解説

処遇改善等加算の経験年数の数え方:派遣労働者・育児休業中の職員・複数施設に勤める職員・認可外保育施設の勤続(FAQ No.41〜43)

処遇改善等加算の区分1・2・3は職員の経験年数を算定します。国のFAQ(第4版)No.41〜43が答えている4つの場面を原文で整理します。派遣労働者は算定対象です。育児休業・産前産後休業中の職員は本人の分を数え、代替職員の分は数えません。複数の施設で働く職員は主に勤務する施設で数えます。認可外保育施設は、指導監督基準を満たす証明書が交付されていた期間だけ含められます。

経験年数の算定で迷う4つの場面に、FAQが答えている

処遇改善等加算の区分1・2・3は、いずれも職員の経験年数を算定します。

FAQ(第4版、令和7年9月2日時点版)のNo.41〜43は、算定の対象になるのかどうか迷いやすい場面に答えています。

派遣労働者、休業中の職員、複数施設で働く職員、認可外保育施設の勤続は、それぞれ扱いが決まっています。

以下は、FAQの原文に沿った整理です。

FAQ No.41〜43が答えていること
FAQ場面答えの要点
No.41派遣労働者の経験年数算定対象になる
No.41育児休業・産前産後休業を取得している職員休業期間は有給・無給を問わず算定対象になる。代替職員の経験年数は、休業中の職員の分としては算定対象にならない
No.42複数の施設・事業所で勤務する職員通常の教育・保育に従事する施設のうち、主に勤務する施設・事業所で算定対象とする
No.43認可外保育施設での勤続指導監督基準を満たす旨の証明書が交付されている期間だけ含められる。届出後の初回の指導監査で交付された施設には例外がある

派遣労働者と、休業中の職員の経験年数(FAQ No.41)

No.41の問いは、経験年数を算定するときに、派遣労働者や、育児休業・産前産後休業を取得している職員の経験年数は算定対象になるのか、です。

FAQの答えは、次のとおりです。

派遣労働者の経験年数は、算定対象になります。

一方、育児休業・産前産後休業を取得している職員については、休業期間の有給・無給を問わず算定対象になります。

休業中の職員は、本人の経験年数が算定対象になります。

そのため、休業中の職員の代わりに入った代替職員の経験年数は、算定対象になりません。

休業中の職員の賃金改善の扱いは、別の記事で整理しています。

休業中の保育士の賃金改善の扱いを読んでください。

複数の施設・事業所で働く職員は、主に勤務する施設で数える(FAQ No.42)

No.42の問いは、複数の施設で勤務する職員を、勤務するすべての施設・事業所で算定対象に含めることになるのか、です。

FAQの答えは、通常の教育・保育に従事する施設のうち、主に勤務する施設・事業所で算定対象とする、というものです。

数える施設は、主に勤務する施設・事業所です。

FAQは、続けて次の点を述べています。

複数の施設・事業所に勤務する職員を算定対象に含めるかどうかは、主に勤務する施設・事業所の勤務状況だけで判断するのではなく、勤務する施設・事業所すべての勤務状況により判断する、とされています。

自園が「主に勤務する施設」に当たるかどうかは、この記事では判定できません。申請先の自治体に確認してください。

認可外保育施設での勤続は、証明書の交付期間だけ含められる(FAQ No.43)

No.43の問いは、平均経験年数の算定にあたり、認可外保育施設指導監督基準を満たす旨の証明書が交付された施設での勤続年月数を含められるとされているところ、加算当年度の4月1日時点で証明書が交付されていれば、勤務した期間の全部を含めてよいのか、です。

FAQの答えは、そうではありません。

含められるのは、証明書が交付されている期間だけです。

4月1日時点で証明書が交付されていても、全期間を含められるわけではなく、答えは「交付されている期間のみ」です。

認可外保育施設での勤続の数え方(FAQ No.43)
施設の状況経験年数に含められる期間
指導監督基準を満たす旨の証明書が交付されている証明書が交付されている期間のみ
認可外保育施設の届出後、初めての指導監査の結果、証明書が交付された事業の開始の日から、証明書が交付されるまでの期間も含められる

認可外保育施設の勤続を含めるかどうかで、平均経験年数は変わることがあります。

平均経験年数の算定の基準日や、職歴を確かめる書類は、平均経験年数を確認する書類で整理しています。

自園で確認すること

経験年数を数える前に、次の3つを職員ごとに確かめます。

  1. 雇用の形と休業の有無を整理する

    派遣労働者は算定対象です。育児休業・産前産後休業中の職員は、有給・無給を問わず本人の経験年数を数え、代替職員の分は休業中の職員の経験年数としては数えません。

  2. 複数の施設に勤める職員は、主に勤務する施設を決める

    通常の教育・保育に従事する施設のうち、主に勤務する施設・事業所で数えます。含めるかどうかの判断は、すべての勤務先の状況で行う点に注意します。

  3. 認可外保育施設の勤続は、証明書の交付期間を確かめる

    指導監督基準を満たす旨の証明書がいつからいつまで交付されていたかを、職歴の資料とあわせて確認します。

この記事は、処遇改善等加算通知とFAQ(第4版)の整理です。個別の職員の経験年数が算定対象になるかを判定するものではなく、申請書類の作成を代行するものでもありません。

最終的な判断は、加算の認定を行う所轄の自治体に確認してください。

よくある質問

経験年数の数え方について、よく聞かれる4点です。

派遣労働者の経験年数は、算定対象になりますか。

FAQ No.41は、派遣労働者の経験年数は算定対象になるとしています。

育児休業中の職員の経験年数は、無給の期間も数えますか。

FAQ No.41は、育児休業・産前産後休業を取得している職員について、当該休業期間の有給・無給を問わず算定対象になるとしています。本人の経験年数が対象となるため、代替職員の経験年数は算定対象になりません。

複数の施設で働く職員は、勤務先すべてで数えますか。

FAQ No.42は、通常の教育・保育に従事する施設のうち、主に勤務する施設・事業所で算定対象とするとしています。含めるかどうかは、勤務する施設・事業所すべての勤務状況により判断します。

認可外保育施設で働いていた期間は、すべて経験年数に含められますか。

FAQ No.43は、指導監督基準を満たす旨の証明書が交付されている期間のみ含められるとしています。届出後の初めての指導監査で証明書が交付された施設は、事業の開始の日から交付されるまでの期間も含められます。

次に読む記事

経験年数の確認は、区分1の要件や制度の全体像とあわせて読むと整理できます。区分1の要件は区分1のキャリアパス要件、制度の全体像は処遇改善等加算の全体像を読んでください。

自園の条件で試算する

認定を受けた人数A・Bを入力し、区分3の内訳を確認します。

結果には計算過程、使った告示・通知、確認日、そしてこの試算に含まれていない項目を必ず表示します。

公定価格の試算を開く

この記事が参照した一次資料

ほかの解説

「処遇改善等加算を計算・申請・報告するとき」の解説一覧へ