結論:他県受講や一部修了証なしでも、確認を経て研修修了として扱える場合がある
処遇改善等加算FAQ第7版は、研修の類型ごとに、確認を経て研修修了として扱える道を示しています。
FAQ 2-18・2-19は保育所・地域型保育事業所の保育士等キャリアアップ研修を、2-22は幼稚園・認定こども園の修了証明なしと保育士等キャリアアップ研修の一部修了証なしを、2-23は幼稚園・認定こども園の研修実施主体認定前の研修を扱っています。受講しただけで一律に認められる仕組みではありません。
| 研修の状況 | 確認する主体 | FAQが示す扱い |
|---|---|---|
| 他県で一部だけ受講 | 一部修了証を出す自県 | 自県の研修と内容が同一と確認できれば、自県が一部修了証を発行できる |
| 幼稚園・認定こども園で修了証明が発行されない | 加算認定自治体 | 受講歴一覧を受け、施設長等に確実な受講を確認したうえで、修了として扱える |
| 保育士等キャリアアップ研修で一部修了証が発行されない | 加算認定自治体 | 修了証明なしの場合と同じ確認を経て、修了として扱える |
| キャリアアップ研修の制度創設前に受講 | 研修の実施主体である都道府県 | 現在の研修内容に相当すると認められれば、改めて修了する必要はない |
| 幼稚園・認定こども園で、研修実施主体の認定前に実施された | 加算認定自治体 | 研修内容等が適当と認められれば、加算に係る研修として扱える |
「扱うことができる」は、自動認定の意味ではない
FAQは、内容の同一性、確実な受講、研修内容等の適否をそれぞれ確認することを前提にしています。園だけで修了扱いを決めることはできません。
申請前に、加算認定自治体または都道府県へ、必要な資料と確認の手順を問い合わせます。
他県で一部だけ受講した場合、自県が内容の同一性を確認すれば一部修了証を発行できる
FAQ 2-19は、他県で受講した研修が自県の保育士等キャリアアップ研修と同一内容だと確認できる場合、自県が一部修了証を発行できるとしています。
見るべき点は、受講場所ではなく、自県の研修との内容の同一性です。他県で受けた時間を園が独自に合算するのではなく、自県が確認して一部修了証を発行する流れになります。
受講記録をそろえる
研修名、分野、開催日、受講した時間、研修内容、実施主体が分かる資料をまとめます。
自県へ確認を依頼する
自県のキャリアアップ研修と内容が同一か、一部修了証を発行できるかを確認します。
残りの受講方法を確認する
一部修了証が発行された場合は、その記載と自県の案内に従って、未受講分の扱いを確認します。
FAQ 2-19は一部修了証を「発行することができます」としています。申請様式や提出先は全国一律とは書かれていないため、自県の案内を確認してください。
幼稚園・認定こども園で修了証明が出ない場合と、キャリアアップ研修で一部修了証が出ない場合
FAQ 2-22は、幼稚園・認定こども園で研修実施主体が修了証明を発行しない場合と、保育士等キャリアアップ研修で一部修了証が発行されない場合を扱っています。
施設・事業所は研修受講歴の一覧を提出し、加算認定自治体は施設長等に対して、加算対象職員が確実に研修を受けたことを確認します。その確認を経て、加算に係る研修を修了したものとして扱うことができます。
| 提出・確認するもの | 役割 |
|---|---|
| 職員ごとの研修受講歴の一覧 | 誰がどの研修を受けたかを加算認定自治体へ示す |
| 施設長等への確認 | 加算対象職員が確実に受講したことを加算認定自治体が確かめる |
園内の受講記録だけで、修了証の代わりになるとは限らない
FAQが示すのは、加算認定自治体が確認したうえで修了として扱えるという手順です。園が作った一覧だけで自動的に修了になるとは書かれていません。
自治体へ提出する前に、一覧の様式、添付資料、施設長等への確認方法を確かめます。
制度創設前の研修は都道府県、幼稚園・認定こども園の実施主体認定前の研修は加算認定自治体が確認する
古い研修は受講時期だけで除外せず、どの制度上の確認が必要かを分けます。
FAQ 2-18では、保育士等キャリアアップ研修の創設前に受けた研修について、現在の研修内容に相当すると実施主体である都道府県が認めれば、改めてキャリアアップ研修を修了する必要はないとしています。
FAQ 2-23は、幼稚園・認定こども園について、研修実施主体として認定される前に行われた研修でも、加算認定自治体が研修内容等を適当と認めれば、加算に係る研修として扱って差し支えないとしています。
「制度創設前」と「実施主体の認定前」では対象の施設類型と確認主体が異なるため、同じ制度や問い合わせ先だと決めつけないことが重要です。
申請前は、受講歴を職員ごとに並べて確認先と不足資料を分ける
実務では、職員ごとに研修の状態を分類すると、自治体へ確認する論点を混ぜずに済みます。
次の表はFAQの結論を申請準備に落とし込むための整理例です。自治体所定の様式を置き換えるものではありません。
| 項目 | 記録する内容 |
|---|---|
| 職員・研修 | 職員名、研修名、分野、実施主体 |
| 受講の記録 | 開催日、受講時間、修了または一部受講の別 |
| 現在ある証明 | 修了証、一部修了証、受講履歴、研修案内など |
| 該当する場面 | 他県受講、一部修了証なし、制度創設前、幼稚園・認定こども園の実施主体認定前 |
| 確認先と回答 | 都道府県または加算認定自治体、確認日、案内された手続 |
研修修了の扱いが確認できた後に、処遇改善等加算(区分3)の人数A・Bへ反映します。試算ツールは、研修修了の可否そのものを判定しません。
よくある質問
迷いやすいのは、他県受講なら必ず認められるか、証明がなければ無効か、古い研修を受け直す必要があるかの3点です。
- 他県で一部受講した時間は、必ず自県で認められますか。
必ずとは限りません。FAQ 2-19は、自県の研修と内容が同一であることを確認できる場合に、自県が一部修了証を発行できるとしています。自県へ研修内容と受講記録を示して確認します。
- 一部修了証が発行されなければ、その受講は無効ですか。
FAQ 2-22は、一部修了証が発行されない場合でも、受講歴一覧の提出と施設長等への確認を経て、加算認定自治体が修了として扱えるとしています。園だけで判断せず、自治体へ確認してください。
- キャリアアップ研修の制度ができる前に受けた研修は、受け直しですか。
一律に受け直しではありません。FAQ 2-18は、研修内容が現在のキャリアアップ研修に相当すると実施主体である都道府県が認める場合、改めて修了する必要はないとしています。
- この記事だけで、区分3の研修修了者に数えられると判断できますか。
判断できません。この記事は国FAQの確認手順を整理したものです。個別の研修内容、受講事実、修了の扱いは、都道府県または加算認定自治体へ確認してください。
次に確認する記事
研修の全体像、区分3で数える時点、対象職位の順に確認すると、修了証の扱いと加算の人数計算を切り分けられます。
研修の分野・時間・修了証の基本は保育士等キャリアアップ研修とは、修了者と修了見込みの違いは区分3の研修修了者・修了見込みの扱い、職位の発令は処遇改善区分3の対象職位と発令の扱いで確認できます。
研修の確認後に、各区分の対象・計算・実績報告の違いを見直せます。
処遇改善等加算の区分1・2・3を比較する確認済みの人数で処遇改善区分3を試算する
自治体への確認が終わった研修修了者を基に人数A・Bを入力します。研修の有効性や修了認定は、この試算では判定しません。
処遇改善区分3の試算を開くほかの記事の確認事項・よくある質問の一覧
この記事が参照した一次資料
- 処遇改善等加算に関するFAQ(よくある質問)(第7版)
第7版(令和8年5月15日時点版)/令和8年度対象外/確認日 2026-10-28