に傾斜をつけてよいか・事業主負担の算式を別の方法にできるか・基礎職員数に特例給付の児童を含めるか(FAQ No.44・45・48・49)

処遇改善等加算のFAQ(第4版)No.44・45・48・49を原文で整理します。合理的な理由のある傾斜配分は差し支えありません。事業主負担増加見込総額などの算式は、別の方法でも算定できます。基礎職員数には特例給付を受ける児童を含め、私的契約児は含めません。認定こども園の調整は、代替保育教諭の配置の有無で決まります。

配分の傾斜、算式の別方法、基礎職員数の児童の数え方に、FAQが答えている

処遇改善等加算通知の第5の2は、賃金改善の対象者や改善額が恣意的に偏らないよう留意することを求めています。

FAQ(第4版、令和7年9月2日時点版)のNo.44・45・48・49は、配分と算定の細部に答えています。

傾斜配分は合理的な理由があれば差し支えなく、算式は別の方法でも算定でき、基礎職員数には数え方の決まりがあります。

4つの答えを、先に表で示します。

FAQ No.44・45・48・49が答えていること
FAQ問い答えの要点
No.44職員に傾斜をつけた賃金改善は、一切認められないのか合理的な理由により施設の方針に基づいて行うことは差し支えない。理由なく特定の職員に偏った配分は避ける
No.45事業主負担増加見込総額などの算式は「標準」だが、別の方法でも算定してよいかお見込みのとおり。別の方法で算定するときは、算定の考え方を説明できることが必要
No.48基礎職員数の年齢別の児童数に、特例給付を受ける児童や私的契約児は含めるのか特例給付を受ける児童は、その年齢区分(小規模保育事業所Cは児童数)に含める。私的契約児は含めない
No.49認定こども園で、基礎職員数から1を減じる調整に当たるのは、どんなときか保育認定に係る代替保育教諭が1名配置されていれば「該当なし」。配置されていなければ「1」を減じる

傾斜配分は、合理的な理由があれば差し支えない(FAQ No.44)

No.44の問いは、通知が「対象者や賃金改善額が恣意的に偏ることなく、改善が必要な職種の職員に対して重点的に講じられるよう留意する」としているが、各職員に傾斜をつけて賃金改善を行うことは一切認められないのか、です。

FAQの答えは、まず留意点から始まります。

処遇改善等加算に係る賃金改善要件分を、特定の保育従事者等に合理的な理由なく偏って配分する、といった恣意的な賃金改善が行われないよう留意が必要です。

そのうえで、FAQは次のように答えています。

若手職員への配分を厚くする、保育従事者の経験に応じて傾斜をつけるなど、合理的な理由により施設の方針に基づいて賃金改善を行うことは差し支えありません。

傾斜をつけること自体が禁じられているのではなく、理由のない偏りが問題になる、という整理です。

配分の方法や、賃金改善の方針を職員に周知する考え方は、別の記事で整理しています。

賃金改善の配分方法を読んでください。

事業主負担などの算式は標準で、別の方法でも算定できる(FAQ No.45)

処遇改善等加算通知は、「事業主負担増加見込総額」と「基準年度の処遇改善等加算の加算額に係る法定福利費分」を算出する算式を「標準」として示しています。

No.45の問いは、別の方法による算定も可能と理解してよいか、です。

FAQの答えは「お見込みのとおりです」です。

別の方法で算定する場合は、算定の考え方について説明できることが必要です。

算式を変えること自体はできますが、なぜその方法で算定したのかを説明できる状態にしておく必要があります。

事業主負担増加額にどの費用が含まれるかは、別の記事で整理しています。

基礎職員数の児童数に、特例給付の児童は含め、私的契約児は含めない(FAQ No.48)

区分3の人数A・Bは、基礎職員数をもとに算出します。

No.48の問いは、基礎職員数を出すときの年齢別の児童数に、特例給付を受ける児童を含めるのか、またいわゆる私的契約児は含めない整理でよいか、です。

FAQの答えは、次のとおりです。

特例給付を受ける児童は、その児童の年齢区分に含めて計算します。

小規模保育事業所Cでは、年齢区分ではなく児童数に含めます。

私的契約児については、FAQは「当然のことながら、算定に含めません」と答えています。

人数A・Bの算式そのものは、区分3の人数A・Bの確認で整理しています。

認定こども園の基礎職員数は、代替保育教諭の配置の有無で決まる(FAQ No.49)

対象は、教育標準時間認定子どもの利用定員を設定しない場合の調整を受ける認定こども園です。

No.49の問いは、その園が基礎職員数を出すとき、「主幹保育教諭等の専任化により子育て支援の取り組みを実施していない場合であって、代替保育教諭等を配置していない場合」に当たるのか、です。

No.49の答え
保育認定に係る代替保育教諭基礎職員数の調整
1名が配置されている「該当なし」となる
1名が配置されていない「1」を減じることになる

この調整に当たるかどうかは、代替保育教諭が1名配置されているかどうかで分かれます。

自園の配置の状況がどちらに当たるかは、この記事では判定できません。所轄の自治体に確認してください。

自園で確認すること

配分と人数の算定の前に、次の3つを確かめます。

  1. 傾斜をつけるなら、理由を残す

    若手を厚くする、経験に応じて傾斜をつけるなど、施設の方針に基づく合理的な理由を説明できるようにします。理由なく特定の職員に偏らせることは避けます。

  2. 算式を変えたときは、考え方を説明できるようにする

    事業主負担などの算式は標準です。別の方法で算定するときは、算定の考え方を説明できることが必要です。

  3. 基礎職員数の児童数を、数え方どおりに集める

    特例給付を受ける児童は年齢区分に含め、私的契約児は含めません。認定こども園は、保育認定に係る代替保育教諭の配置を確認します。

この記事は、処遇改善等加算通知とFAQ(第4版)の整理です。個別の園の配分や人数の算定が適切かどうかを判定するものではなく、申請書類の作成を代行するものでもありません。

最終的な判断は、加算の認定を行う所轄の自治体に確認してください。

よくある質問

配分と算定について、よく聞かれる4点です。

職員ごとに賃金改善額に差をつけてもよいですか。

FAQ No.44は、若手職員への配分を厚くする、経験に応じて傾斜をつけるなど、合理的な理由により施設の方針に基づいて行うことは差し支えないとしています。特定の職員に合理的な理由なく偏って配分する、恣意的な賃金改善は避ける必要があります。

事業主負担増加見込総額の算式は、必ず通知のとおりにしますか。

FAQ No.45は、算式は「標準」であり、別の方法による算定も可能としています。別の方法で算定するときは、算定の考え方を説明できることが必要です。

基礎職員数の児童数に、特例給付を受ける児童は入りますか。

FAQ No.48は、特例給付を受ける児童は、その年齢区分(小規模保育事業所Cは児童数)に含めて計算するとしています。私的契約児は含めません。

認定こども園で基礎職員数から1を減じるのは、どんなときですか。

FAQ No.49は、保育認定に係る代替保育教諭が1名配置されていれば「該当なし」、配置されていなければ「1」を減じるとしています。自園がどちらに当たるかは、所轄の自治体に確認してください。

次に読む記事

配分と人数の算定は、別の記事でも整理しています。賃金改善の配分方法は賃金改善の配分方法、人数A・Bの確認は区分3の人数A・Bの確認、制度の全体像は処遇改善等加算の全体像を読んでください。

自園の条件で試算する

認定を受けた人数A・Bを入力し、区分3の内訳を確認します。

結果には計算過程、使った告示・通知、確認日、そしてこの試算に含まれていない項目を必ず表示します。

公定価格の試算を開く

この記事が参照した一次資料

ほかの解説

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