解説

保育所の沐浴設備・医務室は必置か:国の基準(第32条)と乳児を入所させる場合の扱い

児童福祉施設の設備及び運営に関する基準の第32条で、医務室は満2歳に満たない子どもを入所させる保育所に設けるものとされ、沐浴設備や沐浴室の語は本則の条に出てきません。国の基準と条例・自治体の解説の違いを整理します。

この記事が答えること:医務室と沐浴設備の、国の基準での扱い

児童福祉施設の設備及び運営に関する基準の第32条は、保育所の設備の基準を定めています。

医務室は、満2歳に満たない子どもを入所させる保育所の部屋として第32条第1号に出てきます。沐浴設備は、この省令の本則の条に語そのものがありません。

乳児を入所させる園を計画するときに、この2つを分けて確かめる記事です。

この記事は国の省令の文言を整理するもので、個別の園の設備が基準に合うかの判断はしません。実際に適用されるのは都道府県等の条例の基準で、設置認可の窓口での確認が必要です。

医務室:第32条が求めるのは満2歳に満たない子どもを入所させる場合

第32条第1号は、乳児または満2歳に満たない幼児を入所させる保育所に、乳児室またはほふく室、医務室、調理室、便所を設けるものとしています。

満2歳以上の幼児を入所させる保育所を定める第5号は、保育室または遊戯室、屋外遊戯場、調理室、便所を挙げていて、医務室の語はありません。

医務室の扱い(確認日 2026-10-22)
入所させる子ども医務室条文
乳児または満2歳に満たない幼児設ける部屋として挙げられている第32条第1号
満2歳以上の幼児部屋の一覧に医務室の語はない第32条第5号

両方の年齢の子どもを入所させる保育所は、第1号の対象にあたります。

部屋の一覧全体は保育所の設備基準で設ける部屋の一覧で整理しています。

沐浴設備:国の省令の本則に語がない

e-Gov法令検索で児童福祉施設の設備及び運営に関する基準の本則の条を「沐浴」で検索すると、該当する条は0件でした(2026-10-22確認)。

第32条の乳児室、ほふく室、医務室の並びにも、沐浴室や沐浴設備は挙げられていません。

条文にない設備は、国の省令が設けるよう求めていない設備です。省令が設けることを禁じているわけではありません。

「国の基準にないから不要」と決めない

自治体は、設備の解説や条例で、乳児を保育する施設に沐浴設備を求めることがあります。たとえば東京都の設備・運営基準の解説は、乳児を保育する施設に原則として沐浴設備の設置を書いています。

所在地の都道府県等の条例と設備の解説を開き、沐浴設備の定めを確かめる。東京都の例は東京都の保育所の便所・手洗設備・汚物流し・沐浴設備で整理しています。

第10条第4項は、入所している者の入浴や清拭を定めていますが、助産施設、保育所、児童厚生施設を除く児童福祉施設が対象です。

この項は保育所を対象にしていません。保育所の沐浴を第10条第4項で根拠づけることはできません。

医薬品の備えと衛生管理は、設備とは別の条で定められている

第10条第5項は、児童福祉施設に、必要な医薬品その他の医療品を備え、その管理を適正に行うことを求めています。

第10条第1項は、入所している者の使用する設備、食器等、飲用に供する水について、衛生的な管理に努め、または衛生上必要な措置を講じることを定めています。

医務室を設けることと、医薬品の備え・衛生管理は、別の条文の別の義務です。

感染症対策や研修は保育所の衛生管理と感染症・食中毒の研修、健康診断は保育所の健康診断と嘱託医で扱っています。

乳児を入所させる園で確かめる手順

  1. 入所させる子どもの年齢を決める

    満2歳に満たない子どもを入所させるかを決めます。入所させるなら第32条第1号が対象です。

  2. 医務室を図面に入れる

    第1号の部屋として医務室を設けます。面積や兼用の可否は国の省令の第32条に数値の定めがないため、所在地の条例と窓口で確かめます。

  3. 沐浴設備の定めを所在地で調べる

    条例と設備の解説に沐浴設備の語があるか、必置か原則かを確かめ、窓口の回答を記録します。

  4. 面積と利用定員を確かめる

    乳児室・ほふく室の面積は利用定員に関わります。保育所の面積基準と利用定員を決める順序で順序を確かめます。

よくある質問

沐浴室は、乳児を入所させる保育所に国の基準で必置ですか。

児童福祉施設の設備及び運営に関する基準の本則の条に、沐浴の語は見つかりませんでした(2026-10-22確認)。第32条第1号が乳児を入所させる保育所に挙げる部屋は、乳児室またはほふく室、医務室、調理室、便所です。自治体の条例や解説で沐浴設備を求めていることがあるため、所在地の定めを確かめてください。

医務室は、すべての保育所に必要ですか。

第32条で医務室が出てくるのは、乳児または満2歳に満たない幼児を入所させる保育所を定める第1号です。満2歳以上の幼児を入所させる保育所を定める第5号には、医務室の語がありません。

医務室の面積に、国の基準で決まった数値はありますか。

第32条に医務室の面積の数値は書かれていません。面積の数値があるのは乳児室、ほふく室、保育室または遊戯室、屋外遊戯場です。医務室の広さや兼用の扱いは、所在地の条例と設置認可の窓口で確かめてください。

条例では、医務室や沐浴設備の扱いが変わりますか。

実際に適用されるのは都道府県等の条例です。国の省令の第1条は従うべき基準を列挙していて、第32条第1号のうち医務室はその列挙に入っていないため、参酌すべき基準にあたると読めます。個別の自治体の条例は、この記事では調べていません。

試算ツールで公定価格を見積もる前に

確認した利用定員と年齢別の人数を入力して、公定価格をモデル計算します。設備が基準に合うかの判定はしません。

公定価格の試算結果を見る

試算結果は、基準への適合や給付の支給を保証するものではありません。次に知りたいこと:保育所の設備基準で設ける部屋の一覧、保育所の面積基準と利用定員を決める順序、東京都の便所・手洗設備・沐浴設備。

ほかの記事の確認事項・よくある質問の一覧

  • 試算前の確認事項の一覧

    この記事の「つまずきやすい確認事項」1件を、ほかの記事の確認事項と対処とあわせて見られます。

この記事が参照した一次資料

ほかの解説

  • 公定価格とは・決まり方:保育所の計算方法と基本分単価の内訳

    保育園の公定価格の決まり方を解説。公定価格とは、特定教育・保育等に要する費用の額で、保護者の保育料とは別の施設側の総額です。基本分単価の内訳は地域区分・定員区分・年齢区分・保育必要量の4つで決まります。計算は基本分単価・加算・減算・園児数の4手順で、試算画面の入力欄も確認できます(子ども・子育て支援法第27条第3項)。

    関連する理由:

  • 保育所の「認可定員」と「利用定員」の違い(載る書類・変更の届出先・公定価格)

    保育所の定員は、運営規程(認可の申請事項に含まれます)と確認の申請書類に載ります。法令で定義された語は「利用定員」で、公定価格の定員区分が見るのも利用定員です。児童福祉法・子ども・子育て支援法・同施行規則・設備運営基準から、どの書類のどの数字か、変更の届出先はどこかを整理します。

    関連する理由: 共通する試算入力/共通する一次資料

  • 保育所の設備運営基準の条例を定める自治体(都道府県・指定都市・中核市)

    保育所の人員・面積などの基準は、国の省令ではなく自治体の条例で決まります。条例を定める主体が都道府県から指定都市・中核市に読み替わる仕組みを、児童福祉法第45条、設備運営基準第14条の4、地方自治法施行令の条文で整理します。

    関連する理由: 共通する試算入力/共通する一次資料

  • 保育所の認可で必要利用定員総数を超えると認可されない場合

    保育所の設置認可は、条例の基準を満たしても、区域の利用定員の総数が都道府県の計画の必要利用定員総数に達しているか超えるときは、認可しないことができます。児童福祉法第35条第8項と子ども・子育て支援法第62条から、確認する数字と順番を整理します。

    関連する理由: 共通する試算入力/共通する一次資料

状況別の解説一覧へ