解説

保育所の相談・援助(運営基準第17条)と、小学校等との連携(第11条)

確認を受けた保育所は、子どもの心身の状況や置かれている環境の把握に努め、子どもや保護者の相談に応じて助言その他の援助を行います。保育の終了に際しては、小学校などとの連携にも努めます。特定教育・保育施設の運営基準の第17条と第11条を、条文に沿って整理します。

相談・援助は第17条、小学校等との連携は第11条に書かれている

市町村の確認を受けた保育所は、運営基準の第17条で子どもと保護者への相談・援助を、第11条で保育の終了に際しての小学校等との連携を求められています。

運営基準は、特定教育・保育施設(保育所を含みます)が守る基準を定めた内閣府令です。

第17条は日々の保育の中での相談への対応、第11条は保育を終えるときの情報の引き継ぎに関する条です。

第17条と第11条の中身(確認日 2026-10-13)
条文求めていること性質
第17条常に子どもの心身の状況や置かれている環境の的確な把握に努め、子どもや保護者の相談に適切に応じ、必要な助言その他の援助を行う把握は努めなければならない(努力義務)、相談対応と援助は行わなければならない(義務)
第11条保育の終了に際し、小学校における教育や他の施設での教育・保育との円滑な接続に資するよう、子どもに係る情報の提供その他、小学校などの機関と密接に連携する努めなければならない(努力義務)

第17条:把握に努めたうえで、相談に応じ、助言その他の援助を行う

第17条は、子どもの状況の把握を土台に、相談への対応と助言その他の援助を義務として求めています。

条文は、常に子どもの心身の状況や置かれている環境などの的確な把握に努めることを前提に置いています。

そのうえで、子ども、またはその保護者に対し、相談に適切に応じ、必要な助言その他の援助を行わなければならないと定めています。

相談の窓口の形、回数、記録の様式は、条文に書かれていません。

「必要な助言その他の援助」の中身は、条文では決まっていない

第17条は、どんな相談にどこまで応じるか、他の機関へつなぐ基準を示していません。

具体的な運用は、所轄の市町村の条例や要綱、指導監査での説明で確かめます。この記事は個別の相談への対応方法を助言しません。

第11条:保育の終了に際し、小学校等との連携に努める

第11条は、保育の終了に際して、子どもに係る情報の提供その他の連携に努めることを求める努力義務です。

目的は、小学校における教育、または他の施設で継続して行われる教育・保育との円滑な接続に資することです。

連携の相手として条文に挙がっているのは、小学校、特定教育・保育施設など、地域子ども・子育て支援事業を行う者、その他の機関です。

提供する情報の範囲や、保護者の同意の取り方は、条文には書かれていません。

子どもの心身の状況の把握と提供の記録は保育所の支給認定の確認と提供の記録で、小学校との接続に関する加算の確認は小学校接続の加算の確認で整理しています。

条例では「参酌すべき基準」で、自治体の定めを確かめる

第11条と第17条は、市町村が条例を定めるときに「従うべき基準」ではなく、「参酌すべき基準」の側に入っています。

運営基準の第1条は、従うべき基準として第5条、第6条(第5項を除く)、第7条、第13条、第15条、第24条から第27条まで、第32条、第35条、第36条などを列挙しています。第11条と第17条はこの列挙に入っていません。

条例を定めるときの位置づけ(運営基準 第1条)
区分第1条の定め第11条・第17条
従うべき基準第5条、第6条(第5項を除く)、第7条、第13条、第15条、第24条から第27条まで、第32条など含まれない
参酌すべき基準上記以外の運営基準の規定第11条・第17条が該当

参酌すべき基準は、市町村が条例を定めるときに参考にする基準です。相談・援助や小学校等との連携の実際の定めは、所轄の市町村の条例で確かめます。

確認の順序

条例の定め、園内の相談の受け方、卒園時の情報の引き継ぎの順に確かめます。

  1. 所轄の市町村の条例に、第11条・第17条に当たる定めがあるか確かめる

    参酌すべき基準のため、条例の書き方は自治体で異なることがあります。条例の該当箇所を、実際に開いて確かめます。

  2. 子どもと保護者の相談を、誰が、どこで受けるかを園内で決めて書き出す

    条文には窓口の形が書かれていないため、園の運営規程や保護者への案内と合わせて、受け方を園内の手順として整理します。運営規程の扱いは保育所の運営規程と重要事項の説明で整理しています。

  3. 相談を受けたときの記録の扱いを、市町村の定めと照らして確かめる

    第17条は記録を求める文言を置いていません。記録の保存期間や様式は、市町村の条例や要綱で確かめます。

  4. 保育の終了時に引き継ぐ情報の範囲と相手を、市町村に確かめる

    提供する情報の範囲や保護者への説明の仕方は条文にないため、市町村や就学先の学校との取り決めを確かめます。

次に知りたいことは、保育内容の指針と保護者との連絡を整理した保育所の保育内容の指針と保護者への連絡、苦情への対応の窓口を整理した保育所の苦情対応の窓口と記録、指導監査で見られる項目を整理した指導監査の確認表です。

この記事・試算で扱わないこと

この記事は運営基準の条文の説明で、個別の相談への対応や、情報提供の可否の判定は行いません。

条例の内容と運用は、所轄の市町村に確認してください。

試算ツールも、運営基準を満たすかどうかの判定は対象外です。

よくある質問

保育所の相談・援助について、運営基準は何を定めていますか。

第17条で、子どもの心身の状況や置かれている環境の把握に努め、子どもや保護者の相談に適切に応じて、必要な助言その他の援助を行うよう定めています。窓口の形や記録の様式は、条文には書かれていません。

小学校等との連携は義務ですか。

第11条は、保育の終了に際して、情報の提供その他の連携に努めなければならないとする努力義務です。

第11条で連携の相手として挙がっているのは、どこですか。

小学校、特定教育・保育施設など、地域子ども・子育て支援事業を行う者、その他の機関です。

第11条と第17条は、条例でも同じ内容になりますか。

運営基準の第1条では、第11条と第17条は参酌すべき基準の側にあります。実際の内容は、所轄の市町村の条例で確認してください。

この試算ツールで、相談・援助や小学校等との連携の義務を確認できますか。

できません。この試算は公定価格(委託費)の算定に特化しており、運営基準を満たすかどうかの判定は対象外です。

自園の条件で試算する

所在地・定員・年齢別の園児数を入力すると、公定価格(委託費)を試算します。

結果には計算過程、使った告示・通知、確認日、そしてこの試算に含まれていないことも表示されます。

公定価格の試算を開く

ほかの記事の確認事項・よくある質問の一覧

  • 試算前の確認事項の一覧

    この記事の「つまずきやすい確認事項」1件を、ほかの記事の確認事項と対処とあわせて見られます。

この記事が参照した一次資料

ほかの解説

  • 公定価格とは・決まり方:保育所の計算方法と基本分単価の内訳

    保育園の公定価格の決まり方を解説。公定価格とは、特定教育・保育等に要する費用の額で、保護者の保育料とは別の施設側の総額です。基本分単価の内訳は地域区分・定員区分・年齢区分・保育必要量の4つで決まります。計算は基本分単価・加算・減算・園児数の4手順で、試算画面の入力欄も確認できます(子ども・子育て支援法第27条第3項)。

    関連する理由:

  • 保育所の広告(虚偽・誇大の禁止)と紹介料の授受の禁止(運営基準第28・29条)

    確認を受けた保育所は、園の広告で虚偽のものや誇大なものを使えず、子どもや家族を紹介する対価として金品を渡したり受け取ったりすることも禁じられています。特定教育・保育施設の運営基準の第28条と第29条について、条文の中身、禁止の相手方、条例を定めるときの位置づけを整理します。

    関連する理由: 共通する試算入力/共通する一次資料

  • 保育所の支給認定の確認と申請の援助(運営基準第8・9条)、提供の記録

    確認を受けた保育所は、利用を求められたときに支給認定証で認定の内容を確かめ、認定を受けていない保護者の申請を援助し、提供した保育を記録します。特定教育・保育施設の運営基準の第8〜10条・第12条について、園が負う事務の中身、変更申請の30日前の目安、記録の5年保存、条例での位置づけを整理します。

    関連する理由: 共通する試算入力/共通する一次資料

  • 家庭的保育事業の資格保有者加算(保育士・看護師・准看護師の要件と認定の申請書類)

    家庭的保育事業の公定価格にある資格保有者加算を、留意事項通知の別紙5から整理します。対象となる資格、市町村長の認定と申請に添える資格証の写し、加算額の算定の仕組みを確認できます。

    関連する理由: 共通する試算入力

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