解説

大阪市の認可保育所の分園の設置要件と、分園に調理室・医務室を置かない場合の条件

大阪市の認可保育所の手引き(令和8年4月)が分園に求める設置要件と、調理室・医務室を分園に置かない場合の条件を整理します。同一区内、通常の交通手段で30分以内、定員30人未満が目安で、保育室等の面積は認可保育所と同じです。

この記事が答えること:大阪市の手引きは、分園に何を求めているか

大阪市の手引きは、分園を中心保育所と一体で運営するものとして、設置の要件を定めています。

設置できるのは、大阪市内に本体となる認可保育所(中心保育所)を設置経営する法人です。

距離、定員、開所時間、土地と建物の条件が、手引きに並んでいます。

この記事は、大阪市が公表している手引き(令和8年4月)の記載を整理するものです。ほかの自治体の取扱いではなく、個別の園の設置可否や認可の判断も扱いません。分園を考えるときは、所轄の自治体の担当課に確認してください。

設置要件:中心保育所との関係を、距離・定員・開所時間で定めている

大阪市の認可保育所の分園の設置要件(手引き「分園の設置について」、確認日 2026-10-18)
項目手引きの記載
設置できる者大阪市内に中心保育所を設置経営する法人。中心保育所の新設と同時に分園を設置することはできない
運営中心保育所の施設長のもとで、中心保育所と一体的に施設運営を行う
場所原則として中心保育所と同一区内。中心保育所との距離は通常の交通手段で30分以内が目安。同一の敷地内には設置できない
定員30人未満が目安。分園の児童が対象年齢の終了後も中心保育所で保育を受けられるように定員を設定する
開所時間1日11時間以上で、基本的に中心保育所に準じる。児童の処遇や保護者との連絡体制等を十分確保し、対象年齢終了後に中心保育所で保育を受けることに支障がない場合に限り、中心保育所と差を設けることができる

分園の定員は、対象年齢を終えた児童が中心保育所へ進めるように決めます。

手引きは、分園の入所児童が対象年齢の終了後も中心保育所で保育を受けられるように定員を設定することを求めています。

開所時間に差を設けられるのは、処遇や連絡体制を十分確保し、この引き続きの保育に支障がない場合に限られます。

30分以内と30人未満は『目安』と書かれている

手引きは、中心保育所との距離と分園の定員を、どちらも目安としています。一方で、同一区内と同一敷地内への設置不可は、原則または不可として書かれています。

目安の数字を満たすかだけで判断せず、個別の事情を所轄の担当課に伝えて、扱いを確かめます。

土地と建物:原則は自己所有で、賃貸には条件がある

土地と建物は、原則として設置主体の自己所有です。

賃貸物件でも設置できますが、地上権または賃借権を設定して登記することと、賃借料が地域の水準に照らして適正な額以下で、安定して支払える財源が収支予算書に計上されていることが条件です。

登記ができない特別の事情があるときは、分園での運営が困難になった場合に中心保育所で保育を行えるなどの対応が採られていれば、この限りではないと書かれています。

建物には、建築確認済証と検査済証の交付が確認され、建築基準法などに則った手続き(用途変更等)ができること、現行法上の耐震基準を満たすことが求められます。

昭和56年5月31日以前に確認通知を受けた建物は、耐震調査を実施して問題がないか、満たしていない場合は選定後に改修することが必要です。

認可保育所を賃貸物件で設置する一般の条件は『認可保育所を民間の賃貸物件で設置できる条件(4点)』で整理しています。

設備:保育室等の面積は同じで、調理室と医務室は条件つきで置かなくてよい

分園は、認可保育所と同じ基準を満たす必要があります。

保育室等の面積も同じで、手引きの表は0歳児が5.00平方メートル、1歳児が3.30平方メートル、2歳児以上が1.98平方メートルです。

そのうえで、調理室と医務室は、中心保育所にあることから、条件のもとで分園には設置しないことができます。

分園の調理室・医務室・必設設備(手引き「分園にかかる認可基準」、確認日 2026-10-18)
設備分園で置かない場合の条件、または置く場合の条件
調理室置かない場合も、中心保育所の調理室の能力を勘案して衛生上・防火上の不備が生じないようにし、原則として加熱機器・冷蔵庫・流し・配膳器具などの調理設備を設置して、他の設備と区画する
医務室置かない場合も、分園に医薬品を備える
必設設備便所(定員と年齢に見合う設備と個数)、調乳設備(0歳児を保育する場合)、沐浴設備(0・1歳児を保育する場合)、シャワー設備(2歳児を保育する場合)

調理室を置かなくてよいといっても、調理設備が要らないわけではありません。

手引きは、分園にも原則として調理設備を設置し、区画することを求めています。

建物は2方向の出入口が必要で、保育室を2階以上に設ける場合の基準も認可保育所と同じです。

よくある質問

分園は、中心保育所と同じ敷地に設置できますか。

大阪市の手引きは、分園を中心保育所と同一の敷地内に設置できないとしています。原則として同一区内で、通常の交通手段で30分以内が目安です。ほかの自治体の取扱いは、それぞれの手引きで確かめてください。

分園に調理室がなくても、認可を受けられますか。

大阪市の手引きは、条件のもとで分園に調理室を設置しないことができるとしています。条件は、衛生上・防火上の不備が生じないよう留意し、原則として調理設備を設置して他の設備と区画することです。認可の可否は、所轄の担当課が判断します。

分園の職員や公定価格の取扱いは、この手引きに書かれていますか。

この記事で読んだ範囲では、設置要件と認可基準です。分園の職員の充足や公定価格の区分は『分園で充足する職員の範囲』と『分園がある保育所の定員区分の確認』で扱っています。

この試算で、分園の設置要件を満たすか判定できますか。

判定できません。この試算は公定価格のモデル計算で、設置要件の適合や認可の可否は扱いません。

確認された利用定員で公定価格を試算する

市町村に確認した利用定員と、所在地、年齢別の園児数を入力します。設置要件の適合や定員の可否は試算結果に含まれません。

利用定員を入れて公定価格を試算する

次に知りたいこと:分園がある場合の基本分単価の調整、保育室等の面積を壁芯で数える大阪市と有効面積で数える横浜市、指定都市の条例が国の基準と違う点

ほかの記事の確認事項・よくある質問の一覧

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この記事が参照した一次資料

ほかの解説

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