解説

療育支援加算の補助する者の配置基準との二重計上と、専門分野外の障害児の扱い(公定価格FAQ No.297・298)

療育支援加算で主任保育士等を補助する者を同じ時間に年齢別配置基準の常勤換算にも数えられるか、専門職の専門分野ではない障害児を取組の対象にするかを、公定価格FAQ(第32版)のNo.297・298で確かめます。

補助する者の二重計上と、専門分野外の障害児の扱い

公定価格に関するFAQ(第32版、令和8年7月24日時点)のNo.297とNo.298は、療育支援加算の人の置き方と、取組の対象を扱っています。

主任保育士等を補助する者は、療育支援加算の算定と年齢別配置基準の常勤換算の両方に計上できません。専門職の専門分野ではない障害児も、取組の対象に含めます。

この記事は、2問の答えを留意事項通知の文言とあわせて整理したものです。

加算の区分と認定の見方は療育支援加算の認定と区分の確認、専門職の月の時間の数え方は療育支援加算の専門職の月60時間・90時間の数え方で説明しています。

No.297:補助する者は、加算と配置基準の両方に計上できない

No.297は、同一の者を、主幹教諭や主任保育士等を補助する者として教諭や保育士等を配置した場合に、年齢別配置基準に含めることは可能かを問うています。

答えは、療育支援加算の算定と年齢別配置基準の常勤換算の両方を計上することはできませんです。

理由として、主幹教諭や主任保育士等を補助する者は、配置する時間を定めているものではないことが挙げられています。

留意事項通知は、主任保育士等を補助する者を非常勤職員とし、資格の有無は問わないと定めています。専門職を活用する場合は、月に60時間以上という時間の要件があります。

補助する者には、通知に配置する時間の定めがありません。FAQが理由として挙げているのは、この点だけです。時間の定めがないことと両方に計上できないことの関係は、FAQに説明がありません。

同じ人を加算と配置基準の両方に数えるときの扱い(No.296とNo.297の比較)
比較する観点専門職を活用する場合(No.296)主任保育士等を補助する者を配置する場合(No.297)
通知上の時間の定め月に60時間以上の業務従事配置する時間の定めはない
同一の者を両方に配置すること可能(専門職と特定理学療法士等のいずれにも該当する者の場合)算定と常勤換算の両方の計上はできない
二重計上同一の時間帯はできない両方の計上はできない
FAQが求めている区分どの日・時間帯にどちらの者として従事するのかを明確に区分する答えに区分の定めは書かれていない

配置基準の人数に入れた人を、加算の補助する者にも入れていないか

FAQは、補助する者について、加算の算定と年齢別配置基準の常勤換算の両方への計上を認めていません。配置基準の人数に数えている職員を補助する者としても申請すると、この両方に当たるおそれがあります。

補助する者が配置基準の人数にも入っていないか、職員の一覧と勤務の割り振りで確かめる。扱いが分からないときは、市町村に確認する。

No.298:専門職の専門分野ではない障害児も、取組の対象にする

No.298は、施設を利用する全ての障害児を対象として行うことが原則とされているが、必ずしも専門職の専門分野ではない障害児がいる場合も取組の対象とする理解でよいか、を問うています。

答えは「お見込みのとおり」です。専門職の専門分野ではない障害児がいても、その子どもを取組の対象から外しません。

答えには、2つの添え書きがあります。専門職は複数人活用してもよいこと、そして、No.297にも留意して適切な活用のあり方を施設・事業所で検討することです。

複数名で時間を合計できる点は、専門職の時間の数え方のNo.295で説明しています。

留意事項通知が取組の対象について定めていること
対象の範囲通知の定め
施設を利用する障害児全ての障害児を対象として行うことを原則とする
障害児以外の利用子どもきめ細かな教育・保育を行う必要があると考えられる子どもがいる場合は、その子どもも含めて取り組むことが望ましい
対象人数が多いとき個別の支援計画と個別の指導計画の作成・見直しを十分に行えない見込みなら、特に取組が必要な障害児から優先して取り組むことも可能
職員の体制主任保育士等や専門職だけでなく、施設の職員がチームとなって取り組む

専門職の専門分野を、取組の対象を絞る理由にしない

通知の原則は、全ての障害児を対象にすることです。専門職の専門分野に合う子どもだけに絞ることは、No.298の答えと通知の原則に合いません。

対象児の一覧に、専門職の専門分野に当たらない子どもも載せる。専門分野が合わない子どもへの関わりは、施設の職員のチームでの対応を含めて検討する。

取組のⅰ〜ⅴを、一部しか実施できなかった場合の見方は、療育支援加算の取組が一部できないときの要件の判断にまとめています。

配置を決める前の確認の順序

補助する者の勤務の割り振り、対象児の一覧、専門職の体制、市町村への確認の順に進めます。

  1. 補助する者を確かめる

    通知では、補助する者は非常勤職員で、資格の有無は問われません。No.297の答えを踏まえ、年齢別配置基準の常勤換算にも数えていないかを確かめます。

  2. 対象児の一覧を作る

    施設を利用する全ての障害児を載せます。専門職の専門分野に当たらない子どもも含めます。

  3. 専門職を使う区分なら、体制を見直す

    専門職は複数人の活用も可能とされています。活用のあり方を施設で検討し、時間の数え方は別の記事で確認します。

  4. 自園の扱いを市町村に確認する

    加算の認定は、施設が所在する市町村が行います。配置基準との計上の扱いや対象児の範囲で迷う点は、市町村に確認してください。

この記事は、公定価格FAQ(第32版、令和8年7月24日時点)のNo.297・No.298と、留意事項通知の療育支援加算の記載の整理です。FAQに書かれていない個別の事例は、この記事では判断しません。

加算の適用可否は、施設が所在する市町村の認定で決まります。自園の扱いは、所轄の市町村に確認してください。

よくある質問

二重計上、対象児の範囲、専門職の人数が、よく聞かれる3点です。

主任保育士等を補助する者を、年齢別配置基準の常勤換算にも数えてよいですか。

No.297では、療育支援加算の算定と年齢別配置基準の常勤換算の両方を計上することはできないとされています。

専門職の専門分野ではない障害児は、取組の対象から外してよいですか。

No.298は、専門分野ではない障害児がいる場合も取組の対象とする理解でよいか、という問いに「お見込みのとおり」と答えています。

専門職は複数人活用してもよいですか。

No.298は、専門職を複数人活用することも可能としています。ただし、No.297にも留意しつつ、施設・事業所で適切な活用のあり方を検討するよう求めています。

次に知りたいこと:専門職の確保の形と、年度途中の入所・退所

次に知りたいこと:専門職の雇用形態(法人本部の雇用・派遣、訪問支援・巡回支援の扱い)、年度途中に障害児が入所・退所したときの扱い、主任保育士専任加算の要件。

療育支援加算の認定済みの区分を選んで、加算額を確認できます。

結果には計算過程、使った告示・通知、確認日、そしてこの試算に含まれていない項目を必ず表示します。

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ほかの記事の確認事項・よくある質問の一覧

  • 試算前の確認事項の一覧

    この記事の「つまずきやすい確認事項」2件を、ほかの記事の確認事項と対処とあわせて見られます。

この記事が参照した一次資料

ほかの解説

「加算を試算に入れる前に、認定や要件を確認したいとき」の解説一覧へ