解説

省力化投資促進プラン―保育―(令和7年6月13日)の6業務・省力化レベル・目標

こども家庭庁が令和7年6月13日にまとめた「省力化投資促進プラン―保育―」は、保育所のICT導入などの省力化を進めるための計画です。プランの概要と本文に沿って、取り上げられた6つの業務、省力化レベルの考え方、ICT導入の支援策、令和8年度と令和11年度の目標を整理し、保育ICT推進加算との関係も確認します。

プランは、ICT導入で保育士がこどもと向き合う時間を確保することを目標にしている

「省力化投資促進プラン―保育―」は、こども家庭庁が令和7年6月13日にまとめた計画です。

プランの目標は、保育現場へのICTの導入等を推進し、保育士がこどもと向き合う時間を確保することです。

背景として、プランは、保育士の有効求人倍率が令和7年1月に3.78倍で、全職種平均の1.34倍より高い水準にあることや、保育士を退職した理由に仕事量の多さや労働時間の長さが挙がっていることを示しています。

プランは国の政策文書で、園に義務を課すものではありません。補助や加算を受けられるかどうかは、プランではなく、各事業の要綱や市町村の認定で決まります。自園の取扱いは、所在地の市区町村に確認してください。

取り上げられた6つの業務と、省力化の取組基準

プランは、保育所の代表的な業務を6つに整理し、省力化の取組度合いを評価する「省力化レベル」と「省力化の取組基準」を作ったとしています。

6つの業務は、給付・監査事務、午睡のチェック、登降園管理、保護者との連絡、保育に係る計画・記録の蓄積・整理、保育料収納です。

プランに示された6業務と、取組基準の目安(取組例)
業務○となる目安◎となる目安
給付・監査事務電子的な方法による事務の実施保育業務施設管理プラットフォームの活用
午睡のチェック午睡センサーの導入午睡センサーを主として活用
登降園管理登降園管理アプリの導入登降園管理アプリを主として活用
保護者との連絡連絡アプリの導入連絡アプリを主として活用
保育に係る計画・記録の蓄積・整理保育に係る計画・保育記録作成支援アプリの導入同アプリを主として活用
保育料収納キャッシュレス決済システムの導入キャッシュレス決済システムを主として活用

プランは、取組度合いをレベル1(平均的な事例)、レベル2(ベンチマークとなる事例)、レベル3(目標となる優良事例)の3段階に整理しています。

プランによると、これまでの調査研究から、登降園管理や保護者との連絡のICT化が効果的と分析されています。

プランが挙げている支援策

プランの概要は、支援策を「多面的な促進策」と「サポート体制」に分けて示しています。

促進策には、ICTを活用した業務システムの導入費用の一部の補助、ICT導入ハンドブックの周知、保育ICTラボ事業、保育業務施設管理プラットフォームと保活情報連携基盤の整備が挙がっています。

サポート体制には、巡回支援事業による保育所等への助言・指導と、自治体の協議会による事例紹介や勉強会があります。

プラン概要に挙げられた支援策
区分支援策概要に書かれた内容
促進策導入費用の補助保育に関する計画・記録、保護者との連絡、登降園管理等の業務、実費徴収等のキャッシュレス決済に係るICT等の業務システムの導入費用の一部を補助
促進策ハンドブックICT導入の目的・種類・効果、導入のステップ、つまずきやすいポイントと対策、事例をまとめたハンドブックの周知
促進策保育ICTラボ事業ロールモデルとなる事例の創出と横展開(令和6年度補正の新規事業)
促進策プラットフォーム等保育業務施設管理プラットフォームと保活情報連携基盤(令和6年度補正の新規事業)を、令和7年度末に試行運用、令和8年度以降に全国展開
サポート体制巡回支援事業保育事業者支援コンサルタントが保育所等を巡回し、ICT化の推進に関する助言や指導を行う
サポート体制保育所等におけるICT化推進等事業自治体が、ICT関連事業者や保育事業者などで構成する協議会を設置し、事例紹介や勉強会・研修会を行う

巡回支援事業は、令和6年4月17日の事務連絡でも、職場環境の改善のための事業として挙げられています。保育士の一斉退職防止に向けた職場環境の改善(令和6年4月17日の事務連絡の内容)を参照してください。

目標:令和8年度までに4機能すべての導入を20%以上、令和11年度までに事務作業等時間を10%減

プランは、保育ICTの導入等に関する目標の例を2つ挙げています。

令和8年度までに、登降園管理機能をはじめとする4機能をいずれも導入している割合を20%以上とすること、令和11年度までに事務作業等時間を令和8年度比で10%減少させることです。

概要は「たとえば」と書いており、目標とKPIの章には、このほかの項目もあります。園ごとに求める目標とは、概要には書かれていません。

プランの「4機能」と、公定価格の保育ICT推進加算の要件は、別の文書

プランの概要は「登降園管理機能をはじめとする4機能」と書いています。プランの本文には、1歳児配置改善加算の説明の注として、①登降園管理、②計画・記録、③保護者連絡、④キャッシュレス決済のうち、①およびもう1機能以上を導入し活用していること、とあります。目標の「4機能」が同じ4機能かは、目標とKPIの章で確認してください。

保育ICT推進加算の要件は公定価格の告示と通知で決まり、1歳児配置改善加算のICT要件は1歳児配置改善加算の要件・加算額の計算・認定の時期で整理しています。加算の対象かどうかは、市町村の認定と通知で確認する。加算の確認手順は保育ICT推進加算の対象確認(市町村の認定・3月分・分園の扱い)、4機能と運用の関係は保育ICT推進加算は4つの機能を導入しても使っていなければ対象外か(公定価格FAQ No.376)を参照してください。

よくある質問

プランの省力化レベルは、補助や加算の要件ですか。

プランは、取組度合いを評価するための整理として省力化レベルと取組基準を示しています。補助や加算の要件として使うとは、プラン概要には書かれていません。要件は各事業の要綱や公定価格の通知で確認してください。

導入費用の補助は、どこで受けられますか。

プランの概要は、ICT等を活用した業務システムの導入費用の一部を補助すると書いています。実施主体や申請の方法は、プランの概要からは分かりません。所在地の市区町村に確認してください。

プランの目標は、公定価格の試算に関係しますか。

プランは公定価格の計算式を定めたものではありません。この試算ツールは公定価格(委託費)の算定のみを行い、プランの目標や支援策は試算に含めていません。

自園の条件で試算する

所在地・定員・年齢別の園児数を入力すると、公定価格(委託費)を試算します。

結果には計算過程、使った告示・通知、確認日、そしてこの試算に含まれていない項目を必ず表示します。

公定価格の試算を開く

この記事は、プランの概要(2ページ)と、業務一覧・取組基準・支援策の本文に書かれた範囲だけを扱います。補助額や事業の詳細、優良事例の中身は転記していません。プランのその後の改訂の有無は確認していません。

次に知りたいこと:保育ICT推進加算の対象確認(市町村の認定・3月分・分園の扱い)、保育士の一斉退職防止に向けた職場環境の改善(令和6年4月17日の事務連絡の内容)、公定価格と別建ての国の補助事業一覧

ほかの記事の確認事項・よくある質問の一覧

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    この記事の「つまずきやすい確認事項」1件を、ほかの記事の確認事項と対処とあわせて見られます。

この記事が参照した一次資料

ほかの解説

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