解説

保育室等の面積を壁芯で数える大阪市と、有効面積で数える横浜市の手引きの違い

大阪市の認可保育所の手引き(令和8年4月)は保育室等の面積を壁芯で算出し、横浜市の認定こども園の手引き(令和7年12月版)は内法から造付け・固定造作物を除いた有効面積で算出します。測り方、除く物、0歳児の一人あたり面積を並べます。

この記事が答えること:大阪市と横浜市で、保育室等の面積の測り方はどう違うか

大阪市の認可保育所の手引きは壁芯で、横浜市の認定こども園の手引きは有効面積で、保育室等の面積を数えます。

壁芯は壁の中心線で測る面積、有効面積は内法(壁の内側で測る面積)から造付けや固定の造作物を除いた面積です。

同じ部屋の図面でも、どちらで数えるかで面積は変わります。

東京都・札幌市・広島市の手引きは、内法を出発点にした有効面積でした。

そちらは『保育室・ほふく室の面積の数え方:東京都・札幌市・広島市の手引きの比較』にまとめています。この記事は、そこに入っていない大阪市と横浜市の手引きを扱います。

この記事は、自治体が公表している手引きの記載を整理するものです。個別の園の面積が基準に合うかの判断や、認可の可否は扱いません。横浜市の記載は幼保連携型認定こども園の手引きのもので、確認は所轄の自治体の担当課にしてください。

大阪市は壁芯、横浜市(認定こども園)は有効面積で数える

保育室等の面積の数え方(各自治体の手引きの記載、確認日 2026-10-18)
比べる点大阪市(認可保育所の手引き 令和8年4月)横浜市(認定こども園整備の手引き 令和7年12月版)
面積の測り方建築基準法施行令で定める方法(壁芯)有効面積(内法面積から造付け・固定造作物を除いた面積)
面積に含めない物(手引きの例)柱、固定式の家具など建物に固定されているもの押入れ・ロッカー・収納スペース・こども用荷物収納棚、吊り押入れ・吊り戸棚(床上140cmの空間を確保したものは除く)、手洗い器、ピアノ
0歳児の乳児室の一人あたり面積5.00平方メートル0・1歳児で3.3平方メートル
1歳児の乳児室またはほふく室3.30平方メートル0・1歳児で3.3平方メートル
2〜5歳児の保育室または遊戯室1.98平方メートル1.98平方メートル
建築基準法上の面積との関係保育室等の面積自体を壁芯で算出する採光面積の基礎になる床面積は壁芯。保育の面積は有効面積で、乳児室・ほふく室・保育室・遊戯室に適用する

大阪市の手引きの本文には、内法や有効面積という語がありません。

注記は、壁芯で算出したうえで、柱や固定式の家具など建物に固定されているものは面積に含めないと書いています。

横浜市の手引きは、保育の面積を有効面積で数え、壁芯は採光面積の基礎になる床面積に使うと分けています。

別の自治体の数え方を、そのまま自園に当てはめない

壁芯は壁の厚みの分だけ、内法より広い面積になります。同じ図面の部屋でも、壁芯で測る自治体と有効面積で測る自治体では、基準を満たすかの見え方が変わります。この表は2つの手引きの記載であり、全国共通の取扱いではありません。

施設の所在地を所管する自治体の手引きで、壁芯か有効面積かと、除く物の例を確かめます。手引きの名称と版、確認日を控えておきます。

0歳児の一人あたり面積は、国の省令の数字と別に手引きが示している

大阪市の手引きの表は、乳児室またはほふく室の0歳児を5.00平方メートルとしています。

児童福祉施設の設備及び運営に関する基準の第32条は、乳児室を1.65平方メートル以上、ほふく室を3.3平方メートル以上と定めています。

大阪市の手引きの数字は、この省令の数字とは別です。

大阪市の手引きには、0歳児の数字が省令と違う理由は書かれていません。

実際に適用される基準は条例にあるため、0歳児の面積は大阪市の条例と手引きで確かめます。条例と国の省令の関係は『保育所の面積基準と利用定員を決める順序』で整理しています。

横浜市の手引きは、0・1歳児を一人につき3.3平方メートル以上としています。0歳児と1歳児を分けた数字は、確認した範囲では書かれていません。

図面から面積を拾う手順

  1. 所轄の自治体の手引きで、壁芯か有効面積かを確かめる

    最初に、壁芯で測るのか、内法から物を除いた有効面積で測るのかを手引きで確かめます。定義が見つからないときは、認可の担当課に問い合わせて、回答を日付つきで控えます。

  2. 部屋ごとに、手引きの測り方で面積を拾う

    乳児室・ほふく室・保育室または遊戯室を分けて拾います。壁芯の自治体では壁の中心線で、有効面積の自治体では壁の内側で測ります。建築確認の図面の面積と取り違えないようにします。

  3. 手引きが除くと書いている物を引く

    壁芯の大阪市でも、柱や固定式の家具など建物に固定されているものは面積に含めません。有効面積の横浜市では、収納や手洗い器、ピアノの置き場所も引きます。

  4. 年齢別の一人あたり面積で割って、人数の目安を出す

    この人数は検討の目安で、認可や確認で認められる定員そのものではありません。年齢別の基準面積は、所轄の自治体の条例と手引きの数字を使います。利用定員は市町村に確認した人数を試算に入れます。

よくある質問

保育室の面積は、壁芯と内法のどちらで数えますか。

確認した大阪市の認可保育所の手引きは壁芯、横浜市の認定こども園の手引きは内法から物を除いた有効面積です。東京都・札幌市・広島市の手引きは有効面積でした。国の省令に測り方の定めは確認できなかったため、所轄の自治体の手引きで確かめてください。

横浜市の認可保育所も、有効面積で数えますか。

横浜市の保育所整備の手引き(令和8年4月版)も、有効面積を内法面積から造付け・固定造作物を除いた面積としています。除く物の例や医務室・調理室の決まりは『横浜市の保育所整備の手引き:保育室の有効面積から除く物と、調理室・便所・屋外遊戯場の決まり』にまとめています。この記事の表は認定こども園の手引きの記載です。

大阪市の0歳児の5.00平方メートルは、全国共通の数字ですか。

全国共通とは確認できていません。国の省令の第32条は乳児室を1.65平方メートル以上としており、大阪市の手引きの数字とは別です。手引きに理由の記載はないため、大阪市の条例と手引きで確かめてください。

この試算で、面積基準を満たすか判定できますか。

判定できません。この試算は公定価格のモデル計算で、設備基準の適合や認可の可否は扱いません。

確認された利用定員で公定価格を試算する

市町村に確認した利用定員と、所在地、年齢別の園児数を入力します。面積基準の適合や定員の可否は試算結果に含まれません。

利用定員を入れて公定価格を試算する

次に知りたいこと:第32条が求める部屋の一覧と被服室の扱い、指定都市の条例が国の基準と違う点、小規模保育の設備基準と面積

ほかの記事の確認事項・よくある質問の一覧

  • 試算前の確認事項の一覧

    この記事の「つまずきやすい確認事項」1件を、ほかの記事の確認事項と対処とあわせて見られます。

この記事が参照した一次資料

ほかの解説

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